10月14日(木)
思いがけず休暇が取れました。今回は、九州へ出かけます。今まで九州入りの手段としては、18きっぷの時期は快速<ムーンライト九州>を使い、JR山陽線の夜行列車亡きあとは、香川県発着の夜行バスを利用してきました。が、さすがに夜行バスでの旅は飽きてきました。今回は趣向を変えて、海路九州入りすることにします。出発日の朝、船会社に電話すると、本日は出発30分前にターミナルに来てくれたら予約なしで乗船可とのこと。徳島港[津田]のフ ェリーターミナルまでは、私の実家から何とか歩いて行けます。乗船名簿に氏名・住所を書いて切符を購入します。徳島港から新門司港まで2等寝台で8,950円。
築40年に迫ろうかという実用本位古めかしいターミナルビルで乗船待ち。高度成長期に建てられた大きな待合室で乗船を待つのは4名・・・。この航路はトラックトレーラー輸送が主体ですから、無理もありません。いまどき15時間かけて船旅を楽しむなど時代遅れなのでしょうが・・・・。とは言え今夜のお宿となる<おー しゃんさうす>は総トン数11,114トンで全長は166.0mあります。結構大きな船です。が往時の青函連絡船(津軽丸型8000トン、133m)を上回る巨体の割には、旅客定員は、わずか148名(津軽丸型1,200人・・乗船時間は青函の4倍なので単純比較はできませんが )。人間は車両のおまけという位置付けなのでしょう。その証拠に旅客サービスの省力化は予想以上に進んでいました。船室は2等寝台の みのモノクラス。食堂は、自動販売機から冷凍食品を選び、自分で電子レンジで温めます。売店は案内所兼用でありますが乗客サービスは案内所係員ひとりで、すべてをこなしています。すべてにおいて省力化を徹底している印象です。鉄道でいえば14系15形ブルートレインの2段B寝台のみで構成された、国鉄末期の関西-九州ブルートレインの味も素っ気もないスタイルを思い起こします。とは言え、大型船ゆえの、ゆとりは感じます。供食に関しては自動販売機とは言えメニューは豊富です。カレー、丼物、麺類、パン、おつまみなど。飲料もアルコール、アイスクリーム等あり一晩過ごす分には充分な内容です。値段も陸上の自販機とそう変わりません。そして、私が一番嬉しかったのが、お風呂の存在です。24時間入れる大浴場が設置されています。もちろん、お湯に浸かりながら、大海原を眺めていられます。そんなことを思えば、一時期のブルトレより遥かに快適な旅が楽しめます。(鉄道マニアがそんなことを言ってはいけないのでしょうが・・・)
携行したiPadを操作しながら、昼間からビールを飲みながら、静かで快適な船旅を楽しみます。船は、四国東岸に沿って南下していきます。が、室戸岬を超えたあたりで、iPadの通信が出来なくなり、すこし後でドコモの携帯電波も圏外となりました。いよいよ外洋、土佐湾沖の太平洋を進みます。陸地から遠く離れると、心細く感じたりします。夜遅くなって携帯の通信が可能になりました。どうやら船は足摺岬を回り込み豊後水道に入って行くようです。何よりも、窓から見える陸の小さな灯は人の心を安心させてくれます。
日本に帰ってきました
東京に来る時は連絡頂戴