岩手山麓景観形成重点地域を守ろう ★『イーハトーブ通信』

野生サクラソウ大群落を潰し岩手山麓の環境を破壊してきた旧町政。産廃問題に端を発した岩手山麓『誘致公害』の記録

「ターシャからの贈りもの」

2006年12月25日 | 雫石便り&Sumireの花の郷便り
クリスマスの今日、NHKで夜7時半からの>「ターシャ・チューダーの贈りもの」という1時間半の番組。  
ご覧になりませんでしたか? 

アメリカ バーモント州の 野の花々が咲き乱れる90ヘクタールのターシャの庭・・・
前にもターシャの庭の四季ことは通信でお伝えしたことがありましたね。
ターシャが57歳のころから心を込めて創りはじめました。

東京ドーム20個分。
町有地「環境保全等用地」と、ちょうど同じほどの広さの大地です。
木々の自然な伸びとともに、もう90歳を超えて次第に身体が動かなく
なってきているターシャは、次第に自然に帰してゆくことを始めました。

宮澤賢治さんの『虔十公園林』という作品・・
近年 ベストセラーになった『木を植えた男』・・・
みんな、そのときには「もうけ」や「活性化」なんて視界の範疇に入らなくても、
人のこころに勇気や感動や暮らしのたおやかな持続や
人々への思いの大切さを伝えてゆく 豊かで大きな「財産」になってゆくのです。

ターシャの庭も。

この「銀河の森」も。 アーメン(そうでありますように)。

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自然保護よりも環境保護よりも工場誘致をなぜそんなに急ぐのか?

2006年12月21日 | 雫石便り&Sumireの花の郷便り
ちぐはぐだらけの「立地協定」調印式 12月20日強行!

12月16日、生息データが不十分なまま希少植物の移植 強行!

協定当日、「緊急抗議と要請文」を中屋敷町長へ提出しました。

昨日午前11時から行われた「立地協定調印式」日報記事

http://www.iwate-np.co.jp/news/y2006/m12/d21/NippoNews_2.html
記者会見の模様が写真入で掲載。
ホルムアルデヒドを含まないイソシアネート系接着剤に変更してLVL工場ではなく集成材工場として当面はスタートすると変更になったことについて、
取材記者からは当然次のような質問が出たそうです。

○変更後の事業計画が出ていないのか
○(計画変更)なぜそうなるのか
○なぜ「当面」なのか

これに対して町は、

○燃料予定の接着剤付着端材の接着剤が、溶けないもので廃プラに相当するかもしれないから、できれば燃やさないでほしいという県からの指導があり、ホルムアルデヒドを含まないものということで集成材工場となった。
○いまのところは燃やしてもいいんだけれども、国の判断が明確にされるまではそうするべきだということになった。云々・・

■昨日の町長面会の際にも、当会から明確に指摘しましたが、当会の「反対運動」とこれまで「配慮」の根拠を、CS家族が付近に住んでいるから、とだけ限定して町側がPRしているのは大きな問題です。
    CS家族だけの問題ではなく、景観を含めた生活と自然環境全体の立地条件のことが、すっぽり抜け落ちています。あえて、昨年のアセス要判定のことにはふれないようにしています。  
 昨日の面会で、このことを指摘したときの町長の苦い表情が、CS家族のことだけが問題であるかのようにPRしているか、を表しているように感じました。

移植~森林伐採が年明けに始まる見込み・・・これが当面の問題です。

●まず建ててしまう。あとのことはそれから考える(問題が出てこなければ
   当初予定のLVLにしていきたい?)
・・・・取材記者でなくとも、なぜ?の疑問は当然で順序が逆ではないでしょうか。
・・・・計画変更の具体的な内容を明示した上で環境調査も実施して立地協定が
   なされるべきです。
・・・・そうなると、川井林業はこの地での事業を撤退せざるを得なくなる。
・・・・しかし、町長の大前提に「来てほしい」がある以上は如何ともしがたい、
    のでしょう。

いよいよもって、町長がマニフェストに掲げている「自然との共生」「住民との共治」「説明責任」の真価が問われています。

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   緊急抗議並びに要請
 今般、川井林業木材加工工場計画地内に生息生育する希少野生動植物について、十分なデータ調査も為されないまま、12月16日に移植作業が行われたことに対して、強く抗議する。 
雫石町は、自然との共生を町の施策の第一に掲げている町であるにかかわらず、県の勧告が一部の植物移植で済まされることは許されるものではなく、雫石町長として事業者に対して十分な保全対策の指導や要請を行わなかったことと同義であり、甚だ遺憾である。 
また、希少植物だけでなく希少野生動物についても十分な調査を実施しないまま工場計画地の町有林7ヘクタールの伐採を町が行う予定であることは、自然破壊を自ら行うことである。 
雫石町は森林伐採を一旦凍結し、雫石町民岩手県民のみならず、国民の貴重な財産であるレッドデータブック記載の動植物の保全と生活環境および景観を適切に保全するために、岩手県環境影響評価条例第38条に照らして、「準用事業」として環境アセスメントを行うよう川井林業に対して求めることを、ここに改めて強く要請する。

 雫石町長 中屋敷 十 殿       2006年12月20日
            イーハトーブ雫石を守る会

予想数を超える環境を守るための署名 昨日町長へ提出

2006年12月07日 | 雫石便り&Sumireの花の郷便り
雫石町長 中屋敷 十 殿          2006年12月6日

私たちは、
環境保全等地域内のLVL工場(木材加工工場)計画予定地が、昨年生じた問題で環境アセスメントが必要であるという知事判断を得ている地域であり、雫石町も同意見であったことをふまえ、誘致をいったん凍結して、森林伐採や町有地賃貸契約を実行する前に、昨年同様、岩手県環境影響評価(環境アセスメント)を実施するよう、町の環境と健康を守る雫石町としての意見を県へ申し入れることを求めます。

地域の生活環境と希少野生動植物生息地域の保全上、並びに田園景観形成地域であり国の名勝指定地の周辺地域であることから、景観を含めた環境全体を守ることは、町民に限らずこの地域を愛する者の切なる願いです。 
             
第1次署名総数(2006年11月30日現在) 
               2,151名    
 (内訳)雫石町民      987名     
      岩手県内       817名     
       県  外        347名
■閉じこんでから到着の署名を合計すると2176名
 町民は1007名となりました。遠くは宮古島からも!感謝です。

==========以下、議長へ提出した署名報告の文面==========
 長山地区町有地への川井林業LVL工場誘致について、今般、雫石町長あてに次の通り署名を提出しましたのでご報告致します。

 誘致に当たっては道筋を正して、昨年同様に環境アセスメントをふまえて実施することを、町の意見として県に提出することを求めたものです。

 現在、岩手県の見解では、そもそも産業廃棄物である製品端材をもボイラー燃料と判断する方向に大きく傾いていますが、まだ判断は確定していません。その判断のためには、『特に接着剤付着の端材は廃棄プラスチックに該当する=単なるボイラーではなくボイラー併用の焼却炉である』という判断が前提になります。

このLVL工場は、10月広報に記載された排出ガスや化学物質放散予測よりも深刻な影響を環境に与えるものです。産業建設、教育民生常任委員会で見学なさったという横手市の合板工場とは、規模、立地条件、ボイラー燃料、使用接着剤量などの面で大きく違います。

また、誘致企業が事故や問題を起こせば大変なことになる事例は、北上市のクボタリテックスが記憶に新しいところです。

町議会におかれましては、住民の健康と安全、さらにかけがえのない雫石の財産である景観と貴重な動植物を町の将来に遺す観点から、十分な調査と企業に対しての環境対策を求めるためにご尽力下さいますようお願い申し上げます。

事業会社へ公開質問状

2006年12月07日 | 「しずくいし銀河の森」

12月2日付けで、町有地へ合板工場を計画している企業へ公開質問をしました。
8日までには回答を投函して下さるようお願いしています。
企業も町も県も、「努力する」「指導する」「求めてゆく」といった、言葉でこれまで回答していますが、そのどれもが、確たるものではありません。
具体性が何も示されていないのです。
それでは、せっかく、昨年の産業廃棄物問題で守られた地域がこれからも環境が守られるという保障が何もありません。
一層の具体的な対策が必要なことは十分に企業も判っていると思いますので、具体的に質問しています。

署名は予想の倍を超え、2176名が集まりました。
全国の皆様に心からの感謝でいっぱいです。
これからも、小岩井隣接地で風景の名勝指定地の周辺であり心癒される地域であり続けるためにがんばります。
署名報告は次号にて。
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前略

 貴社におかれましては、雫石町長山地区町有地に計画のLVL工場に付き、諸々の環境対策を講じることに関してなにかとご心労も多いこととお察し申し上げております。
 しかしながら、当会と致しましては昨年来からの一連の町民運動によりせっかく自然環境と生活環境が守られたと思っていた矢先の誘致問題ですから、今後仮に事業内容の変更等が生じたとしても、この地で展開する限り一層の環境対策を要求して実現させていかなければなりません。
 そこで、次の件に付きまして具体的なお考えを伺いたく、下記5項目を公開質問させていただきます。返信用封筒にて文書回答を12月8日までに投函頂きたくお願い申し上げます。
         公開質問状
10月3日の住民説明会において貴社は、「化学物質排出量も基準値以下ですが、これに満足せずに限りなく少なくしていきます。」と答えている。また、雫石町長は10月24日岩手日報インタビューにおいて「近隣には化学物質過敏症家族も住んでいる。安全以上の安全を求めていく。」と発言している。
これらのことから具体的な対策、設備、協定等について質問します。

1.事業計画当初、雫石町から本事業計画地の自然環境および生活環境の保全上必要な、クリアするべき事項を示されていましたか。特に、化学物質過敏症家族が居住する地域であることと、希少野生動植物が生息生育する地域であることの情報提供はありましたか。

2.雫石町10月広報に記載された排ガス計画値は『企業からの計画値』となっています。これは今後締結の「公害防止協定」「環境保全協定」等の協定値になるとお考えですか。

3.計画値(協定値)を遵守し且つ測定公表するための排ガス対策について現在計画している具体的な設備を示してください。特に、バグフィルターは何本設置する予定ですか。その交換サイクルは何を目安に何年おきと見込んでいますか。又、「接着剤付着の製品端材」は燃焼させますか。それは1日燃焼量の内、何トンですか。

4.接着剤に含まれる化学物質の放散防止対策について。雫石町10月広報掲載の接着剤メーカー分析結果による含有平均%値を、使用する予定のPX-201接着剤に適用することについて、アイカ工業と貴社のあいだで文書化(安全データシートの変更もしくは当該LVL工場用特製接着剤製造の際の含有率明記など)して確認していますか。

5.貴社は計画予定地に生息生育している県民の貴重な財産である希少野生動植物について、十分な保全対策の必要を県から勧告されていますが、今後の具体的な調査予定期間及び保全対策予定を、植物、哺乳類、鳥類、蝶・蛾などの昆虫類に区分けして示してください。  以 上

花の郷便り・すみれ日記

2006年12月04日 | 雫石便り&Sumireの花の郷便り
唐突ですが・・・・・
おそらく根雪になるだろう家の周りの雪景色をながめながら

私がもっとも尊敬する女性の一文が、なぜかふと浮かんできました。

署名の集計作業をしながら、それに添える文章を書きながら、
私がいま直面している問題とはおよそ異次元に生きるかに見えるこの方の文章が
なぜかふっと浮かんできたのです。

その女性の名は Empress Michiko

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http://www.kunaicho.go.jp/okotoba/26ibby.html
今振り返って,私にとり,子供時代の読書とは何だったのでしょう。
 何よりも,それは私に楽しみを与えてくれました。そして,その後に来る,青年期の読書のための基礎を作ってくれました。
 それはある時には私に根っこを与え,ある時には翼をくれました。この根っこと翼は,私が外に,内に,橋をかけ,自分の世界を少しずつ広げて育っていくときに,大きな助けとなってくれました。
 読書は私に,悲しみや喜びにつき,思い巡らす機会を与えてくれました。本の中には,さまざまな悲しみが描かれており,私が,自分以外の人がどれほどに深くものを感じ,どれだけ多く傷ついているかを気づかされたのは,本を読むことによってでした。
 自分とは比較にならぬ多くの苦しみ,悲しみを経ている子供達の存在を思いますと,私は,自分の恵まれ,保護されていた子供時代に,なお悲しみはあったということを控えるべきかもしれません。しかしどのような生にも悲しみはあり,一人一人の子供の涙には,それなりの重さがあります。私が,自分の小さな悲しみの中で,本の中に喜びを見出せたことは恩恵でした。本の中で人生の悲しみを知ることは,自分の人生に幾ばくかの厚みを加え,他者への思いを深めますが,本の中で,過去現在の作家の創作の源となった喜びに触れることは,読む者に生きる喜びを与え,失意の時に生きようとする希望を取り戻させ,再び飛翔する翼をととのえさせます。悲しみの多いこの世を子供が生き続けるためには,悲しみに耐える心が養われると共に,喜びを敏感に感じとる心,又,喜びに向かって延びようとする心が養われることが大切だと思います。
 そして最後にもう一つ,本への感謝をこめてつけ加えます。読書は,人生の全てが,決して単純でないことを教えてくれました。私たちは,複雑さに耐えて生きていかなければならないということ。人と人との関係においても。国と国との関係においても。

 子供達が,自分の中に,しっかりとした根を持つために
 子供達が,喜びと想像の強い翼を持つために
 子供達が,痛みを伴う愛を知るために

 そして,子供達が人生の複雑さに耐え,それぞれに与えられた人生を受け入れて生き, やがて一人一人,私共全てのふるさとであるこの地球で,平和の道具となっていくために。