ささやかな幸せ

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平成27年夏休み文楽特別公演 7/18~8/3 国立文楽劇場 第三部 名作劇場 きぬたと大文字 生写朝顔話

2015-08-03 15:17:57 | 文楽
バスに乗る。ある停留所に着くと、1人の女の人が立ち、もう1人の女の人はタイヤの上のすわりにくい席に移動した。「降りないのに、なんで?」と思っていたら、おばあちゃんが二人乗ってきた。おばあちゃんたちは、いいところに席があいていたばかりに席にすわる。さりげない心遣いに感心した。
今日、出勤時に近所の人と出会う。にこやかに挨拶を交わし、その人は私の前を歩き、私はゆっくりと歩く。すると、その人は、信号のないところで、いきなり道路を斜め横断。そして、駅前の信号が赤にも関わらずスタスタ。優しい風貌と似合わない行動にビックリした。どこで人が見ているかわからないもの。誰が見ても恥ずかしくない行動をしようと肝に銘ずる。

平成27年夏休み文楽特別公演 7/18~8/3 国立文楽劇場 第三部 名作劇場 きぬたと大文字 生写朝顔話
●きぬたと大文字
三味線がばらばらなような気がした。心の乱れを表すためにわざと???
文楽の女の人形は、曽根崎心中以外足がないと聞いたような気がするが、舞妓さんは、ぼっくりをはき、妻はつま先のとがった靴を履いていた。舞妓さんと大陸の女の人だから、特別?こういうときに、イヤホンガイドを聞いていたら、解説でわかっただろうになと思う。
<大文字>
姉妹の舞妓が大文字の送り火を見ながら、両親を偲ぶ。
大文字がふわっと浮かび上がり、最後に徐々に消えていく様が情緒があって、美しい。
<きぬた>
中国か朝鮮?夫が出生し留守を守る妻が、夫を思いながら砧を打つ。
布を使って舞う妻の姿が、美しくせつなかった。

●生写朝顔話 前段は7/23にあり
<嶋田宿笑い薬の段>
大内家の家臣・駒沢次郎佐衛門(実は伯父の家を継いで改名した阿曾次郎)と岩代多喜太が嶋田の宿に泊まっている。お家乗っ取りを企む岩代たちは、主君を諫言し改心させた駒沢にしびれ薬を飲ませ暗殺を謀ろうと萩の祐仙に頼む。宿屋の主人徳右衛門は、悪事を知り、しびれ薬を浜松で買った笑い薬と取り替える。毒見をした萩の祐仙は、笑いが止まらなくなってしまう。
女中たちのちょっとHな話から始まる。桐竹勘十郎さんの遣う萩の祐仙が、なんともユーモラスで大笑い。
<宿屋の段>
駒沢は、自室の衝立に朝顔の歌が記されていることに気づく。徳右衛門に尋ねると朝顔と呼ばれる盲目の女芸人が歌っているとのこと。身の上話を語る朝顔こそ深雪だったが、岩代の手前、名乗ることができない駒沢。岩代が奥へ下がったので、駒沢は朝顔を呼び戻そうとするが、既に朝顔は外へ出ていった。駒沢は、徳右衛門に金、扇、眼病に効く薬を朝顔に届けるように託し、宿を発つ。引き返した朝顔に駒沢から預かった品を渡す徳右衛門。扇に阿曾次郎と書いてあると聞くと、朝顔は徳右衛門の制止を振りきり、雨の中、駒沢のあとを追う。
<大井川の段>
深雪は、大井川にたどり着くが、駒沢は既に川を渡り、大雨のために川止めになっている。絶望のあまり川に身を投げようとする深雪は、徳右衛門と深雪の実家秋月家の奴関助に助けられる。関助は夢に現われた深雪の乳母・浅香のお告げにより、嶋田の宿にやってきたのであった。深雪は、浅香は既に亡く、自分の父古部三郎兵衛を訪ねるようにと守り刀を託されたことを語る。すると、徳右衛門は、守り刀で自分の腹を突く。徳右衛門は、浅香の父・古部三郎兵衛であり、深雪の父に恩があると言う。甲子の生まれの徳右衛門の生き血と駒沢の薬を一緒に飲めば、深雪の眼病は治ると、薬とともに自分の血を深雪に飲ませる。すると、深雪の両目はたちまち開くのであった。
桐竹紋寿さんの遣う深雪の恋に狂ったような姿が、一途で、せつない。

こののち、深雪は阿曾次郎と再会し、結ばれることとなる。



文楽劇場のロビーにある絵。表がガラスのため、写真を撮るとライトが映り込み、見えにくくなっている。吉田文雀さんが人形を遣うこの絵は、今日見た生写朝顔話の大井川の段の場面だったね。
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