2014年9月5日(金)
8月に津山、鳥取方面へ列車で日帰り旅をしました。その時使ったのが青春18切符!この切符を買うのは3年振りくらいでしょうか・・・。翌週2枚。そして利用期限最後の週末で2枚と使いきるつもりでした。が、悪天候で外出を中止しました。これで2回分は放棄が決定しました。最後の週末2日間で18きっぷの購入価格以上の距離を乗車して、最低でも元を取るべく少し遠出をします。
2014年9月6日(土)
夜行バスに揺られて新宿にやって来ました。土曜日早朝の新宿駅は、店舗のほとんどがシャッターで塞がれ、人影もまばらで早朝特有の気だるい、よそよそしい感じが漂います。新線新宿駅から京王新線に乗車します。この3.6㎞の京王新線部分は初乗りです。初乗りとは言え、ほとんど地下を走るのですから感動もありません。とはい え、ささやかですが私鉄完乗に一歩近づきます。そのまま高幡不動まで普通電車に揺られます。
高幡不動からは多摩モノレールに乗り換え北上します。この線の立川北から上北台 までが未乗区間となっています。モグラ状態の京王新線と違い高所を走るモノレールの見晴らしは良く、線形も道路や地形を忠実にトレースする為、大きなカーブや急こう配が各所にあり、乗っていて飽きることがありません。終点上北台まで乗って多摩モノレール完乗です。ここでも私鉄完乗に一歩近づいた事になり、まずは嬉しいというべきですが、うかうかしていると、ここ上北台からさらに路線延長されてしまいそうです。モノレールの軌道は早く伸ばしてくれと言わんばかりに主張しているように見えます。私としては、そうならないうちに残りを乗っておかねばとの危機感を抱きます。
私としては、1度完乗してしまえば、もう乗りつぶしは止めようと思っています。だってこんなことに振り回されるのはもう止めたいですから…。大いなる自己矛盾ですが。多摩モノレール完乗で国内私鉄は95.2%乗車したことになります。距離で言うと350㎞余りですが、難易度の高いケーブルカーが数カ所残っています。今後、風光明美であっても交通不便な場所にある鋼索鉄道を1つづつ潰していかなければなりません。気が遠くなります・・・。
折り返しで立川まで戻ります。
JR立川駅で18きっぷに日付印をおしてもらい、中央線で新宿に出ます。山手線で原 宿に出て、そこから東京メトロ千代田線に乗り換えて乃木坂で下車。そのまま、連絡通路で国立新美術館に入ります。現在開催中のオルセー美術館展を覗いていきます。二十年ほど前、何の予備知識もなくパリのオルセー美術館を訪問して、マネの<笛を吹く少年>と出会い衝撃を受けました。この絵と出会うまで、私は絵画について何の興味も持っていませんでした。むしろ中学生時代の美術教師への反感から必要以上に美術に対して反発を抱いていました。でも、この絵を前にして自分の中で何かが変わりました。教科書に載っている作品が目の前にある事に対する興奮もありました。この絵から笛の音が聞こえてきそうな、少年が目の前で居るような<力>が感じられました。この時の「絵って<力>を与えてくれるんだ」という感動がその後の美術館巡りを続ける原動力となったのです。久しぶりに再会した少年は昔と同じように、上手ではないけれど、一生懸命、明るい旋律を奏でているように感じました。
今回はこの絵と再会するために夜行バスに揺られて東京まで来ました。パリに行くことを考えれば時間も費用も節約できるからという考え(プラス余った18きっぷの処理を兼ねて)でした。でも何かすっきりしません。
今回の展覧会は<笛を吹く少年>以外の作品にこれと言ったものが無く、正直<オルセー美術館展>の名をのるほどでは無いと思ったのは私だけでしょうか。これなら時間とお金を掛けてパリまで行く方が賢いのかもしれない・・・。そんな屈折した思いを抱いてしまいました。少しもやもやした気持ちで美術館を出ました。その頃には空は晴れ渡り、日差しは夏に戻ったようです。
<こんなことなら、朝から撮影に出かければよかった。>
とは言え、今回は終日雨という天気予報を信じて撮影準備もしていません。
東京駅から東海道線で熱海に出ます。そこからさらに鈍行を乗りついで細長い静岡県を横断します。
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