前回の
「ブラックペアン2」では冠動脈バイパスで使うグラフの問題が
ドラマの鍵として展開されていました。
https://www.tbs.co.jp/blackpean_tbs/
渡海先生の冠動脈バイパス術に双子の天城先生の内胸動脈を採取して使われました。
今度は天城先生も冠動脈バイパス術が必要になり、内胸動脈を取られていたため
静脈でバイパスしたというのですが。
(
https://doctorblackjack.net/heart/heart_05-03.htmlより引用著者改変)
医療の常識として、静脈グラフトは径が太くてバイパスの流量も多いという
利点がありますが、長い間に血圧が静脈にかかると変性して閉塞(詰まる)リスクが
高いとされています。
一方、動脈グラフトはやや細いですが、もともとが動脈なので冠動脈バイパス術に
使っても変性せずに長く開存(詰まらず流れる)ことが期待できます、
静脈グラフトを使っている天城先生で静脈グラフトが詰まってきて命の危険になり、
とった内胸動脈を返せと迫るのですが。
冠動脈バイパスに使う動脈グラフトは、左右の内胸動脈の他にも使える動脈があります!
お腹の胃の周囲の胃大網動脈はしばしば使われます。
ただし、届く範囲に制限がありますが。
さらには腕の橈骨動脈も動脈バイパスとして使うこともあります。
だから、天城先生のバイパスのための動脈はまだありますが、ドラマは違う展開に
なりそうです。
「ブラックペアン2」には現実とは違うフィクションがいろいろと混じっているので
鵜呑みにはせずにドラマを楽しんでください