影書房さんから、青森県六ヶ所村で再処理工場の反対運動の中心的存在である菊川慶子さんの初めての本が出ました。
もう4年前になります。六ヶ所村にある核燃料サイクル施設の中に再処理工場はあります。使用済み核燃料からプルトニウムを取り出し、それをリサイクル使用するという表向きはなんだかいいことをしているように見えますが、プルトニウムを取り出して再利用するなんてとんでもない話です。放射能の放出は、普通の原発よりもはるかに多く、そして、再処理工場は事故続きです。
これまで使用済み核燃料はフランスなどで再処理していましたが、その契約が切れ、日本でやることになりましたが、原発のゴミである使用済み核燃料はもう行き場所がないんですね。地中に埋めるという宣伝もして、その受け入れ先を募集していましたが、これもうまくいってません。日本は行き場をなくした原発のゴミ大国です。
普通の原発でプルトニウムを使用するという計画だと思いますが、原発はウランで動いてます。ウランとプルトニウムの混合燃料であるMOX燃料を原発で使い始めました。本当に大丈夫なんでしょうか。
プルトニウムを燃料にしている高速増殖炉「もんじゅ」だって、あんな大きな事故が起きたにも関わらず、まだ動かそうと計画しています。本当、どうしようもないです。
もう4年前になります。大学院1年の時でしたが、ちょうどその時、六ヶ所村再処理工場でアクティブ試験が始まりました。チェルノブイリでの事故から20年目の年です。若い仲間で反対運動を行い、フリーペーパーも作って、映画上映会や集会を頻繁に開きました。それは色んな動きと合流して、大きな反対運動になりました。
菊川慶子さんの家にも訪問し、1泊させていただき、お話も聞きました。あの小さい体で有機農業をしながら反対運動を何十年もやっています。静かな、温厚な方ですが、内に秘めているもの、信念はすごいものがあります。今は、若い人たちが六ヶ所に移り住んだり、新しい動きが始まっているようです。
最近は、あまり動きをフォローできていませんが、有機農業ということで、少しはどこかでつながりができているのかな~とも思います。原発は、反対・賛成と表明するだけで地域を壊します。これは沖縄の基地問題も一緒です。
僕も原発のこと、改めて勉強しなければ。
みなさんもその入口として、鎌仲ひとみさんの「六ヶ所村ラプソディー」、ぜひご覧ください。
菊川さんのブログです。http://rokkasho.hanatoherb.jp/
---------------------------------------------------------------
菊川慶子著
『六ヶ所村 ふるさとを吹く風』
四六判並製243頁 定価:1700円+税
ISBN978-4-87714-409-8
2010年9月刊
内容●海や空に大量の放射能をばらまく「核燃再処理工場」はどうして必要なのか?
「普通の主婦」だった著者は、チェルノブイリの衝撃から故郷・六ヶ所村へUターン。
故郷を放射能で汚されたくないという素朴な思いから、チューリップ片手に
国策・核燃再処理工場と対峙し続けて20年。
「核燃城下町」となってしまった今も、あきらめずに有機無農薬のチューリップ栽培や
ルバーブ・ジャム工場で雇用を創出、「核燃に頼らない村づくり」と持続可能な未来を求めて
チャレンジし続けている。映画『六ヶ所村ラプソディー』にも登場し、その生き方が多くの人々の
共感を呼んだ著者初の書き下ろし奮闘記!
◆◆目次◆◆
プロローグ
Ⅰ ふるさと六ヶ所村/離郷
六ヶ所という村/「巨大開発」の歴史/「原子力半島」へ/六ヶ所村のいま/
幼少時代の六ヶ所村/開拓時代の話/三沢の親戚へ/集団就職――東京へ/
東京での暮らし/結婚、そして出産/暗転/再出発/たまの帰省/奪われ、破壊された村
Ⅱ チェルノブイリ/帰郷
田舎暮らしへ/帰郷の決意/農業者としての引継ぎ/帰郷したころの六ヶ所村
Ⅲ 運動経験――仲間たちと
初めて集会へ/反核燃情報誌「うつぎ」の発刊/情報誌「うつぎ」より(1)/
「花とハーブの里」設立と「牛小舎」/情報誌「うつぎ」より(2)
Ⅳ 運動と家族と
父と母との最期の時間/帰郷してからの子どもたち/夫は
Ⅴ 出会い――しなやかに抵抗する人々
出会い/すてきな女性たち/先行世代の運動者たち
Ⅵ 『六ヶ所村ラプソディー』旋風
鎌仲ひとみ監督との出会い/映画完成――押し寄せる人々/地元の支援者たち
Ⅶ 「牛小舎」春秋
「牛小舎」の冬/日々のきびしい労働の中で/公安/花と歌と阻止線と/「逮捕」の周辺/
古靴作戦/村の選挙/近所づきあい/「牛小舎」から「スローカフェぱらむ」へ/贅沢な休息
Ⅷ 再処理工場、稼働
ウラン試験開始/頻発するトラブル――試運転終わらず/核のゴミ/
回収できるのにばらまかれる放射能/放射能は少量でも危険/防災対策は/
大規模な事故とその隠蔽/日々被ばくの危険に晒される労働者/海に流される放射能/
空へ放出される放射能
エピローグ――未来へ
「農」に生きる日々の生活/地元の雇用創出を目指して/本当の敵はだれ?/
「自立」して生きるとは/“持続可能”な生き方を選べるのが「田舎」/これからの運動/
「花の森」で/「ハチドリのひとしずく」のように
*
付1 再処理工場から放出される放射能と予想される被ばく
付2 六ヶ所再処理工場 最終試験開始後のトラブル等年表
*
あとがき
もう4年前になります。六ヶ所村にある核燃料サイクル施設の中に再処理工場はあります。使用済み核燃料からプルトニウムを取り出し、それをリサイクル使用するという表向きはなんだかいいことをしているように見えますが、プルトニウムを取り出して再利用するなんてとんでもない話です。放射能の放出は、普通の原発よりもはるかに多く、そして、再処理工場は事故続きです。
これまで使用済み核燃料はフランスなどで再処理していましたが、その契約が切れ、日本でやることになりましたが、原発のゴミである使用済み核燃料はもう行き場所がないんですね。地中に埋めるという宣伝もして、その受け入れ先を募集していましたが、これもうまくいってません。日本は行き場をなくした原発のゴミ大国です。
普通の原発でプルトニウムを使用するという計画だと思いますが、原発はウランで動いてます。ウランとプルトニウムの混合燃料であるMOX燃料を原発で使い始めました。本当に大丈夫なんでしょうか。
プルトニウムを燃料にしている高速増殖炉「もんじゅ」だって、あんな大きな事故が起きたにも関わらず、まだ動かそうと計画しています。本当、どうしようもないです。
もう4年前になります。大学院1年の時でしたが、ちょうどその時、六ヶ所村再処理工場でアクティブ試験が始まりました。チェルノブイリでの事故から20年目の年です。若い仲間で反対運動を行い、フリーペーパーも作って、映画上映会や集会を頻繁に開きました。それは色んな動きと合流して、大きな反対運動になりました。
菊川慶子さんの家にも訪問し、1泊させていただき、お話も聞きました。あの小さい体で有機農業をしながら反対運動を何十年もやっています。静かな、温厚な方ですが、内に秘めているもの、信念はすごいものがあります。今は、若い人たちが六ヶ所に移り住んだり、新しい動きが始まっているようです。
最近は、あまり動きをフォローできていませんが、有機農業ということで、少しはどこかでつながりができているのかな~とも思います。原発は、反対・賛成と表明するだけで地域を壊します。これは沖縄の基地問題も一緒です。
僕も原発のこと、改めて勉強しなければ。
みなさんもその入口として、鎌仲ひとみさんの「六ヶ所村ラプソディー」、ぜひご覧ください。
菊川さんのブログです。http://rokkasho.hanatoherb.jp/
---------------------------------------------------------------
菊川慶子著
『六ヶ所村 ふるさとを吹く風』
四六判並製243頁 定価:1700円+税
ISBN978-4-87714-409-8
2010年9月刊
内容●海や空に大量の放射能をばらまく「核燃再処理工場」はどうして必要なのか?
「普通の主婦」だった著者は、チェルノブイリの衝撃から故郷・六ヶ所村へUターン。
故郷を放射能で汚されたくないという素朴な思いから、チューリップ片手に
国策・核燃再処理工場と対峙し続けて20年。
「核燃城下町」となってしまった今も、あきらめずに有機無農薬のチューリップ栽培や
ルバーブ・ジャム工場で雇用を創出、「核燃に頼らない村づくり」と持続可能な未来を求めて
チャレンジし続けている。映画『六ヶ所村ラプソディー』にも登場し、その生き方が多くの人々の
共感を呼んだ著者初の書き下ろし奮闘記!
◆◆目次◆◆
プロローグ
Ⅰ ふるさと六ヶ所村/離郷
六ヶ所という村/「巨大開発」の歴史/「原子力半島」へ/六ヶ所村のいま/
幼少時代の六ヶ所村/開拓時代の話/三沢の親戚へ/集団就職――東京へ/
東京での暮らし/結婚、そして出産/暗転/再出発/たまの帰省/奪われ、破壊された村
Ⅱ チェルノブイリ/帰郷
田舎暮らしへ/帰郷の決意/農業者としての引継ぎ/帰郷したころの六ヶ所村
Ⅲ 運動経験――仲間たちと
初めて集会へ/反核燃情報誌「うつぎ」の発刊/情報誌「うつぎ」より(1)/
「花とハーブの里」設立と「牛小舎」/情報誌「うつぎ」より(2)
Ⅳ 運動と家族と
父と母との最期の時間/帰郷してからの子どもたち/夫は
Ⅴ 出会い――しなやかに抵抗する人々
出会い/すてきな女性たち/先行世代の運動者たち
Ⅵ 『六ヶ所村ラプソディー』旋風
鎌仲ひとみ監督との出会い/映画完成――押し寄せる人々/地元の支援者たち
Ⅶ 「牛小舎」春秋
「牛小舎」の冬/日々のきびしい労働の中で/公安/花と歌と阻止線と/「逮捕」の周辺/
古靴作戦/村の選挙/近所づきあい/「牛小舎」から「スローカフェぱらむ」へ/贅沢な休息
Ⅷ 再処理工場、稼働
ウラン試験開始/頻発するトラブル――試運転終わらず/核のゴミ/
回収できるのにばらまかれる放射能/放射能は少量でも危険/防災対策は/
大規模な事故とその隠蔽/日々被ばくの危険に晒される労働者/海に流される放射能/
空へ放出される放射能
エピローグ――未来へ
「農」に生きる日々の生活/地元の雇用創出を目指して/本当の敵はだれ?/
「自立」して生きるとは/“持続可能”な生き方を選べるのが「田舎」/これからの運動/
「花の森」で/「ハチドリのひとしずく」のように
*
付1 再処理工場から放出される放射能と予想される被ばく
付2 六ヶ所再処理工場 最終試験開始後のトラブル等年表
*
あとがき