ささやかな幸せ

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寿初春大歌舞伎

2019-01-20 23:08:22 | 歌舞伎
 寿 初春大歌舞伎 平成31年1月2日~26日 大阪松竹座
 午前の部
<土屋主税>
 赤穂浪士の討ち入りを待ち望む土屋主税(吉良邸の隣家)の心の内を描く。
 幕が開いたとたん、雪のしんしんと降る美しい場面に魅了される。
 大高源吾を演じる愛之助さんが、花道を歩くと傘に積もった雪が後ろに流れて、美しいの一言。
 壱太郎演じるお園は、可憐。

ロビーには、壱太郎さんの祖父・坂田藤十郎さんが扇雀時代のお園の写真が。美しい。
 扇雀さん演じる土屋主税は、上品。私は、討ち入りで興奮する、鴈治郎さん襲名の折の鴈治郎さんの主税が、好きだが、扇雀さんの演技で思わず落涙。よかった。

ここで、お弁当タイム。

天むす弁当。松竹座で売っているお弁当は、美味しい。

<寿栄藤末廣>

 米寿の藤十郎さん(中央)、長男の鴈治郎さん(右から二番目)、次男の扇雀さん(左から二番目)、鴈治郎さんの子・壱太郎さん(右)、扇雀さんの子・虎之介さん(左)という三代の舞踊。おめでたい。鴈治郎さんは、鶴、扇雀さんは、亀の冠。最後は、背景が富士山で鶴が舞い、藤の花が垂れ下がり、金紙がキラキラと舞う。三代の舞踊を見ることができて、うれしかった。

<河庄>
 治兵衛は、妻子のある身でありながら、遊女小春と深い仲になり、心中の約束をする。小春は治兵衛の妻から手紙をもらい、ふさぎこむ。見慣れない侍が小春の客として現れ、小春は心中をしたくないと訴える。それを聞いた治兵衛は、小春の心変わりに激高するが、侍と見えたのは実は治兵衛の兄。兄に諭され、小春と別れると言う治兵衛だが・・・。
 虎之介さん演じる丁稚は、まだ硬いかなあ。真面目に演じている。肩の力を抜いてアホになりきるといいと思う。まだ若いものね。舞踊は、若々しく踊っていたので、これからに期待。
 小春役の壱太郎さんは、一途さを演じてよかった。治兵衛への愛想尽かしは、治兵衛の妻への義理であり、本当はまだ好きなのに、その気持ちを抑える姿にじんときた。
 それに比べて、鴈治郎さん演じる治兵衛の身勝手さ。男はダメだねえと思わせる。こういう心の機微を演じると鴈治郎さんは上手いなあ。
 そして、兄を演じる彌十郎さんとの治兵衛のやり取りは、おかしい。
 太兵衛役の愛之助さんは、いけすかない男を軽妙に演じていい。土屋主税での源吾の端正な姿とは、また違った魅力。
 治兵衛を盗人と太兵衛がののしり、町人がわらわらと集まる場面では、町人がこれでもかという位出てきておかしかった。花道を大勢の町人がわらわらと引き上げるところも面白い。

 バランスのよい演目で、米寿の藤十郎さんのお祝もあり、初春にふさわしい歌舞伎だった。
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