韓国の田舎での生活を少しづつ書きたいと思います。
妻の実家はものすごく田舎です。
どのくらい田舎なのかと言うとバスが日に3本しかないほど田舎です。
韓国の田舎の村には必ず野外にスピーカーのついた塔がいくつか立っています。
村役場にあるマイクで村人にいろいろと放送出来るシステムになっているのです。
最初は面食らいました。
結婚する少し前くらいだったと思います。
妻と話をしていたのですが、「ちょっと待って」と真顔で会話を中断しました。
なにやら大きな音でスピーカーが鳴ってます。
ピー、ピロッ、「えー、こちらは里長であります。こちらは里長であります。…」ピロッ
こっちでは村でなく里(り)なので里長(りちょう)さんです。
「こういうの聞いとかないと後で大変なんです。」
「えっ?そ、そうなの…。(ライフ・ライン…?)」
そんな大切な内容ではなかったような気がするんですが、
妻はまるで敵のアジトに潜入しているスネイクからの無線連絡を聞くかのように、
「シッ…!」…身をこわばらせながらのジェスチャー入りだよ。しかも。
私はまた里長さんからの敵襲のお知らせ(んだそりゃ?)か何かなのかと思ったです。
(ま、実際休戦中だしね。この国は。)
村人の皆さん、身に染み付いてるんでしょうね。きっと。
妻も生まれてから大学に入学するまでずっとその村で生きてきた訳なので、
もうほとんど条件反射です。私が見るに。
それはもう道を歩いてる時にピロッと鳴れば、
路肩に伏せてしまうんじゃないかという勢いでした。
ま、でも休戦中てのはやっぱり関係あるんでしょうね。
妻が小学校の頃までは日に何回か全国の町じゅうに国家が流れる時間があって、
音楽が始まるや否や全国民、何をしていても直立不動の姿勢をして、
終るまでじっとしていなければならなかったというものがあったそうですから…。
村内放送にもそれを感じさせる何かがあるのかも知れません。
一歩海外へ出てみると人々は意外な暮らしをしてるものです。
まあそれだけ日本が平和だと言うことなのか…。
あれ、笑い話のつもりが遠い目をするじじぃオチになっちゃった。