昔,昔の話です。
船に乗って南の海で漁をする漁師にとって,その日の天気が魚のとれ具合いを大きく左右します。それどころか,天気をあまくみて漁に出ると,命を失いかねません。そんな天気をものの見事にあててしまう親子がいました。
冬のある日のことです。
漁師の父は,朝起きるとすぐに,南の空を見わたしました。すると,いっしょに漁に出る息子に向かって,
「今日は,寒くなるからかくごをしろ。今年一番の寒さだ。」
と声をかけ,自分もいつもより厚着をしました。たしかに,顔を洗う水もいつもより冷たく感じ,家から船までの道も寒くてたまりません。
きびしい寒さの中,漁師の親子は一生懸命(いつしようけんめい)働き,今日も大漁です。船いっぱいの魚をつみ上機嫌の父に,息子は思い切ってたずねました。
「いつも不思議に思っていたんだけど,お父さんはどうして天気が分かるの?」
漁師の父は,
「遠州山脈が教えてくれるのさ。」
とつぶやきました。海岸沿いに住む漁師親子の周りには,山脈はおろか山さえありません。息子は,冬の朝は,父は起きるとすぐに南の空を見わたすことから,きっとどこか遠くに山脈が見えるのではと考えました。
その日から,息子はひまさえあれば遠州山脈を探しましたが,いつまでたっても見つかりません。
「一人前の漁師になるためには,お父さんのように天気を当てるようになりたい。 でも,いくら探しても遠州山脈が見つからない。遠州山脈って‥‥‥。」
息子が困りはてていると,
「冬の海を見ると,夏に見る入道雲に負けないぐらい大きな雲がわき上がっている ことがあるだろう。あれが遠州山脈だ。あの山脈は寒さが増せば増すほど大きく なる。遠州山脈はその大きさで寒さを教えてくれるすごい山脈だ。」
と,漁師の父が教えてくれました。
遠州山脈は,今でも私たちに天気を教えてくれています。
船に乗って南の海で漁をする漁師にとって,その日の天気が魚のとれ具合いを大きく左右します。それどころか,天気をあまくみて漁に出ると,命を失いかねません。そんな天気をものの見事にあててしまう親子がいました。
冬のある日のことです。
漁師の父は,朝起きるとすぐに,南の空を見わたしました。すると,いっしょに漁に出る息子に向かって,
「今日は,寒くなるからかくごをしろ。今年一番の寒さだ。」
と声をかけ,自分もいつもより厚着をしました。たしかに,顔を洗う水もいつもより冷たく感じ,家から船までの道も寒くてたまりません。
きびしい寒さの中,漁師の親子は一生懸命(いつしようけんめい)働き,今日も大漁です。船いっぱいの魚をつみ上機嫌の父に,息子は思い切ってたずねました。
「いつも不思議に思っていたんだけど,お父さんはどうして天気が分かるの?」
漁師の父は,
「遠州山脈が教えてくれるのさ。」
とつぶやきました。海岸沿いに住む漁師親子の周りには,山脈はおろか山さえありません。息子は,冬の朝は,父は起きるとすぐに南の空を見わたすことから,きっとどこか遠くに山脈が見えるのではと考えました。
その日から,息子はひまさえあれば遠州山脈を探しましたが,いつまでたっても見つかりません。
「一人前の漁師になるためには,お父さんのように天気を当てるようになりたい。 でも,いくら探しても遠州山脈が見つからない。遠州山脈って‥‥‥。」
息子が困りはてていると,
「冬の海を見ると,夏に見る入道雲に負けないぐらい大きな雲がわき上がっている ことがあるだろう。あれが遠州山脈だ。あの山脈は寒さが増せば増すほど大きく なる。遠州山脈はその大きさで寒さを教えてくれるすごい山脈だ。」
と,漁師の父が教えてくれました。
遠州山脈は,今でも私たちに天気を教えてくれています。
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