カンガルー大陸をゆく!! ---福岡糸島編---

福岡・糸島に生息する研究者の日常。

シドニー天文台

2007-01-18 10:48:30 | Weblog
先日シドニーに行った際、ちょっと足をのばして
ロックスにあるシドニー天文台へ行って来ました。
目的は天文台の屋根の上に乗っかっている「玉」を見ること。

時報球、またはtimeballというものをご存じでしょうか。
天文台は文字通り天文観測をを行うところですが、
同時に時刻を決める元締めとしての役割もありました。
timeballは、沖合に停泊する船舶に対して
正確な時刻を知らせるために設置されたものです。

ある時刻が近くなると、timeballが
するするとポールの上へ上がっていきます。
そしてちょうどの時刻に合わせてストンと落ちるのです。
沖合の船では玉が落ちるのを見て自分の時計を合わせていたのでした。

なぜこんなものが必要だったかというと、
昔、陸地の見えない海上を航行するとき、
船の現在位置を知るには太陽と星、
そして正確な時計が必要だったからです。

船の緯度は、恒星の南中高度を測定すれば知ることができます。
ところが経度は正確な時計がないと測定できません。
船が出発した港で時計を正確に合わせておき、
海上で恒星の南中時刻を測れば、予想される南中時刻との差から
船と港の時差、すなわち経度の差がわかります。

で、シドニー天文台です。
シドニー湾を見下ろす丘の上に建っています。
行ってみたらありましたよ。
金色に輝くtimeballが。
残念ながら日曜の夕方だったので天文台は閉館しており、
内部の見学はできませんでした。
今はもう、実用性のないtimeballですが、
それでも今も動かしているのか、次の機会に確認してみます。