岩手山麓景観形成重点地域を守ろう ★『イーハトーブ通信』

野生サクラソウ大群落を潰し岩手山麓の環境を破壊してきた旧町政。産廃問題に端を発した岩手山麓『誘致公害』の記録

県と町のための『復習』講座

2007年03月12日 | 世話人会発行「イーハトーブ通信」を読む
一昨年、小岩井農場隣接地に「環境アセスメントが必要ですよ」という知事判定が出た。
おっと、その判定が出る前、定めに従って雫石町長の「意見」が文書で提出された。
先に中屋敷町長からの意見の内容、次に岩手県判定を掲載してみよう。
とくとご熟読、復習あれ。

この区域に希少植物が生育していることは判っていた。それを、調査データをそろえてからにせよ、という意見書も無視して、立地協定後のあっという間の森林伐採(皆伐=まるはだかにした)。そして、更なる絶滅危惧種の発見。
アセス対象事業であろうがなかろうが、希少種は町の学術的財産であるという認識がまるでない。
この責任は誰にあるのか。

町長は特に、原点に戻って考え、「雫石町の最大の財産は自然だ」と、かつて懇談会で語った「町のリーダー」としての初心に立ち返ることが、賢明なリーダーがいま為すべきことではないだろうか。

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2005年2月雫石町長意見(同じ地域へ)
事業の技術、その環境に対する知見が明らかでない
②計画地から遠い気象観測所や大気汚染常時監視局のデータだけでなく実測など土地の特性を踏まえるべき
計画地と周辺は希少動植物がおり、繁殖期や四季を通じたアセスが必要
景観形成重点地域や国の名勝指定があり景観上の配慮や眺望も含めたアセスメントが必要である。

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2005年3月11日 岩手県知事から「アセス必要ですよ」 判定内容

(1)事業計画区域内及びその周辺には国及び岩手県のレッドデータブックに該当する貴重な動植物であるチョウセンアカシジミ、エビネ及び猛禽類(クマタカ、オオタカ、ハイタカ、ノスリ等)が存在しており、特に計画地周辺でオオタカの営巣地が確認されている。工事の実施及び施設の稼動に伴い、これら貴重な動植物の生息環境等へ相当程度の影響を及ぼすおそれがある。


(2) 事業計画区域に隣接する小岩井農場は、現在、年間約80万人が訪れ多くの人に利用されており、また、森林体験事業が行われている。さらに、周辺一帯を利用した森林とのふれあい活動も計画されているが、施設の稼動に伴うばい煙により、これらの人と自然のふれあい活動へ相当程度の影響を及ぼすおそれがある。


(3) 事業計画区域は、岩手山麓・八幡平周辺景観形成重点地域内の「田園景観形成区域」に該当している。また、計画区域北側は雫石町景観形成基準により「西根=堀切・篠崎民宿群~極楽野ペンションロード地区」に指定され、さらに、計画区域の周辺には、国指定名勝「イーハトーブの風景地」として、鞍掛山、狼森、七つ森が存在していることから、事業計画区域は景観に配慮を要する区域と認められる。事業計画区域での施設の稼動に伴い、煙突から排出される白煙(水蒸気)の発生が予想され、この地域全体の景観に対して相当程度の影響を及ぼすおそれがある。

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