井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

巨大な豆果をつけるサイカチ

2010年11月19日 | 日記
川岸や原野の水辺に多く生育するとされるが、北海道での自生はない。本州では寺社の境内などに植えられてきたという。



サイカチの樹皮、幹です。マメ科サイカチ属。
サイカチの名前はあまりなじみが無いですが、1度見たら強く印象に残るポイントがいくつかあります。
その一つが幹や枝から出る刺です。変わっているのは刺が多いといことだけではなく、刺に枝分かれした部分のあるところです。
何回も分岐を繰り返すのは、この刺が枝の変形したものだからだそうです。枝分かれする刺のことを、「分岐刺」(ぶんきし)といいます。



サイカチの葉です。
同じマメ科のニセアカシア(ハリエンジュ)の場合は奇数羽状複葉ですが、サイカチは偶数羽状複葉です。偶数羽状複葉であるのは同じマメ科のネムノキと同じですが、小葉が幅広な分印象としてはニセアカシアに近いでしょう。



サイカチのマメ果です。
大きさが感じられるようケータイと並べた写真にしました。30cmを超え35cmほどになるものもあります。
サヤなどにサポニンを含み、昔はっ石鹸の代用よく使われたといいます。
これだけ大きいサヤは、風散布でもなく、鳥や動物による被食分布でもなさそうです。では、何故こんなに大きなマメ果になっているのでしょうか。
ある人の仮説です。大昔はナウマン象がこれを食べ、象の胃などを通過することで発芽能力を得ていたものが、ナウマン象の絶滅で、実生による更新が出来なくなったというのです。真偽の程は分かりませんが面白い話です。
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