HALクリニックの診察室から

Human Active Life…新潟で心臓血管外科のクリニックを開設した医師のひとりごと

「薬局に行っても薬がない!」と患者さんが困惑する貧しい国に日本がなったか?

2024-05-22 21:45:46 | 医療
 ときどき患者さんから「薬局に行っても薬がないと言われました!」という
話を聞くことがありますが、最近もまた。
今まで処方して薬局で渡されていた薬が「在庫切れ」のためないと。
患者さんは驚いていますが、われわれ医療者は慢性的な薬不足の
事情を知っているので驚きませんが。
冬の期間の風邪薬だけでなく、いろいろな薬が調剤薬局(医療機関からの
処方箋で薬を出す薬局)に届いていません。

 原因は明らかです。
政府は医療費を抑えるために強力にジェネリック医薬品への切り替えを
勧めています。
その一方で、ジェナリック医薬品を作る製薬メーカーは零細なところが多く
さらにはジェネリック大手の日医工が不正でストップしてジェネリック薬品の
供給が不足しています。
さらに、大手製薬メーカーも先発品の生産を減らしてジェネリック医薬品対策に
していて、薬の増産が困難になっています。

 そもそも政府はジェネリック医薬品への転換を強引に押し進めるために
零細な会社にもジェネリック医薬品製造を認めてきました。
そのため、ジェネリック医薬品の供給体制が脆弱になってしまいました。
今になって、ジェネリック医薬品会社の合併を進めようとしていますが、
スタートから政策がお粗末だったと言わざるをえません。

 いまや患者さんに処方箋を出しても、薬局に薬がないという
なんともお粗末な国に日本がなったことが悲しいです。
その責任は国のジェネリック医薬品推奨政策なのですから、早く対策を
立てて欲しいものです 

















コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« コーンポタージュは見た目の... | トップ | カリフラワーはフリッターに... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。