世の中の二乗>75の二乗

話せば長くなる話をする。知っても特にならない話をする。

影響を受ける

2006年10月11日 21時52分13秒 | Weblog
村上ワールドにどっぷりつかっているせいか、
私の実生活にも村上文体が侵食しつつある。
たとえば、職場から帰って、家のカギを鞄から探しているとき、
前もって決められていたように鞄の中からは僕の家の鍵だけがなくなっていた。
という文章が頭をよぎる。
しかも、「僕の家の鍵だけがなくなっていた」の部分は太字で。
頭の中で情景が活字になってあらわれるというのはなかなか面白い。
実際は、探していたカギはなくなってはいないし、
私は一人称に「僕」は使わない。
それでも、「あるはずの家の鍵をなくしてしまう(または奪われてしまう)僕」という村上春樹の小説によく起きそうな設定が実際に起きている、起きないにせよ、起きてもおかしくないところに自分が立っている、というのが面白い。
ね、浸かってるでしょ。
自分でも気持ち悪いが、そういうのを勝手に想像してニヤニヤしている。
物語は読み終えたが、あの文体にはもう少し囚われていそうだ。