岩手山麓景観形成重点地域を守ろう ★『イーハトーブ通信』

野生サクラソウ大群落を潰し岩手山麓の環境を破壊してきた旧町政。産廃問題に端を発した岩手山麓『誘致公害』の記録

もっと おかしなこと

2007年04月20日 | 「しずくいし銀河の森」
写真のボイラー煙突の2.25倍規模のものがここの「田園景観形成区域」に建設される予定→2度目の変更になるという計画では一体どういうものになるのか、企業に面談を申し入れたが「年度初めで忙しい」ということでした。残念。

「もっとおかしなこと」

日本国では現在、希少な絶滅危惧種動植物を守る法令がある。
岩手県ではそのための条例がある。
雫石町では県に準じている。
しかし、人間の暮らしを根底から守る法令、条例は「ない」。

「無い」と言い切れるかというとちゃんとあるのだ。
憲法はもとより、国の法令でも、自治体の各条例でも、前文、理念、目的には堂々と国民県民町民の健康と安全を守ることや景観を守ることを掲げてはいる。
自治体の首長の最大第一の役目も、住民の健康と安全な暮らしを守ることにあると規定されている。
しかし、具体的にこのような問題が生じた場合に具体的に助けてくれるものはないのだ。
もっと正確に言うと、絶滅危惧種をまもるのも、人間の生活権を守るのも、景観を守ることも、自治体の法令や条例の「運用」にかかっている。首長の目が住民を向いているか否か…これが最大の問題だと言える。

工場予定地の近くに住む化学物質過敏症家族について、町も企業も「配慮」したという。

しかし、工場誘致にからめて町長が公の場で、確かな資料も存在せず、本人に確認もせずに語ってきたことは、事実誤認と義務教育上の手立てを配慮とすり替えた個人情報流布の大きな誤りだった。

4月4日、町長ははじめて、工場誘致場所から500mに住む化学物質過敏症家族の家を訪れた。

(いやあ、よく調べもしないでいろいろ個人情報までしゃべってしまって悪かった。自分としては心配して言ったんだったが、確かに誘致問題と関係ないことだった。お詫びする。工場誘致については、本音を言えば来てもらいたい。しかしご家族が暮らせなくなる環境になるんであれば、立地場所から考え直さねばならない。住民の健康な暮らしを守るのが自治体の役目だからだ。ついては、なにかいい方法はないものだろうか。自分も実は化学物質過敏症のことをよく知らなかった。今度のことで勉強させてもらった。化学物質過敏症の方でも暮らせている地域というのは町としても価値あるものだということにも気づかせてもらった。ここはひとつ、腹を割ってどういう方法があるのか、またはやっぱり、この地域にこういうタイプの工場は無理なものなんだろうか。考えをよ~くお聞かせ願いたい。)

・・・・こう言ってくれる町長だったら「話し合い」も成り立っただろうに。。。。

お詫びを言うわけでもなく、考えている対策を提案するでもなく、きっかり約束の1時間でお帰りでありました。
ましてや、この地域に化学物質過敏症家族が住んでいることは、産業廃棄物溶融炉事件のときから「知っていたはず」でしょうに!!
経緯を知っている当会からと、化学物質過敏症を考える会から2名が立ち会ったのだが、私たちが立ち会うことを家族が希望したとき、町長はサシで話したい、立会いは困ると言って来た。

秘密会にする意味がどこにあるのだろう?

かくて「話し合い」にはならず、付近住民の不安にふたをして、遮二無二「工場誘致」は進む。


さて、どうも、森を丸裸にしたことは、「届出義務違反」ではなかったみたいですねぇ。「届出」必要なのに、してなかったんでしょ?
まあ、それはそうですけどぉ・・・
「適用除外」とか「原則として」とか「等」というこじつけ屁理屈たぐいのあれ、あれですよ!

「公共事業(伐採は税金で)」は、公共が決めた景観条例の配慮基準を守らなくてもいい、と決めてあるのでしょうかね?

まるでわらいばなし(ほんとの話)です。

では次号にて。

おかしなおかしな「ゆうち」

2007年04月20日 | 「しずくいし銀河の森」
(おかげさま?で、アクセス数が飛躍的に増えています。政治的問題性のからみからかコメントは少ないですが、特に絶滅危惧種発見以降、自然環境保全の見地からの関心度が伺えます。これからも推移を見守り続けてくださいませ。)

さて
おかしといっても「お菓子」ではありません。
おかしいのです=変です=とっても「変」ですよ。
では、なにがおかしいのかを並べてみましょう。
まずはこの土地一帯がどういう地域であるか。
おさらいです。

 「岩手の景観の保全と創造に関する条例」「その規則」により、工場予定地をふくむこのあたり一帯は『岩手山麓景観形成重点地域内の田園景観形成区域』に指定されていることは、小岩井農場隣接地への産業廃棄物溶融炉問題の時から指摘されているところです。定められた建築物・煙突等の工作物・野外の集積・木竹の伐採・土地の形質の変更などは、“着手の30日前までに知事に届出”をしなければなりません。
ああ・・それなのに。。。
いかに環境と景観を大切にする姿勢が欠如しているか、物語っていると言えます。
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『雫石町が川井林業木材加工工場を“誘致”しようとしたいきさつ』のおかしさ。

①議会には報告があっただけ。(なのに議論を尽くしたと表現しているおかしさ)
②用地は>「地域環境保全等用地」(なのに環境影響多大なものを持ってこようとしているおかしさ
③この町有地の利活用検討委員会にも誘致方向を決めて報告だけ(残りの土地だけ利活用案を考えてと。大きな工場の回りが何に使えると考えてんだろう?)
④この委員長には誘致推進の県議会議員をあてがったおかしさ。
⑤町有地への誘致なのに事業者への「配慮?」から町民の委員会傍聴を拒否
⑥社長は「反対を押し切ってまでやるつもりはない」と言ったがその翌日には「開発行為許可申請」を出したという仁義の無さ
⑦植物調査はたった4日間。そこで見つかったものは移植不適切期の12月に移植強行
⑧12月20日、立地協定(人間世界で言う結納みたいなもの)締結という急ぎよう
⑨その3日後から、前から買い付けておいた膨大な量の原木を搬入開始
⑩年明けすぐに税金で予定地の森を皆伐(かいばつ=一本残らず丸裸に)
⑪着手30日前には県知事に届出が必要なのに、無届で伐採。それも、<樹木の伐採は目的に応じ必要最小限とするよう配慮のこと。樹姿、樹勢のすぐれた樹木は保存または移植により修景に活用するよう配慮すること>という方針基準を無視して一本残らず全部伐採しかし「公共事業」の名のもとに「届出適用除外」だった。

公共事業が除外されているのは、条例を守ることが当然の責務であることを前提にしているからなんじゃないでしょうか?適用除外=景観条例方針基準を守らなくても良い、ということなんですかね?

⑫地質ボーリング調査を森林伐採後に実施しているという後手後手の地盤調査
⑬地域住民説明会は、質問に漠然としか答えず強行閉会(議会質問で一定の理解が得られたと解釈・・という町長の答弁)
⑭地盤弱く、山を切り崩そうとしたところへ絶滅危惧種植物の発見
⑮保全はすることになったが、どうも町が行う。しかし、土地の賃貸は予定通り事業者へ全部貸す。(なんのため?)
⑯保全と建設予定地の按配から、当初予定の(企業の目的であったはずのLVL工場から集成材工場へ。さらに今度は単なる製材工場へ変更か?&場所も原木置いている地盤が弱いと想定されている場所へ再々度の変更予定

・とても書ききれません・・・・・・・・・・・・・・

この工場誘致は、やはりどこか変ですし無理があります。
原木買い付けたのは誘致話以前からのことで、ましてや正式には
立地協定以前のこと。
置き場所がないから・・とせかされて、届出もせずに集積をはじめたり
開発許可を取ったから・・と急ぎに急いで皆伐採してしまったり・・
これは届出義務者が事業者であっても、せかされるのにのっかった町が悪い。

当初の「社長のLVL工場のゆめ」はしぼみにしぼんで、
ふつうなら当初誘致したかった内容と違ってきた、と断ることも筋として可能
なのに、町はすがりついている。。
町にとってのメリット(あるならの話だが)もどんどん小さくなってゆく。
一方で、残地も含めた周辺地域への悪影響はそのまま続く。。。
失うものの方が絶対大きすぎる多すぎる。騒音規制区域以外だ、なんていって、音が響くようなものを建てたら、ぜったい承知しない!!
製材工場なら、森林組合のほうをテコ入れしたほうがまだマシ。


以下次号にて

春の異変

2007年04月05日 | 雫石便り&Sumireの花の郷便り
4月1日から始まったNHKの朝の連続テレビ小説の舞台、
小岩井の一本桜・・・春になり一面が牧草の緑におおわれたころ、ここからの岩手山の姿は本当に美しい。
我が家から車で2分ほどのこの地は、○○カメラの写真展で最優秀になったモチーフ。
あれ以来、春の新名所になった。。

いま、私たちのイーハトーブ雫石を守る会が、大きな反対運動をしている合板工場は、ここから直線距離で約2km。観光客が通る「長山街道」に面している。
我が家から500m。

我が家の庭は約3600坪。敷地の中を沢が流れ、カエデ等の雑木林、杉、落葉松が混在した森林の姿は、伐採された工場予定地のかつての姿とよく似ている樹相だ。

今年の春、なんだかいつもの早春と違う。

ミソサザエが鳴かない。昨年の大雪の時でさえ4月6日には鳴き始めたウグイスもまだ初鳴きが聞こえない。
「なんでだべなあ・・」夫も心配している。
「近くの森があんなにいっぺんで丸裸になってしまって、鳥たちもびっくりしてるんでないべかなあ…」
この分では、三光鳥(サンコウチョウ)やふくろうや、おおるり達の姿と美しい声は、この地域からいなくなってしまうのではないか・・
取り越し苦労であればいいが…。

ここは本来『地域環境保全等用地』として、血税で購入した広大な森。。。県に対する許可申請には、「樹齢、樹勢、樹形の良い樹木はできるだけ残して景観保全に努める」ことと記されているのにかかわらず、町役場担当課はみ~んな切ってしまった。
一本残らず!

なんと罪作りなことか。。
あの森(私たちは銀河の森と呼んでいた)を回復させる。回復させよう。
人間たちの浅はかな行為へのお詫びとして。長い長い年月をかけて。。
未来の雫石町が「ふるさと」の景観を伝える町であるために。

新たに発見された絶滅危惧種植物を守って!

2007年04月02日 | 世話人会発行「イーハトーブ通信」を読む
新たに発見されたウキクサ科の希少植物は、天然記念物に指定する動きもあるほど価値あるものでした。
岩手山旧火山の流山群から湧出する低温の水質が、町の「学術的財産」であるこの植物を守って育ててきたわけです。
私たちが銀河の森と呼んでいた『地域環境保全等用地』森の内、工場予定地の樹木が道路沿いの僅かな残地を除いて一本残らず伐採され、まるはだかになってしまってから、それは見つかりました。
人間は罪作りなことをしてしまったわけです。
きちんと四季を通した調査を行い、データをそろえて後に…と意見書など提出していたにもかかわらず。。。


◎3月30日、絶滅危惧種植物の保全に的を絞った要望書を県と町に提出◎
(連名団体)岩手県自然保護団体協議会
      雫石 野の花会
      環境情報調査資料室
      (発見された絶滅危惧種)○○○○を守る会
      イーハトーブ雫石を守る会
 
(要望内容)            
1.発見された絶滅危惧種植物の移植をしないこと。

2.水温、流速、地下水の湧水量、水質、底質保全のため、周辺の現況
  地形の改変(抜根、整地、重機の乗り入れ、地下水の汲み上げ、
  地盤改良の為の資材使用など)を行わないこと。
  特に、生息地北側地域の地盤改良を伴う工事は地下水の挙動の
  変化による湧水量の増減、水質などに影響を与える可能性があるので
  地盤改良を行わないよう事業者に求めること。

3.生育地保護のため、直ちに湿地周辺の樹林回復措置を実施すること。
  
4.生息環境を保全するため、生息地北側(生息地と現在の
  原木置き場までの間)の森林全体の回復措置を極力早期に実施すること。

5.伐採地は今後も希少野生動植物が確認される可能性が予測されるので、
  未確認時期である春、初夏、夏、3季の調査を事業者に求めること。



 ◎ 「希少植物発見のビデオ」を観る機会がありました。  
   
妖精が棲んでいる森のような雰囲気で、
   
BGMのネパールの音楽が実にマッチ!♪
  
 伐採後の3月10日の調査で、画面にうごめく「にんげんたち」を、
   追いやられたニンフたちが、周りの木々のあいだからじっと   
見つめているようでした。。。
   
地質的にも、ここはこういうふうな里山の森でありつづけることが
   
一番似合う・・
   
そう感じることができました。
   
この辺を通る人はこの伐採のありさまに、皆さん少なからず心を痛めています。

   「トウホクサンショウウオ」の卵塊も見つかりました。
   いまの原木置き場には砂利を入れる前に、たくさんのサンショウウオが
   いたんだそうです・・・