世の中の二乗>75の二乗

話せば長くなる話をする。知っても特にならない話をする。

北沢で遊ぶ

2006年10月09日 21時37分40秒 | Weblog
宮部さんが来てるので、誘ったら、いいよ、と言ったので遊ぶ。
買い物がしたい、毛糸と古着と雑貨がみたい、と言うのでやっぱしシモキタじゃないかしらということで、井の頭線急行で15分。
そこは北沢。
お互い、東京の電車の移動に慣れておらず、結果、時間配分がうまくできずに早めに到着してたので、待ち合わせ時間前に早々と合流。清々しい。
口内炎ができてるから味の濃いものがダメという宮部に配慮して和食のランチ。
しかしいかんせん味つけが関東なので、ほぼ醤油味。宮部さんは醤油で炊いたゴボウだけは辛くて食べれなかったらしい。京女ですから。
んで、色んな店をぶうらぶうらと斜め見していく。
私は50%オフになっていたTシャツと100均でお椀を買う。
してから民家を改造した「隠れ家的」カフェに入って、お茶を飲む。
宮部にはすこぶる不評だったが、そこのジャスミンロイヤルミルクティーをおいしくいただいた。
いろんな話をして、まあくだらない話ばっかなのだが、でも面白かった。
昨日までのイヤな気持ち悪さが吹き飛ぶほど面白かった。
ダンスの話になって、もちろんコンテンポラリーダンスの話だったけど、宮部さんが踊りは難しいという流れで、「喋りたくなんないのかな」と言ったのが印象に残った。
次回五反田団公演の出演者からはベーやんという気持ち悪いあだ名をつけられている宮部はやっぱ面白いやっちゃなと思った。

いま、ねじまき鳥はナツメグの話を聞いている。
ようやく村上春樹「ねじまき鳥クロニクル」を読み始めた。
いや、本当は第1部の泥棒かささぎ編は買っていたし読んでいた。
でも、第2部の予言する鳥編と第3部の鳥刺し男編は持っていなかったし、泥棒かささぎ編も間宮中尉の長い話しかほぼ読んでいなかった。
それは、大学の先生が何かの折にこの間宮中尉の話のエピソードを講義中に教えてくれたのがきっかけだった。
とても怖くてでも興味深い話だったので、とりあえず私はそのエピソードが収められている泥棒かささぎ編だけを買って、前の物語をろくに読みもせず、その間宮中尉の話の部分だけを丹念に読んだ。
もちろん、「ねじまき鳥クロニクル」は3部あわせての長編小説なのだが、先生が教えてくれたエピソードは物語の大筋とは少し離れた、独立した一つの物語として完結していたので、私は間宮中尉の話だけでも十分に面白く読むことができた。
そしてなぜかそのときはそこで満足してしまって、続きを買うとか、最初からていねいに読み返すとかそういうことのないまま、今まできてしまっていたのだ。
それを、ここ2日で読み始めた。
金曜の夜に持っていた泥棒かささぎを読み終えて、
土曜の午前中、ワークショップが始まる前に本屋で予言する鳥と鳥刺し男を買い揃えた。
そしていま、ねじまき鳥はナツメグの話を聞いている。
もう少しで全てがつながる予感がする。

体重を落とそうと思う。
これはまったく別の次元の話。
ぼちぼち。規則正しく。

なんとも

2006年10月09日 10時29分01秒 | Weblog
ずいぶんスパンがあいてしまった気がする。
ここ2日、私はとある劇団のワークショップに参加していた。
できることならその経過を書いていけたらよかったのだが、
実際これまでの流れでいうと、そういういかにもブログのネタになることを書かなかったことはなかったように思うのだが、
今回ばかりはちょっと違った。
書きたくても、書けなかった。
なぜならそのワークショップで経験したことが不思議なくらい私に違和感を与えたからだ。
いろんなところのワークショップに顔を出して、
今回初めて私は明日行きたくないとか、もう帰りたいとか、やっと帰れると思った。
これはあくまで私個人の問題であって、名前はふせるがその劇団が悪いとかいうものではない。
たぶんそうなのだ。
ワークショップの内容も特に変わったことをしたわけではない。
ウォーキングと自己紹介。台本読みとその稽古。
本当に単純でわかりやすいワークショップの一形式だったはずなのだ。
しかし私はそのとき、本当に自分でも理解できないくらい切実にその場にいたくなかった。
もう一度言うが、こういう私の心理はその劇団のせいではない。
きちんとした対応をしてくれたと思うし、礼儀正しく接してくれたとも思う。
それは単に趣味の相違だったのかもしれない。
もちろんそんなことはいくらでもある。
彼らが面白がることを私が面白がれなかった。
彼らが面白がることを私がうまく体現できなかった。
そういうことなのかもしれないとも最初は思った。
でもそんなに単純なことでもない気がする。
これは本当に「気がする」程度のもので、確固たる確信があるわけではないのだが。
つまり、このワークショップで私はできの悪いやつだった。それもかなり、できの悪いやつだった。
私は、自分ができないことに自分で腹を立てて、それでこのワークショップ自体が面白くないんだと自分を納得させようとしたのだろうか。
そうかもしれない。
でも私は私にできることは本当にごくわずかだと知っているつもりだったし、それでもなんとか私ができて皆が納得することはあるんでないかと思っていた。
自分ができないのが明らかでなおかつ相手を責める強気さを私は持ち合わせていない。
こないだの公演で楽をしすぎたのかもしれないとも思った。
楽しくて居心地のいいところに慣れすぎたせいで、初対面の緊張漂う空気の飲み込まれたのかもしれない。
慣れればやっぱり楽しい面々なのかもしれないし、実際にそうだろう。
しかし、今回に限って私はワークショップにはつきものの飲み会も用事があると言って辞退した。どこにでものこのこついていくので有名な私が飲み会を断る。本当にイヤでしかなかったのだ。
なにがいけなかったのか、そもそも私はいけなかったのか、何かを正す必要があるのか、ないのか、そんなことさえもぐらぐらしている。
ただ漠然と、私の中の何かを直さなくちゃいけないとしても、直しようがないなぁとも思う。
不安ではあるが、このままいくしかないのかもしれない。
空気に呑まれる蚤の心臓で、不器用な演技のまま、あんまり使えねぇなこいつと思われながら。
今は割と楽です。