井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

這うことで積雪地に適応したハイイヌガヤ

2010年11月20日 | 日記
植物名に「イヌ」がつくのは概ね「役に立たない」の意味で、「ハイ」がつくのは、英語の「High」ではなく「這う」意味であるという。



ハイイヌガヤです。イヌガヤ科イヌガヤ属。
カヤは漢字で「榧」と書き、ヒノキ科の樹木です。榧は碁盤材として最高級とされる訳で、それだけ大きな樹になるということです。
イヌガヤはそのカヤに似ていてカヤ程役に立たないというので「イヌガヤ」となりました。
ハイイヌガヤはその1変種で、這うことで積雪寒冷地に適応したものです。



ハイイヌガヤの雄花と雌花です。
雌雄異株ですから、もちろん雄花と雌花は別の株につきます。右が雄花、左が雌花。
裸子植物ですから、雌花の胚珠はむきだしです。
葉の裏面は白い気孔帯が目立っています。北海道など寒い地方を中心に分布するのでエゾイヌガヤの別名もあります。



ハイイヌガヤの実です。
ハイイヌガヤは針葉樹なのか違うのか、迷うところです。針葉樹というのは、植物学上の正式な呼び方ではなく、したがって定義もあいまいなところがあります。
狭く言う場合には、球果(松かさ)をつける球果植物を針葉樹としますが、液果状の実をつけるイチイやイヌガヤなども針葉樹に含むのが、一般的なようです。中には裸子植物全体を針葉樹にしてしまう事もあります。
ハイイヌガヤは外種皮が肉質になって、食べると少し松やにくさいですがほんのり甘みがあります。焼酎につけたら、洋酒のジンのようになるかも知れません。
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