それは昔のことでございます。奈良の法隆寺に「玉虫の厨子」がございます。厨子と言うのは仏さまを納める両扉の箱でございます。現在は長い年月が経って黒ずんでいます。この厨子を作ったのは若麿という若者でした。若麿はおとめと将来むすばれるために、いい厨子を作ろうと一生懸命でした。そして玉虫の羽を使うことを思い立ち・・・苦闘の結果、すばらしい厨子ができました。最初はおとめとむすばれるため世に認められることでしたが、その作る工程で神を越え、仏を越えた「美」の境地の達し・・・・・・何処となく姿を消したということです。後に厨子は法隆寺に納められたということです。
玉虫は最近みませんね。小さな頃カブト虫と樹液を吸ってましたけど・・・