井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

別名のほうがとおりのいいニワウルシ

2010年10月07日 | 日記
ニワウルシが標準和名だが、札幌周辺では別名の「シンジュ」のほうがとおりがいい。
繁殖力が強いというか中々の生命力で、空き地などに根を下ろした株は、毎年の刈り込みに会いながら、それでもしぶとく生き続けている。



ニワウルシの葉です。ニガキ科ニワウルシ属。
羽状複葉で、ニガキの場合は小葉が11枚前後だが、ニワウルシの場合は19~21枚と多い。
この葉がウルシの葉に似ているというのでニワウルシだが、「ニワ」の方の意味は、庭などに植えるからというほどのものだという。



ニワウルシの雄株と雌株です。
雌雄異株で、左側、果実の色が目立つのが雌株で、右側、葉だけのものが雄株です。果実のない時期には、雄雌の見分けは難しいでしょう。
ニガキよりも大きく20m」前後にはなります。苦味成分をもつからニガキ科なのでしょうが、葉をかじってみてもニガキのように苦くはありません。
英語名はheaven tree で、その意訳で「神樹(シンジュ)」が別名として使われるようになったといいます。
桑を食べて絹糸をはく蚕は、家畜化されているので「家蚕」(かさん)といい、これに対して野生のままの蚕は「野蚕」(やさん)と呼ばれます。
シンジュの葉を食べる「シンジュサン」も「野蚕」の一種で、ヤママユガの仲間です。この場合は「シンジュ」であって、「ニワウルシ」にはなりません。



ニワウルシの果実(下側がニワウルシ、上側のはヤチダモ)です。
翼果で、一見ヤチダモのそれに似ていますが、ヤチダモの場合種子が翼果の端についていますが、ニワウルシの場合は中央に種子があります。
ニワウルシの翼は、縦方向に捩じれていて、翼果は回転しながら飛んでいきます。
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