カンガルー大陸をゆく!! ---福岡糸島編---

福岡・糸島に生息する研究者の日常。

「説明しないこと」の暴力性について

2020-11-16 01:28:14 | Weblog
イタリア学会が出した「日本学術会議会員任命拒否についてイタリア学会による声明」がとても興味深いです。
学術研究を目的とした団体である一学会が、これほどまでに痛烈に時の政権や与党を批判する声明を出したことに驚きを禁じえません。
ここ数年露わになってきている危険な兆候への、執筆者の怒りと切実な危機感を感じます。
学問の意義、学問の自由という言葉の意味を矮小化させてはいけないと、一学者として強く思いました。
是非、全文を読んでみてください。
とても読みやすく書かれた文章です。

イタリア学会ホームページ http://studiit.jp/
声明文への直接のリンクは こちら


#日本学術会議への人事介入に抗議する

2020-11-03 09:16:21 | Weblog
何を書くべきか考えているうちにだいぶ時間が経ってしまいましたが、これは非常に由々しき問題です。
学術に政治権力が圧力をかけることの弊害は多岐に渡りますし、既に色々な方が発信されていますので、
私は国際社会における信用失墜に的を絞って書きたいと思います。

今回のことで、日本は学術界に政治権力があからさまに介入する国であると、国際社会に明確な発信をしてしまいました。
今後、日本の国が出す統計、研究者が出す研究成果、あらゆるものが
「そういう国」の発信情報であると、取り扱われることになります。
将来にわたってどれだけの国益が損なわれることでしょうか。

現在、私たちの国が世界で高い評価を与えられているのは、先人たちの努力の賜物です。
時間をかけて少しずつ積み上げてきた多分野での実績が、現在の評価の礎となっているのです。
信用するに値しない行動を取れば、当然そのような評価を受けます。
世界の知識層は非常によく見ています。的確に情報を集め、冷徹に判断します。
私たちは、危機感を持ってこの問題に向き合わなくてはいけないと思います。

すでに人事介入は起きてしまっているので、これからできることはこれを撤回させること、
そして、これから動き出そうとしている「学術会議のあり方の検証」とやらが、
おかしな方向に行かないように圧力をかけ続けることだと思います。
そのために一市民としてできることはなんだろうかと、この問題が発覚して以来考えてきました。
そして、検察官の定年延長を可能にする法案が見送りに追い込まれたとき、
SNS 上での反対運動の盛り上がりが国会の動きを後押ししたことを思い出しました。

早速調べてみたところ、Twitterで「#日本学術会議への人事介入に抗議する」をつけた投稿が広がっているようです。
こういった運動が広がって、今回の人事介入を撤回させることができれば、
日本という国の意思決定の健全さを示すことができるはずです。
学術界は政治権力から独立することで、本来の力を発揮し、国へ、人類全般へ貢献することができるのだ、
という当たり前のことが守られる国に戻って欲しいと心から願います。
賛同くださる方は   #日本学術会議への人事介入に抗議する   を広めてください。
よろしくお願いします。