上有田駅は無人駅。駅舎の外にはレンタサイクルが並んでいる。市内には数カ所のレンタサイクルスポットがあり,同じネットワークで運営されている。1日300円で利用でき,乗り捨て自由とはとても便利である。この駅では近所の酒屋さんが管理を委託されている。早速1台を貸して貰った。
本日の相棒である。有田駅で乗り捨てる予定なので前かごには旅行用バッグを押し込んだ。やや不安定。自転車はシフト無し。「鮹唐草」という有田焼に用いられる模様をあしらってあり,ちょっとオシャレである。
走り出すと,後輪付近から「ガラガラ」という異音が聞こえる。チェーンがガードに当たっているのかと最初は思っていた。ところが,ペダルを漕がないときにも同じ音がする。どうやら後輪ハブのベアリングがいかれている。かくて「ガラガラ」という異音を発する自転車を相棒に有田の町を走ることと相成った。
通称「皿山通り」。道路沿いには焼き物屋さんが並んでいる。5月の連休には「有田陶器市」が開かれ,たくさんの人で賑わうが,この日の人通りは少なかった。路側帯は広く,車道と違う舗装で明確に区別されている。
路地に入ると「トンバイ塀」を見ることができる。窯に使われていた煉瓦などを再利用した壁である。
トンバイ塀と煉瓦塀が両側に並ぶ路地の先には木造の製陶工場の建物が見える。
近くにある陶山神社の鳥居。「有田焼陶祖の神」といわれ,約 350 年前の万治元年 (1658 年) 8 月に現在の地に「有田皿山宗廟八幡宮」の社名で創建されとある。参道の階段を昇ったところにJRの踏切がある。線路を渡り,階段を昇るとこの鳥居が見える。白磁に青い呉須で文様が描かれている。この鳥居は明治 21 年 (1888 年) 稗古場が奉納した。
こちらの狛犬も磁器でできていた。明治 20 年に赤絵町今右衛門奉納による高さ 82 cm の狛犬。ほかにも石製や青銅製の狛犬が鎮座していた。
武雄温泉ネタでで1週間引っ張った。本日が最後。
建造物で報告漏れした旧長崎街道の「塚崎宿」跡。白壁と木の壁がいい感じである。
居酒屋で食べたメニュー紹介。
左:「揚げ出し豆腐」。豆腐一丁分を使用。あまりのボリュームに少し引いた。
右:「トマトグラタン」。中身をくりぬき,ベーコンと中身を炒めたものにチーズで蓋をして軽く焼いてある。
初めて食べた「アゲマキ」のバター炒め。アゲマキはマテガイに似ているが少し違っていた。出水管と入水管の2本が「揚巻」という髪型に似ていることにちなんだ名前らしい。ボリューム,旨み,歯ごたえはアサリの5倍以上だった。値段は時価とあった。
以上と生ビール2杯,焼酎1杯で4200円。時価の値段は想像するのみ。
左:武雄温泉駅の売店で買った陶器の置物。
右:こちらは本物の愛猫「ハク」のごろんとした図。
これで本日の記事はおしまい。
次回は「有田」編です。
武雄市街地の散策を終え,目指したのは世界一の登り窯「飛龍窯」である。
左:走り始めたときから気づいていたのだが,シフトレバーの不具合に加え,タイヤの空気が不足している。今では減ってしまった町の自転車屋さんを発見。開店休業状態の店だったが,声をかけると奥から店番のおばあちゃんが出てきた。
「空気入れを貸してください」とお願いすると「そこの店先にあるからどうぞ」と言ってまた奥に引っ込んでしまった。空気室のない旧型の空気入れが鎖でつないであった。ありがたく使わせてもらった。「坂元サイクル」のおばあちゃんありがとう。
右:ペダルも軽くなり「飛龍窯」の案内板をようやく見つけた。パンフレットの略図のみがたよりでさんざん迷ってしまう。これより8㎞の案内板である。パンフレットによればこの先にトンネルがあるらしい。ということは上り坂になるということだ。
しばらくは平坦だったが,段々坂がきつくなる。ここでギアを落としてゆっくり登ろうとシフターを操作する。あれっ,ギアが切り替わらない!平坦な道で試したときはしぶしぶながら動いてくれたが,肝心な時にこれである。ケーブルを手で引っ張ってみてもいうことを聞かない。こうなればパワー勝負しかない。立ちこぎで坂道を登る。
左:ようやく見えてきた「赤穂山トンネル」。入口には梅の花のレリーフがあった。ここまできたらあとは下り坂だ。
右:トンネルを抜けるとのどかな田園地帯が見えてきた。そして下り坂になるとシフターの調子も回復する。気まぐれもいいかげんにしてくれ!
左:有田焼の火鉢がたくさん並んでいる家を発見した。この付近の農家は大きな建物ばかりである。火鉢の家もさぞや大きな屋敷だったのだろう。
右:あと1㎞の標識。「K」の字の右斜めが目指す方向だ。一瞬見ただけではわからなかったので,停車してじっくり確認した。
ついに「飛龍窯」に到着した。陶芸の里「竹古場キルンの森公園」内にある。窯の全長は23m,高さ3.4m。一度に12万個の湯飲みを焼成できるとあった。
左:正面の焚き口が6カ所もある。
右:公開されている焼成室の中は作品展示室になっている。各工房から持ち寄られて焼かれた壷のほかに陶製のランプが展示してあった。
「飛龍窯」の見学を終え,来る時とは別なルートで武雄市街地まで帰った。ママチャリで20㎞超の行程はさすがにヘビーだった。これからビールを飲むぞ!
本日の記事はこれでおしまい。
珍しいものがあれば何でも写真を撮ってしまう。本日は少し懐かしい車編である。といってもわずか3台しか登場しない。
鼻がついたバス。スタイルが古いだけで車体はそれほど古くはない。クロームメッキのバンパー,ヘッドライト,フロントマスクが懐かしい。武雄温泉駅に着いたとき,駅前に送迎のために停まっていた。写真を取り損ねたので残念に思っていたが,自転車で回った居たときに再会を果たした。
温泉旅館が客の送迎に使用している。
前の3枚:フォルクスワーゲンビートル。自動車整備工場の店頭においてあった。現車はデザインが変わり,ブラジルで作っているらしい。こちらは本家ドイツ製だろう。現車には無い丸みを帯びたデザインが美しい。特にフロントの曲線と張り出したタイヤハウスが好ましい。
下段右:美容院の店頭で見かけたワーゲンバス。ステップワゴンのようなオシャレなワンボックスカーが登場するまでは,若者のあこがれだった。
いずれもナンバープレートがないので車検切れ。「こんな邪魔なものは早く処分したら?」という関係者の声が聞こえるような気がする。でもオーナーは,いつかレストアして公道上を走らせるの夢なのかもしれない。この気持ちはメカに興味のないひとにはわかってもらえないのだろう。
私を含め,似たような人がいるような気がする。
本日の記事はこれでおしまい。