ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
毎日小さな幸せを見つけて暮らしたい。

「日日是好日」

2018-10-24 21:53:46 | 映画
「日日是好日」
 真面目で、努力家でおっちょこちょいの典子が母の勧めでお茶を習うことになる。それから24年。就職の挫折、失恋、大切な人との別れ、いつもそばにはお茶があった。
 静かだが、音が印象的な映画。雨の音。鳥のさえずり。瀧の音。水の音。せせらぎと。ドラマチックではない展開の話が映画として成立するのが、すごいというか、日本的というか。
 私の好きな梅雨と秋の雨の違いの場面もあった。(本を読んでいないと意味がわからないかも)水をさすことで釜鳴がおさまるところもあった。お軸の「瀧」のところは、私も好きな場面なのだが、映画では実際の瀧の映像と重なって印象的な場面になっていた。
 樹木希林さんの力の抜けた感じが絶妙。多部未華子ちゃんの正座の姿が美しかったこと!。そして、黒木華さんの静かな演技が心にしみた。お弟子さんが、お稽古中に足がしびれて後ろにこけて建水の水をかぶる場面は大袈裟で嫌だったけど。
 関ジャムのユーミン特集を見た後だったので、劇中で黒木華さんと多部未華子ちゃんがユーミンの「真夏の夜の夢」の替え歌をカラオケで歌うのがなぜかしら うれしかった。
いい映画だった。

 帰り道。大きな丸いお月さまが出ている。五七五で俳句をひねっていると、前に幼児を抱いたお母さんが歩いている。仕事帰りだろうか。疲れているところに子どもを抱いて、クタクタだろうな。子どもは、お母さんに抱っこされてご機嫌で、何やら歌を歌っている。しんどいだろうに、抱っこしてあげて、いいお母さんだなあと思って見ていたら、子どもと目が合った。子どもが私の顔をじっと見つめるので笑いかけると、小さな指を伸ばしてきた。あんまりかわいいので、私がETのように人差し指でチョンとその子の指に触れる。すると、その子はケラケラ笑って、幾度も人差し指を伸ばす。別れる曲がり角まで何度も何度も人差し指を突き合わせて挨拶をした。2歳の女の子、かほちゃん。ありがとう。おばちゃんは、あの後、足取り軽く家路についたよ。
 今日は、佳き日だった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする