HALクリニックの診察室から

Human Active Life…新潟で心臓血管外科のクリニックを開設した医師のひとりごと

「出産の保険適応」=「出産費用軽減」=「少子化対策」という短絡思考はだれの発案か?

2024-07-02 20:39:40 | 医療
 「出産の保険適応」の議論が始まり、予想通りに産科医療体制を揺るがす問題が
含まれていることが明らかになりました。
最初からこういう深刻な議論が出ることは予想されたとおりで、先日のブログで
書かせていただきました。
https://blog.goo.ne.jp/halclinic/e/42759bbd3b42c894142829e69b5b7b51


 ついに新聞でも大きく取り上げられました。まだ、議論が始まった段階ですが。







 指摘させていただいた通りに産科医療が維持できるかどうかというギリギリの選択を
どうするかという難問なのですが、「出産の保険適応」を「少子化対策」として打ち出した
岸田首相(と医療に関するブレーン)はどうするつもりでいたのか、大きな疑問です。
「出産の保険適応」を支払う金額を減らすための手段と短絡したのではないかと
思われます。
言い出しっぺの人は産科医療の現実・現場を知らない方に違いありません。
そんな人が、医療現場の実態を細かに調査せずに思いつきで始めた議論だから
現場が混乱します。
「出産の保険適応」に限らず、「マイナ保険証」「電子処方箋」などの医療DXも
机上の空論ですし、診療報酬改定での「生活習慣管理料2」なども診療の現場で無用の長物です。

 日本の医療についのしっかりとしたビジョンを持った舵取りができる人が必要なのに
人材がいないことが悲劇です。

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