ブログはなやさい

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初心

2013年04月14日 10時13分35秒 | Weblog
パエリアは何度か作ったことがある


専用のパエリア鍋でも作ったし、

でかいフライパンで作ったこともある


このときは、鍋やフライパンのサイズに合わせて

具材の量を決めていた


今回は違った


予め想定される来客数に合わせて

具材を用意した


20人が前菜程度に食べれる量を用意したのだが

それを作れる鍋がない


ま、でかいフライパンで何とかなるだろう

この辺が浅はかだ

まるで成長していない


そして、そのまま当日になった




この日は特別なパーティーが催される


ランチが終わり、

夜催されるパーティーの準備に取り掛かった


特別なパーティーだ

当日だけの限定メニューを提供することにしていた



その限定メニューはパエリア。


今回はイカスミベース

初の試みだ

2回に分けて仕入れていた甲イカは

前日までにスミ袋と身に分けておいた

当日バタバタしないためだ


堅苦しいスペイン料理の本と

スペイン人のマリアさん直伝のパエリアレシピを融合させれば

これ以上ないパエリアができる


もちろん、

本とマリアさんのレシピには段取りに違いがある

だが、その帳尻を合わせるのは私だ

その場の感覚で何とかなる、

高をくくっていた


調理を始めて間もなくだった

本とマリアさんのどちらの顔も気にしながら作ったのがいけなかった

どっちつかずの調理法で

パニックになった

何をどうすればいいか、

真っ白になった

米を炒めるとき、その焦りは最大になった

鍋が小さすぎた

これは誰のせいでもない

私のミスだ


ムラがすごい

このままでは、パリッと香ばしいパエリアにはならない

いや、もうなれない

とにかく食えるようにせねばならない

底が焦げてきた

イカスミごはんが焦げると

炭みたいになる

泣きそうになる

水分を増やし、少し炊くことにした

ビクビクしながら何十回も味見をし、

結局美味いんだかどうかわからなくなる

どうにでもなれ、と思うが

やっぱりどうにかならないか、とすぐに考え直す

開店時間が近づいている

間にあわない

さらにバタバタする

そして、すったもんだした揚句、

予定より早くそれなりのものが出来上がっている

結局は一人相撲

焦りの原因は、

意識しすぎて細かいとこまで見過ぎているからだろう

それがいいことなのか、

悪いことなのかははわからないが。


開店後間もなく、最初のお客様が現れた

外はまだ明るい



そういえば、あの時もこんな感じだった



やることなすことぎこちなく

スムーズに調理することができない

味見もしすぎて

味がわからない

動けない

開店時間に間に合わない

不安でいっぱい



『おめでとうございます』


最初のお客様からかけていただいた言葉も

12年前と同じだった


本当にありがとうございます










パエリアと一緒に

あさりの洋風炊き込みご飯も作った

パエリア同様、焦りまくった


12年経っても何ら成長なし

ある意味、初心に戻った

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