岩手山麓景観形成重点地域を守ろう ★『イーハトーブ通信』

野生サクラソウ大群落を潰し岩手山麓の環境を破壊してきた旧町政。産廃問題に端を発した岩手山麓『誘致公害』の記録

「しずくいし銀河の森」のツキノワグマ

2007年07月25日 | 雫石便り&Sumireの花の郷便り
開花中のサクラソウがコソッと移植され、実生の若いサクラソウの芽やヤマシャクヤクの株や数え切れないくらいのトンボソウは、すっかり造成工事の土砂に潰されてしまいました。(写真は移植前の沢沿いに咲いていた日本桜草)


★ ⊂( ̄(工) ̄)⊃ 造成地付近に大きなツキノワグマ 現る ★

3日前の午後1時過ぎに、クロネコヤマト便の運転手さんが、森林組合から南へ100m位の右側伐採地から左側の森林に道路を横切り南の方へ歩いていく大きな熊に出会ったそうです。
このあたりに熊が出没するのは、たいていとうもろこしが実るころでしたが。
運転手さん曰く、「あんな大きな熊は初めて見た!」とのはなしでした。
伐採された樹木には「実のなる広葉樹」が約2千数百本はあったということでしたし。
沢沿いの若芽や岩魚も捕っていたんでしょうに、、、。

行き場を失った熊が、今後これまでよりずっと多く このあたりに出没する
危険が大きくなったといえるでしょう。
7.7ヘクタールもの森を皆伐してしまって(それを防げなくて)罪作りなことをした…という思いと、
人的な被害が今後出なければ良いが…との思いと、複雑な心境です。

(ご存知ですか?いわてむかしばなし

(むがすむがぁすあったずもな…わるさばりすてらった鬼が退治されだど。
 もうやらねがら勘弁すてけれ…おっきな岩さ、約束の手形ばおすて、
 それがらその鬼は“新幹線から西側の!?”山さ逃げで、熊さ化身して
 暮らすたんだど。んだがら、このあだりのくまは そんときのやくそくどおり
 にんげんさ悪さはすねえんだつうはなすだぁ。。。どっどはれ)

(「環境配慮」って言ったな!やくそくばにんげんのほうがまもらねがったらおらだっておごるぞォ)Kuma

   ⊂( ̄(工) ̄)⊃  ⊂(・(ェ)・)⊃   (`(エ)´)ノ彡

真夏の「希少水生植物・ヒンジモ」と、切り崩された流れ山の見学会を、商工観光課に申し込みました。
町会議員、観光業の有志、広く呼びかけて行いたいと思っています。
遮光幕の下で真夏のヒンジモがどう生き延びているのでしょうか。。。
日時が決まりましたらお知らせします。



天国の蛍たちへ

2007年07月02日 | 雫石便り&Sumireの花の郷便り
 
今年はいつになく早めに蛍が舞いだしました。
例年は7月初旬。ことしはもう飛び初めて1週間にもなるでしょうか。
木々の間を舞う蛍たちはいつも心を和ませてくれます。

川井林業が造成工事を進め、キャタピラで潰してしまった沢には、蛍のえさ(カワニナ)が生息していました。
蛍の幼虫もおそらく住んでいたでしょう。
40年以上もの年月、人の目にふれることなくひっそりと咲いていただろう桜草やエビネたち…
湧き出でる水のなかで繁茂してきた水草たち…
カワ海老やサンショウウオやモリアオガエル…蛍がきっと今の季節、あの銀河の森の中で幻想的な光を放っていただろう、かつての森。。。

キャタピラが保全策を十分にとらないまま潰していった最大の「りゆう」は、
「11月ころには操業開始しなければ会社がつぶれる」。

産業廃棄物溶融炉の会社もおなじことを言っていたっけ・・。

里山保全の大切さを、雫石町長が示したならば、救われただろう生命(いのち)の数々。

我が家の沢に飛び交うほたるの光に手を合わせた。


今朝、あるWEB旅行代理店へのお客様からの投稿文がメールで届いた。
雫石の町が、何を魅力にお金をためて休暇をとって他所から訪れてくださるのか、雫石町自身がこころから気づかなくてはならない。未来への遺産を、自ら破壊してはならない。子供たちのためにも。

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とても静かなところです。
耳を澄ますと・・・風のささやき・川の音・小鳥のさえずり
空気が違います。
ゆったりと過ごす贅沢な時間を味わえるでしょう。
夜になると星もきれいです。
お花も四季折々と咲き心を癒してくれます。

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投稿をありがとうございました。
心豊かにお過ごしいただけましたこと、私どもも嬉しく存じます。
当館だけでなく、雫石町全体がいつまでもこのような町で在り続けることを祈る思いでおります。
またいつの日にかおいでいただける機会に恵まれますように…。
毎日をお元気でお過ごし下さいませ。 心より感謝しつつ…。

春の異変

2007年04月05日 | 雫石便り&Sumireの花の郷便り
4月1日から始まったNHKの朝の連続テレビ小説の舞台、
小岩井の一本桜・・・春になり一面が牧草の緑におおわれたころ、ここからの岩手山の姿は本当に美しい。
我が家から車で2分ほどのこの地は、○○カメラの写真展で最優秀になったモチーフ。
あれ以来、春の新名所になった。。

いま、私たちのイーハトーブ雫石を守る会が、大きな反対運動をしている合板工場は、ここから直線距離で約2km。観光客が通る「長山街道」に面している。
我が家から500m。

我が家の庭は約3600坪。敷地の中を沢が流れ、カエデ等の雑木林、杉、落葉松が混在した森林の姿は、伐採された工場予定地のかつての姿とよく似ている樹相だ。

今年の春、なんだかいつもの早春と違う。

ミソサザエが鳴かない。昨年の大雪の時でさえ4月6日には鳴き始めたウグイスもまだ初鳴きが聞こえない。
「なんでだべなあ・・」夫も心配している。
「近くの森があんなにいっぺんで丸裸になってしまって、鳥たちもびっくりしてるんでないべかなあ…」
この分では、三光鳥(サンコウチョウ)やふくろうや、おおるり達の姿と美しい声は、この地域からいなくなってしまうのではないか・・
取り越し苦労であればいいが…。

ここは本来『地域環境保全等用地』として、血税で購入した広大な森。。。県に対する許可申請には、「樹齢、樹勢、樹形の良い樹木はできるだけ残して景観保全に努める」ことと記されているのにかかわらず、町役場担当課はみ~んな切ってしまった。
一本残らず!

なんと罪作りなことか。。
あの森(私たちは銀河の森と呼んでいた)を回復させる。回復させよう。
人間たちの浅はかな行為へのお詫びとして。長い長い年月をかけて。。
未来の雫石町が「ふるさと」の景観を伝える町であるために。

初歩的なミス=地質工学的な調査の不十分さ

2007年03月13日 | 雫石便り&Sumireの花の郷便り
写真は、発見された絶滅危惧種と同様のランクにある「ベニバナヤマシャクヤク」
工場予定地の調査が十分に季節を通して行われていたら、この美しい花も咲いていたかもしれない…。しかし森はまるはだかにされてしまった。復元には沢山の年数と自然からの恵みと守り、多くの人の英知と努力が必要になるだろう。

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昨年9月から複数回、次のようなことを企業に伝えてきた。

「ここは環境保全等用地として購入した町有地です。町長個人の土地ではありません。」
「ここに排ガスが出るタイプの工場を建てようとしたら、前年に計画中止になった産業廃棄物焼却炉の時に岩手県知事から指摘されたアセス必要の判定内容からみても、希少動植物調査や生活環境影響調査など、相当の時間と経費を覚悟しておく必要があります。」
「近くに住む化学物質化敏症の家族に影響が出る可能性があるなら、その賠償問題も含めて覚悟はあるでしょうか。」
「ここは何も問題がない、なんて町長が語ったそうですが、逐一調査確認しなければ経費が嵩み痛みが出るのは企業ですよ。」


こういった、いまとなって当たってしまった指摘に加え、初歩的な点で大きな見誤りが企業にはあった。

マイホームを建てようとした時、不動産屋さんが紹介した土地物件があったとしよう。
そこは、便利だし、買えば高いが、20年は安く貸してくれるという。
大いに乗り気になった。しかし、待てよ!そこは地盤はどうなんだろう?湿気は大丈夫か?敷地の東西に沢地があるようだが… 周りには結構な倒木があるぞ。こりゃ、きちんと地質など調べてからでないと!!心配だなあ。いくら便利で安いといってもなあ…。

ましてや、重い重い工作機械類を置く工場や1日64トン以上も燃やす大型のボイラーを建てるんだ、しっかり地盤調査をしてみないと!


これが、決定的に欠けていた。


『県営屋内温水プールは、どうして道路の角の一等地に造らないで西側に建てるようになったのかねえ?』

弱い地盤を避けて、県営プールは建てられたのだった。


『産廃と違う』と町は言い続け、町の広報に安全性を強調した『化学物質の濃度基準』を掲載した。しかし、化学物質許容濃度等の性格と利用上の注意を無視した誤解を与える書き方で安全性根拠のないものであった。
このことについては、改めて書きたい。

無理に安全性を強調し道理を踏まずして進めてきた工場誘致は、もっとも基礎的な建設用地として適切かどうかの点検が後手後手になったことにより、最低限の採算性にも支障が生ずるようになっていくことになる。


ここは「地域環境保全等用地」なのである。
伐採され、丸裸になった森に、貴重な植物が再び発見された。雫石町の『学術的財産』である。この価値を尊重するものは、岩手山の景観も大切にするだろう。ましてや、生きること自体がかかっている付近住民の暮らしにはことさら心を留めるだろう。

ふくろうが棲み、三光鳥の声が聞こえ、オオルリの渡りがあり、ホンドキツネ・野ウサギ、ツキノワグマなどが行動圏としてきた里山が、町の財産として大きな付加価値を生み出すか否か、いまこの時期の人間世界の決断にかかっていると言えよう。

「ターシャからの贈りもの」

2006年12月25日 | 雫石便り&Sumireの花の郷便り
クリスマスの今日、NHKで夜7時半からの>「ターシャ・チューダーの贈りもの」という1時間半の番組。  
ご覧になりませんでしたか? 

アメリカ バーモント州の 野の花々が咲き乱れる90ヘクタールのターシャの庭・・・
前にもターシャの庭の四季ことは通信でお伝えしたことがありましたね。
ターシャが57歳のころから心を込めて創りはじめました。

東京ドーム20個分。
町有地「環境保全等用地」と、ちょうど同じほどの広さの大地です。
木々の自然な伸びとともに、もう90歳を超えて次第に身体が動かなく
なってきているターシャは、次第に自然に帰してゆくことを始めました。

宮澤賢治さんの『虔十公園林』という作品・・
近年 ベストセラーになった『木を植えた男』・・・
みんな、そのときには「もうけ」や「活性化」なんて視界の範疇に入らなくても、
人のこころに勇気や感動や暮らしのたおやかな持続や
人々への思いの大切さを伝えてゆく 豊かで大きな「財産」になってゆくのです。

ターシャの庭も。

この「銀河の森」も。 アーメン(そうでありますように)。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

自然保護よりも環境保護よりも工場誘致をなぜそんなに急ぐのか?

2006年12月21日 | 雫石便り&Sumireの花の郷便り
ちぐはぐだらけの「立地協定」調印式 12月20日強行!

12月16日、生息データが不十分なまま希少植物の移植 強行!

協定当日、「緊急抗議と要請文」を中屋敷町長へ提出しました。

昨日午前11時から行われた「立地協定調印式」日報記事

http://www.iwate-np.co.jp/news/y2006/m12/d21/NippoNews_2.html
記者会見の模様が写真入で掲載。
ホルムアルデヒドを含まないイソシアネート系接着剤に変更してLVL工場ではなく集成材工場として当面はスタートすると変更になったことについて、
取材記者からは当然次のような質問が出たそうです。

○変更後の事業計画が出ていないのか
○(計画変更)なぜそうなるのか
○なぜ「当面」なのか

これに対して町は、

○燃料予定の接着剤付着端材の接着剤が、溶けないもので廃プラに相当するかもしれないから、できれば燃やさないでほしいという県からの指導があり、ホルムアルデヒドを含まないものということで集成材工場となった。
○いまのところは燃やしてもいいんだけれども、国の判断が明確にされるまではそうするべきだということになった。云々・・

■昨日の町長面会の際にも、当会から明確に指摘しましたが、当会の「反対運動」とこれまで「配慮」の根拠を、CS家族が付近に住んでいるから、とだけ限定して町側がPRしているのは大きな問題です。
    CS家族だけの問題ではなく、景観を含めた生活と自然環境全体の立地条件のことが、すっぽり抜け落ちています。あえて、昨年のアセス要判定のことにはふれないようにしています。  
 昨日の面会で、このことを指摘したときの町長の苦い表情が、CS家族のことだけが問題であるかのようにPRしているか、を表しているように感じました。

移植~森林伐採が年明けに始まる見込み・・・これが当面の問題です。

●まず建ててしまう。あとのことはそれから考える(問題が出てこなければ
   当初予定のLVLにしていきたい?)
・・・・取材記者でなくとも、なぜ?の疑問は当然で順序が逆ではないでしょうか。
・・・・計画変更の具体的な内容を明示した上で環境調査も実施して立地協定が
   なされるべきです。
・・・・そうなると、川井林業はこの地での事業を撤退せざるを得なくなる。
・・・・しかし、町長の大前提に「来てほしい」がある以上は如何ともしがたい、
    のでしょう。

いよいよもって、町長がマニフェストに掲げている「自然との共生」「住民との共治」「説明責任」の真価が問われています。

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   緊急抗議並びに要請
 今般、川井林業木材加工工場計画地内に生息生育する希少野生動植物について、十分なデータ調査も為されないまま、12月16日に移植作業が行われたことに対して、強く抗議する。 
雫石町は、自然との共生を町の施策の第一に掲げている町であるにかかわらず、県の勧告が一部の植物移植で済まされることは許されるものではなく、雫石町長として事業者に対して十分な保全対策の指導や要請を行わなかったことと同義であり、甚だ遺憾である。 
また、希少植物だけでなく希少野生動物についても十分な調査を実施しないまま工場計画地の町有林7ヘクタールの伐採を町が行う予定であることは、自然破壊を自ら行うことである。 
雫石町は森林伐採を一旦凍結し、雫石町民岩手県民のみならず、国民の貴重な財産であるレッドデータブック記載の動植物の保全と生活環境および景観を適切に保全するために、岩手県環境影響評価条例第38条に照らして、「準用事業」として環境アセスメントを行うよう川井林業に対して求めることを、ここに改めて強く要請する。

 雫石町長 中屋敷 十 殿       2006年12月20日
            イーハトーブ雫石を守る会

予想数を超える環境を守るための署名 昨日町長へ提出

2006年12月07日 | 雫石便り&Sumireの花の郷便り
雫石町長 中屋敷 十 殿          2006年12月6日

私たちは、
環境保全等地域内のLVL工場(木材加工工場)計画予定地が、昨年生じた問題で環境アセスメントが必要であるという知事判断を得ている地域であり、雫石町も同意見であったことをふまえ、誘致をいったん凍結して、森林伐採や町有地賃貸契約を実行する前に、昨年同様、岩手県環境影響評価(環境アセスメント)を実施するよう、町の環境と健康を守る雫石町としての意見を県へ申し入れることを求めます。

地域の生活環境と希少野生動植物生息地域の保全上、並びに田園景観形成地域であり国の名勝指定地の周辺地域であることから、景観を含めた環境全体を守ることは、町民に限らずこの地域を愛する者の切なる願いです。 
             
第1次署名総数(2006年11月30日現在) 
               2,151名    
 (内訳)雫石町民      987名     
      岩手県内       817名     
       県  外        347名
■閉じこんでから到着の署名を合計すると2176名
 町民は1007名となりました。遠くは宮古島からも!感謝です。

==========以下、議長へ提出した署名報告の文面==========
 長山地区町有地への川井林業LVL工場誘致について、今般、雫石町長あてに次の通り署名を提出しましたのでご報告致します。

 誘致に当たっては道筋を正して、昨年同様に環境アセスメントをふまえて実施することを、町の意見として県に提出することを求めたものです。

 現在、岩手県の見解では、そもそも産業廃棄物である製品端材をもボイラー燃料と判断する方向に大きく傾いていますが、まだ判断は確定していません。その判断のためには、『特に接着剤付着の端材は廃棄プラスチックに該当する=単なるボイラーではなくボイラー併用の焼却炉である』という判断が前提になります。

このLVL工場は、10月広報に記載された排出ガスや化学物質放散予測よりも深刻な影響を環境に与えるものです。産業建設、教育民生常任委員会で見学なさったという横手市の合板工場とは、規模、立地条件、ボイラー燃料、使用接着剤量などの面で大きく違います。

また、誘致企業が事故や問題を起こせば大変なことになる事例は、北上市のクボタリテックスが記憶に新しいところです。

町議会におかれましては、住民の健康と安全、さらにかけがえのない雫石の財産である景観と貴重な動植物を町の将来に遺す観点から、十分な調査と企業に対しての環境対策を求めるためにご尽力下さいますようお願い申し上げます。

花の郷便り・すみれ日記

2006年12月04日 | 雫石便り&Sumireの花の郷便り
唐突ですが・・・・・
おそらく根雪になるだろう家の周りの雪景色をながめながら

私がもっとも尊敬する女性の一文が、なぜかふと浮かんできました。

署名の集計作業をしながら、それに添える文章を書きながら、
私がいま直面している問題とはおよそ異次元に生きるかに見えるこの方の文章が
なぜかふっと浮かんできたのです。

その女性の名は Empress Michiko

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http://www.kunaicho.go.jp/okotoba/26ibby.html
今振り返って,私にとり,子供時代の読書とは何だったのでしょう。
 何よりも,それは私に楽しみを与えてくれました。そして,その後に来る,青年期の読書のための基礎を作ってくれました。
 それはある時には私に根っこを与え,ある時には翼をくれました。この根っこと翼は,私が外に,内に,橋をかけ,自分の世界を少しずつ広げて育っていくときに,大きな助けとなってくれました。
 読書は私に,悲しみや喜びにつき,思い巡らす機会を与えてくれました。本の中には,さまざまな悲しみが描かれており,私が,自分以外の人がどれほどに深くものを感じ,どれだけ多く傷ついているかを気づかされたのは,本を読むことによってでした。
 自分とは比較にならぬ多くの苦しみ,悲しみを経ている子供達の存在を思いますと,私は,自分の恵まれ,保護されていた子供時代に,なお悲しみはあったということを控えるべきかもしれません。しかしどのような生にも悲しみはあり,一人一人の子供の涙には,それなりの重さがあります。私が,自分の小さな悲しみの中で,本の中に喜びを見出せたことは恩恵でした。本の中で人生の悲しみを知ることは,自分の人生に幾ばくかの厚みを加え,他者への思いを深めますが,本の中で,過去現在の作家の創作の源となった喜びに触れることは,読む者に生きる喜びを与え,失意の時に生きようとする希望を取り戻させ,再び飛翔する翼をととのえさせます。悲しみの多いこの世を子供が生き続けるためには,悲しみに耐える心が養われると共に,喜びを敏感に感じとる心,又,喜びに向かって延びようとする心が養われることが大切だと思います。
 そして最後にもう一つ,本への感謝をこめてつけ加えます。読書は,人生の全てが,決して単純でないことを教えてくれました。私たちは,複雑さに耐えて生きていかなければならないということ。人と人との関係においても。国と国との関係においても。

 子供達が,自分の中に,しっかりとした根を持つために
 子供達が,喜びと想像の強い翼を持つために
 子供達が,痛みを伴う愛を知るために

 そして,子供達が人生の複雑さに耐え,それぞれに与えられた人生を受け入れて生き, やがて一人一人,私共全てのふるさとであるこの地球で,平和の道具となっていくために。

感性の洗濯

2006年07月21日 | 雫石便り&Sumireの花の郷便り
この通信を時々開いてくださっている岩手県内の女性のBlogから…。

いつもBlogの美しい文章をありがとう♪
組曲の一篇を、この通信便りに転載させてくださいな。
町の宝を守るということは、
ちょっと傲慢な言い方かもしれませんが
「感性」の問題。
あなたのBlogにある詩歌などは
ふと消えかかる感性を呼び覚まさせてくれます。
感謝しつつ、転載をお許しください。Sumireより

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歌い伝える
【歌っていた日々の覚え書き】

昔、声楽を学んでいたことがあります。
歌うことが好きで好きで大好きでしたが、
声楽の世界ではソプラノ歌手が華。
私のアルトの声域では、到底出すことの出来ない音域がありました。
また、それを職業とするほどの確かな実力もなく...

歌に生きる夢は叶いませんでしたが、今でも歌は身近にあります。

この楽曲は、もともとは合唱用の組曲ですが、
独唱用に編曲して、よく歌っておりました。
今では、ときおり子供に歌い聞かせています。
子供は、内容はまだよく理解出来ていません。
関西弁のイントネーションが楽曲に上手に反映されているので、
それを聞くのが面白いようです。

『日曜日 ~ひとりぼっちの祈り~』       
(作詞:蓬莱泰三/作曲:南 安雄)

1.朝
お父ちゃん はよ起きや
ええ天気やで 青空やで
はよ起きなんだら こそばすで
ふとんめくるで 鼻つまむで
はよ はよ はよ起きいな
日曜日やで 休みやで
どっか連れてってえな
なあ なあ なあてお父ちゃん

お母ちゃん お化粧まだか
お弁当持ったで 服着たで
はよせなんだら おいとくで
何にもせんかて きれいやで
はよ はよ はようしてえな
どないしたかて いっしょやで
はよせな 昼になるやんか
なあ なあ なあてお母ちゃん

けど もう お父ちゃんいてへん
お母ちゃんもいてへん
けど やっぱり 日曜日の朝になったら繰り返す
ひとりぼっちの ひとりぼっちの
ぼくのひとりごと

あっという間に いっぺんに
車と一緒に死んでしもた
衝突事故で 崖から落ちて死んでしもた

ひとりぼっち ひとりぼっち
そやから そやから
ぼくは ひとりごと

お父ちゃん はよ起きや
お母ちゃん お化粧まだか
ええ天気やで 青空やで
お弁当持ったで 服着たで・・・


2.街で

走る 走る 走る
車 車 車
日曜の交差点
ぼくのまわり
走る 走る 走る
車 車 車
乗ってるおっちゃん よそのおっちゃん
笑ろてる 笑ろてる 笑ろてる
探してるのやあらへんぞ
退屈やさかい 見てるだけやわい

食べてる 食べてる 食べてる
カレー うな丼 スパゲッティ
デパート8階 大食堂
みつ豆 お子さまランチ クリームパフェ
食べてるおばちゃん よそのおばちゃん
笑ろてる 笑ろてる 笑ろてる
探してるのやあらへんぞ
退屈やさかい 見てるだけやわい

回る 踊る 走る
回転木馬 ゴーカート モノレール
デパートの屋上の広場
回る 踊る 走る
マジックガン ミニロケット
乗ってる子 よその子
笑ろてる 笑ろてる 笑ろてる
前に乗ったわい なんぼでも前に乗ったわい
うらやましいことなんかあらへんわい
退屈やさかい 見てるだけやわい
ほっといてんか!

何でや 何でやねん
おったら いかんのか
見てたら いかんのか
何で 何でいかんのや!


3.かえり道
遊んでる みんなが一緒に遊んでる かえり道
見て見ぬふりして まわり道

そやのに みんなが追ってくる
みんなの声が追ってくる
「人殺しの子」「人殺しの子」「人殺しの子」「人殺しの子」

違うわい 違うわい 違うわい
ぼくのお父ちゃん ええ人やったわい
違うわい 違うわい 違うわい
なんぼなと言え へっちゃらやわい
「人殺しの子」「人殺しの子」「人殺しの子」「人殺しの子」

走りとないのに 走ってしまう
耳おさえ 目をつぶって 走ってしまう
ああ・・・
「人殺しの子」「人殺しの子」「人殺しの子」「人殺しの子」

あほ ばか まぬけ 柿のへた
あほ ばか まぬけ 柿のへた
前にビー玉やったのに
チューインガムもやったのに
マンガの本かてやったのに
薄情もん! 裏切りもん!
「人殺しの子」「人殺しの子」「人殺しの子」「人殺しの子」

走るな 走るな ぼくの足
歩け 歩け ぼくの足
プロレスみたいに 横綱みたいに 歩け 歩け 歩け
走るな 走るな 走るな
止まれ 止まれ 止まれ ぼくの足
走るな 走るな 走るな
止まれ 止まれ 止まれ 止まれ

お父ちゃん なんで
なんでお酒飲んで運転したんや!


4.てがみ
拝啓 こんにちは
足のおけがはどうですか
ぼくは君とこの車に衝突さした人の子供です
君はきっと怒ってはるやろと思います
ぼくのお父ちゃんのこと
ものすご 怒ってはるやろと思います

お父ちゃんが お酒を飲んで 追い越しなんか せなんだら
君もひとりぼっちにならんで すんだんです
足も怪我せんで すんだんです

かんにん したげてください
ぼくのお父ちゃんを
かんにん したげてください

もし君が一生びっこになって働けんようになったら
ぼくが弁償します
うんと働いて お金をためて

お金もあげます
家もあげます
ごちそうもあげます
きっと誓います

そやから どうか ぼくのお父ちゃんを
かんにんしたげてください
お願いします お願いします お願いします
さようなら


5.おやすみ
ねんねころいち
お父ちゃん寝たか 星からぼくが見えてるか
お酒飲みなや おとなしいにしいや
天の神さんに怒られるで

ねんねころいち
お母ちゃん寝たか あんまりお父ちゃんいじめなや
けんかしいなや 仲ようしいや
天の神さんに笑われるで

ねんねころいち お父ちゃんおやすみ お母ちゃんおやすみ
仲ようしいや 仲ようしいや
そいで天国へ行かしてもらいや
ねんねころいち おやすみなさい
またあした・・・ またあした・・・




ホタルが飛んだよ☆七夕の夜

2006年07月08日 | 雫石便り&Sumireの花の郷便り
お久しぶり♪ 
Sumireで~~っす。

すみれんちの林の沢にゆうべ今年初めてのホタルが飛んだよ♪
七夕の夜でした。宵の口の空にお月様がとってもきれいだった。。

年々少なくなっているのに、昨年より多く輝いて、なんだかホッとした気持
になっています。
7時ころから8時ころまでが一番きれい!
月明かりのために星の輝きはいまひとつ・・
天の川(銀河)を見ることができる、というのは
とても幸せなことなんだと思う。。

先日NHKの「プロフェッショナル」という番組で、進行役をやっている
「脳科学者」の人が、
食べ物、水、などをおいしいと感じる脳の部分と、音楽や美術をいいな、って感じる脳の部分とは同じなんだ、と言っていました。
な~~る!ほど!