ささやかな幸せ

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「クリスチャン・ボルタンスキー」もう一度行ってみたい

2019-02-11 22:38:21 | 美術鑑賞
「クリスチャン・ボルタンスキー Lifetime」 2019年2月9日-5月6日 国立国際美術館
開館時間:午前10時-午後5時 金・土曜は午後8時まで 休館日:月曜日(2/11、4/29、5/6は開館)2/12
 何の先入観もなく、予備知識もなく行く。若い人で混んでいる。若い人に有名なアーティストなのかなと思って見て、衝撃を受けた。きれいと思って近づくとギョッとすることが多い。写真や服の山がホロコーストを思い起こさせる。死を常に意識しているような作品群。心臓の鼓動の音、風鈴の音が他の作品のBGMとなり、不思議さをかきたてる。


モニュメント 神聖な教会のようだと近づくと、人の顔の写真に気付く。そして、ライトからのびるコードが血管や神経のように見え、禍々しさを感じる。


アニミタス(白) 床には丸めた白い紙。スクリーンには、風に揺れる風鈴たち。荒涼した感じ。


ぼた山 黒いコートの山。ホロコーストの犠牲者たちの衣服の山を思い起こさせる。


発言する コートを着た人の群れ。それぞれから、言葉が聞こえる。衝撃な言葉も。


保存室(カナダ) カラフルな洋服が大量にぶら下がっている。これもホロコーストの犠牲者の衣服の山を想起させる。


コート 「矢印だ!」と思って近づくと、コートの回りを青いライトが囲っていたのだった。磔刑のようにも見える。


黒いモニュメント、来世 黒いモニュメントが墓石のようにも見える。うろつく観覧者たちは、ゾンビなのか?本展のために製作された作品。


スピリット 顔がプリントされたヴェールがかすかに揺れる。幽霊のように。


黄昏 きれいだと思った。しかし、ライトは展示期間中、毎日2こずつ消えていき、最後は真っ暗になってしまうらしい。会期の始めのほうなので、明るいがこれがだんだん暗くなっていくと思うと、人生をや老化を感じる。


影(天使) 羽を持った天使だと思ってよく見ると、鎌を持った死神にも私は見えた。


黄金の海 床の銀色のエマージェンシーブランケットをライトが照らす。私には、荒れた海というより不気味に溶岩が流れ出しているように見えた。

●咳をする男 一番初めにこれを見て恐怖を感じる。包帯でぐるぐる巻きの男が血を吐く映像。
●合間に 縄のれんみたいなものをスクリーンにして7歳から65歳のボルタンスキーを投影している。(顔が変わっていくなんて知らなかった、残念)観覧者はそのスクリーンに映る顔を通り抜けていく。
●最後の時 ボルタンスキーが生きた現時点までの時間を秒で表示。秒ごとに刻んでいく数字はボルタンスキーの死の瞬間に止まる。
●影 風に揺れるガイコツのモビールが光りに照らされ、壁に影を映し出す。結構好きな作品。

 見た当初よりも思い出して考えるほうが、いろいろな思いが湧いてくる。もう一度訪ねて味わってみたい作品群。特に黄昏は、会期終わり近くに見るとどんな感想を持つだろうか。

※会期終わり近くに見た感想はこちら
コメント
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