岩手山麓景観形成重点地域を守ろう ★『イーハトーブ通信』

野生サクラソウ大群落を潰し岩手山麓の環境を破壊してきた旧町政。産廃問題に端を発した岩手山麓『誘致公害』の記録

「よそがらきてよけなこどいわねでけれ」♪

2006年06月30日 | 「しずくいし銀河の森」
「他所から来て余計なこと言わないでもらいたい」
「おらたづはたべていかねばなんねんだがら」
「自分たちは食べていかねばならないんだ」

いつも(またはしょっちゅう時々)他から移り住んできた人が言われる言葉だ。
とくに私のような「もの言うタイプ=特におなごのくせに」には、耳に聞こえるように聞こえないようにの区別はない。
でもね、おばちゃんの取り柄だもの、許してね♪

ところで、全国津々浦々で使われるだろうこのセリフは、
常にどこかで聞いてきた。
サラリーうーマン時代
『仕方ないさ、女房こどものためだもの』
そういう女房にはなりたかない、と思ってきたよ。

この町が好きで移た。
住んでみて感じたのは『足元の宝を無造作に壊していることに気づいていない』
気づいたときには体中の毛を抜かれてるだろう。。

他所からくるお客さんで、宿泊業は成り立っている。
他所の人に買ってもらって食べてもらわねば百姓はなりたたない。
他所の人は遠慮しないよ。
他所の人は、安心、安全、空気のうまさ、水のおいしさ、夜空の美しさ、山の眺めの素晴らしさに敏感だよ。

田舎はみんなどこもそんなもんさ!
…とよく言われる。
いやいや、そんなもんだろーか?

岩手県山形村は雫石よりずっと「いなか」だよ。
でも自分たちの村の良いとこ、知っている。
それが「食べていく」ことにも繋がることにも気づいてる。
山形村にころがっていた「たからもの」を知らせてくれたのは
『他所の人(よそからきたひと)』さ。
山形村だってみーんな「気づいた人」だけではないよね。
雫石だって「昔っから住んでる人」みーんな「気づかない人」ではないよね。

産業廃棄物溶融炉もんだい
ぱっとすごいスピードでとびついた合板工場進出問題

こういう問題の根っこには、こういう風土が在るのです。
かくて鍛えられたおばちゃんは
よそがらきてもいうことはいうのであります。

紙上意見交換その2

2006年06月16日 | 「しずくいし銀河の森」
皆様 (2006.6.16) 寄せられた意見のご紹介その2です。

★6月議会の町長答弁の中で「元地権者には説明がしてある」という
 ことが言われたそうな。。
 いわゆる「説明会」は、トラック通行が予想されたり、ペンションアベニュー
 や長山街道などの観光業、など生活に大きく影響する町民はじめ、
 広く行わなければならないと考えます。
 ここの利活用策定委員会にも、可能性高いという話だけで説明はまだです。
★環境基本条例は「理念条例」だということで、16日からパブリック
 コメントが始まるという広報の知らせがありましたが、この委員会では
 前文を吟味しただけで、内容条文の検討はしていません。PB前には
 委員に条文案を郵送するということでしたが、それもありません。
・・・・・次のような意見が寄せられています。

・・・・・6月中に一度世話人会開催します。(日時は追って連絡)

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さて、↓のご意見いついて素朴な疑問です。

> >私は工場の雫石進出には、勿論内容如何ではありますが基本的には
> 前向きに考えたいという意見です。「農業と観光の町」という旗を降ろす
>  必要はありません。
>  ただ、それだけでは若者の働き口が十分ではありません。
> 私は若者にも魅力ある町であって欲しいと思います。
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「若者にも魅力ある町」ってなんだろう?
地元で働ける職場がある=若者にも魅力ある町 なのでしょうか。

我家の「若者」の意見ですが、
今の時代、
仕事があるかないかが問題なのではなくて
どんな働き方をさせられるかが問題なのでは?
派遣や請負が若者の2人に一人。
正規雇用の労働者だって、長時間過密労働。
健康と家庭を犠牲にしながら働いているわけで、
地元で就職できるならどんな働き方でもいいというわけではないでしょう。

昼夜関係なく働きたいとは思わないし、
接着剤を使わないで集成材が出来るわけではないから、
どうしても、合成樹脂や有機溶剤など有害なものを使う所で働く事になるし
挙句の果てに、出来た製品がどこかで誰かの健康破壊なんて事になったら
とても誇りをもって働けないでしょう。

因みに、
私の知人は、家を新築したものの建材に使われていた接着剤が原因で
めまい・息切れ・皮膚炎・・・4日後には実家に避難する羽目になった。
調べた結果、作り付けの本棚に使われていた接着剤から大量のトルエンが
放散していたとの事で、スチールの戸棚に替えてやっと入居。
当時まだ乳児だった子どもは今も皮膚炎を起しやすいとの事です。

滝沢に住む私の友人は、
「雫石って自然環境でも何でもいいものを持っているのに、ちっとも生かせてないね」
つまり・・・
「若者の魅力ある町」という言葉が一人歩きして、
あたかも「若者」が、集成材工場の誘致を望んでいるかのような
口実にされているけれど、本当に若者が望んでいる事なの???
という疑問です。

雇用問題を言うなら、
町の特性を生かした、健康的でやりがいのある働き口を
町として主体的に考えていみることから始めるべきでは?

という素朴な疑問です。

紙上意見交換

2006年06月11日 | 「しずくいし銀河の森」
メールで寄せられたご意見(>)と、返事(○部分)を、投稿者のご了解を得て紹介します。さまざまなご意見があろうかと思いますので、率直にお寄せください。
雫石町ホームページで検索し、表紙の左下から「提言メール」で直接送信もできます。
当方に寄せられたご意見などは、機を見て必ず町長には伝えるように致します。
このBlogを、読んでいて下さるといいのですが…。
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>私は工場の雫石進出には、勿論内容如何ではありますが基本的には
前向きに考えたいという意見です。「農業と観光の町」という旗を降ろす
必要はありません。ただ、それだけでは若者の働き口が十分ではありません。
私は若者にも魅力ある町であって欲しいと思います。

○同感です。
 「もちろん内容如何」とご指摘のように、ホルムアルデヒド類の放散や排水への影響の有無、大型トラック通行量の増大など、周辺の平穏生活権に関係するような具体的な内容について役場に聞いても、「具体計画がまだなので…」と言うばかり。ですから、「順序が違うんじゃあないの??」と疑問が出てくる訳です。

 また、雇用確保という面では、次のような意見メールも寄せられました。
 このご意見は真剣に「我が町にとって真の豊かさ、幸い」ということを
 考えねばならないときに、大切な真髄を秘めていると感じますが
 いかがでしょうか。
   ↓
『少数の雇用と失うものの大きさを天秤に掛けてみてほしいものです。
雫石スキー場開発と現在の町民の正規社員の雇用のバランスを考えれば
答えが出るでしょう。網張温泉はどうですか。T会社はどうですか。
地元の土から生まれたものでない限り雇用はのびません。』


>そこで工場の内容ですがまず雫石の資源が活かせるタイプで
環境に害を及ぼさぬものであれば良いと思います。
立地場所についてはできればエリヤを決めそこに進出工場を集合させる
のがいいと思います。「農業と観光の町」の旗は降ろさぬわけですから
大規模なエリヤを割り当てる必要はありません。

○ここも同感です。平成12年に「景観形成基準ガイドライン」というものが町に在るのはご存知ですか?今回の工場計画はみずからこのガイドラインの地域検討がまったく町民にも委員会にも内容を知らされないまま、決められている(・・ようとしている)ところが問題なのだといえるでしょう。

>但し、その工場エリヤも出来るだけ自然環境の良いなかに置きたいものです。
それ自体が通常と違う雫石工場地帯の魅力にもなると思います。
今回の集成材工場についていえば原材料の樹木を切り出した後の植林を
義務化させるとかのシタタカな交渉を進出企業とやることを考えても良いと思います。
○ここの部分が、「この件の町側の進め方」では、環境の良い所と、
(おそらく町内全体が盆地内で良い環境と言えるでしょうし)
 環境を守らなければならないところ(従来より観光道路となっていたり、
 「人と自然とのふれあい活動地域」地域や岩手山麓景観形成重点地域だったり)
 の区別が検討されずに、また策定委員会を緊急に召集して方向性を
 話し合ったりもせずに、やおら「決まっている」または
 「確率が高くなっている」と、結論めいた話になるあたりが、
 『そりゃ決め方が違うんじゃないの?』
 と言いたい部分なのです。
 ましてや、「したたかな交渉」をするには、まずもって、町側の前提条件を
 吟味して企業に了解してもらったうえで行わなければ筋としても短絡過ぎます。

>以上、申し上げましたが今回の町側の取り進め方には大いに問題ありと思います。
貴女も仰ってるように88ヘクタールの全体構想を検討する委員会を
設置しておきながら、その一部区域にせよ委員会と無関係に業者と話を進める
ようなことは道理に外れています。

○まったくその通りです。

>町が委員会にきちんと状況を説明するよう委員会として要求したらどうでしょうか?
 第一、そういうやり方をされては委員会としては検討する意欲も
無くなってしまうのではないでしょうか?
(状況説明を聞いたうえで委員会内部で全体構想に照らして
どう扱うべきか議論すべきものと思います)

○そのように発言するつもりです。
 それが筋だと思います。協働・共治をかかげて委員会を設置しているのですから。。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~

※今日、町内の方がお茶のみに見えてこの件を話しましたとき、
  「現町長は、いままでの町長が行わなかった住民参加型の委員会など、
   現代風の方法をとりいれてはいるが、中味は昔風から変わっていない。
   肝心なこととなると、オープンにしない。
   町長はここに気づかないとだめだね。」とおっしゃった方がいます。
本当に、ここに気付かないと大変なことになるでしょう。
町長御身にとっても、町のあり方にとっても。

イーハトーブ通信も191号に。

2006年06月09日 | 世話人会発行「イーハトーブ通信」を読む
「銀河の森」に工場建設について、岩手県副知事に直訴(No.191  2006.6.9 )

昨日、役場へ不服申し立て(九十九沢処分場の排出業者を町が非開示
としたこと)への2度目の意見書を出しにいったとき、
総務課から帰ろうとしたら町長室から助役はじめ経営推進課長など
背広の一団がぞろぞろと・・

副知事のお見送りでした。
助役に林業集成材工場計画の件で来たのか聞いたら「いや、ちがう!」と。

しかし、思わず、なにかが私の背中を押したのでしょう・・
車に乗り込む玄関前で副知事の正面に回ってわたしは直接話しました。
助役や課長は引きとめようとしましたが、振り払って言いました。

「昨年、小岩井隣接地の溶融炉問題で署名を集めた団体のかぬかと申します。」
「ああ、存じ上げております。」
「副知事に申し上げます。あそこの土地は、元の地権者などさまざまな
思いや考えもあるでしょうが、1万3千有余の署名の思いも集まっている
土地です。そこに集成材工場建設という計画は、林業振興も大切ですが、
景観条例や山麓景観区域で小岩井の隣であることなど、
本当にここでいいのかどうか、慎重に検討していただきたい。」

「・・・そうですね。(うなづきながら・・)・・・」

うながされ、あとは車の中へ・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あとにもさきにも問題なのは、町長の手法です。

おそらくこの問題は、良くても「環境保全協定」締結で落ち着いてしまうことでしょう。

しかし、皆さん、振り返ってみて考えてください。

88ヘクタール(銀河の森)の、産業廃棄物溶融炉計画の周辺土地について、
昨年、溶融炉問題が起きたときから わたくしは、
いずれ周辺地域(日本重化学跡地)は、建設業界異業種参入の舞台として
産廃関連はじめ、工場地帯になることを目論んでのはじめの1つの駒として
溶融炉を計画した、という「捉え方」をお伝えしてきました。

いまこのままでいくと、業種は違えど工場地帯となる可能性が大きいでしょう。

廃材を焼却したり、乾燥熱源などとしてボイラー設置はもちろんのこと、
将来はやはり大型焼却炉が必要で、サーマルリサイクルで発電や
プールの熱源にという「想像画」も描くことは簡単でしょう。
花工房さんの前の長山街道は、マイトリー計画以上のトラック、トレーラー
接着剤を積んだタンクローリーが行き交うでしょう。

「どこかに(溶融炉を)建てさせてやりたいんだよなあ」と話したという
町長の(本音?)が 、まぼろしのように私には浮かんできます。

町長といえどもただの人間なのですから、なぜに、
林業活性化や雇用創出のメリットと、環境保全等のために町有地として購入した
ことの板ばさみの思いを、町民と共有して(少なくも聞かれたら答えて)、
十分に企業や県に町や住民の側の前提条件を示した上で十分に検討を重ね、
それから話を進めたり、決めていく方法が取れないのでしょうか。

実に残念に思います。

いまからでも遅くはないのです。
「協働」「共治」の中身がいま 問われているのです。
地域の大きな方向性が決められようとしているとき、素直に
そのメリットとデメリットを、町民(特にこうして提言したりしている地元民)に対して率直に話すことは、町のリーダーとしての責任ではないでしょうか。