岩手山麓景観形成重点地域を守ろう ★『イーハトーブ通信』

野生サクラソウ大群落を潰し岩手山麓の環境を破壊してきた旧町政。産廃問題に端を発した岩手山麓『誘致公害』の記録

「植生守れ」への回答について

2007年02月02日 | 世話人会発行「イーハトーブ通信」を読む
昨年の4月に、「環境保全等地域」に合板工場誘致話がでてきてから、つぶさに行政の動きを見続けてきた者として、この「回答」にみる『事実誤認』を指摘しておきたいと思います。
全国各地のさまざまな住民運動の中で、問題がこじれたり長期化したりしている最たる原因に気づいていただければ、と願いながら。。。

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★自然保護課は自然環境保全をつかさどる岩手県の大本であるにかかわらず、「勧告」を出したこの地域を実際に検証していない。机を離れて現場を見ていただきたい。芽を出すと思われる春の様子も。
★<事業者と雫石町が「協力」して適切な保全対策が講じられた>のではない。事業を急ぐあまり冬の間に伐採する必要に迫られてのゆえである。
★町は<直ちに計画や事業内容を精査していた>だろうか。7月に当会が質問書を出して排ガスや接着剤成分などを企業に問い合わせ結果、11月になって環境影響の大きさから接着剤変更などを余儀なくされたのが実情。
★<木材を燃料とする=環境にやさしい>は、あまりに短絡的。企業は廃プラである接着剤がついた木くずまで燃焼させると言っている。県は燃やさないでほしいと伝えているというが、町は率先して接着剤が付いた端材をボイラー燃料としないよう、最低限文書で確認するべきである。
岩手県では木質バイオマス燃料=環境にやさしいとPR中だが、砒素などが含まれたCCA薬剤入り廃材や今回のように燃焼すれば硫化ガス発生が予想される接着剤まで木屑チップ化させることが混同されることが生じてはならない。
★<議論を尽くした>という形跡は議員から聞いたことがない。議員全員協議会で誘致進展状況が報告された際に反対意見が出なかったことで、議会も賛成と町長が表現したことについて12月議会で謝罪した。町民の知らないところで議論を尽くしたのだろうか。

★「民主的ルール」について役場の対応は非民主的なことが随所に生じた。
  ①町有地「環境保全等地域」利活用策定委員会が開かれた06年5月には、ゾーン策定も周辺に及ぼす環境影響も検討されずに残地だけの策定をしてほしいという町の意向だった。土地利用諮問機関に対する民主的筋道ではない。
  ②7月委員会を聞きに出向いた付近住民の傍聴を役場は拒否した。特に化学物質過敏症で環境悪化はそのまま生存権にかかわる家族に対する傍聴拒否だった。よほどの個人情報や希少種生育場所以外の委員会非公開は民主的とはいえない。
  ③10月に地域で行われた住民説明会は、誘致賛成意見を「やらせ」で行い、質問を封じて予定時間丁度の強行閉会となった。再度の説明会は企業と相談して決めるとマスコミには答えたが、事業内容変更後も2度目の住民説明会は開催することはない。
  ③町有地を賃貸する誘致は議会の議決案件ではなく町長の決済事項だが、住民との協働共治を掲げている町長は、何度でも話し合いを持ち合意形成に努める責任と義務がある。
  
<<この地域は「環境保全等地域」として血税を持って取得したものであり、その目的に合った事業が展開されるべきである。>>

掲載された投稿者の論旨後半の重要部分は、4月以降、当会として主張し続けてきたことでもある。

雫石町1月広報の記事によると、企業の社長は12月20日の立地協定締結日の記者会見において、「環境に十分に配慮しないと私たちの存在価値はないと思う」とコメントしている。
十分に環境に配慮した実際の行動が、今後一層検証されていくことになるだろう。

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