たけのこ山となんでもやってみるもん

「国道10号自転車通勤」,「奄美の自転車オヤジ」から3度目のタイトル変更です。主夫をしながら竹林整備を始めました。

今日の南日本新聞から

2010年03月05日 | 日記
平成22年3月5日付け 南日本新聞 「南風録」より(注:以下「」内は新聞記事からの引用である)

「鹿児島市が撤去する自転車は年間5千台以上に上る。一定期間保管して所有者が現れなければ,リサイクル販売される一部を除き,多くは鉄くずとして処分される運命にある。かつて自転車は高価な品だった。国家公務員の初任給が9千円前後だった1960年代でも1万数千円した。誰でもが大事に乗ったし,パンクなど軽い故障は自分で修理した。ゴムのりのにおいを懐かしむ世代もあろう。
それが今や1万円を切る廉価品もある。ありがたみが薄れ,使い捨て感覚で放置する人が増えたという指摘がある。価格破壊が,ものを大事にし『もったいない』と感じる心まで壊したのかもしれない。
(中略)
使える自転車が何千台も灰をかぶって処分を待つさまはあるべき姿ではない。物に感謝し,慈しむ日本人本来の心を取り戻したい。」

鹿児島市では運転免許を持った人が電動アシスト自転車を購入するに際しては,購入価格の3分の1,3万円を限度に補助を行っている。人力自転車のほうが環境にやさしいはずなのに,なぜ補助がないのか?この実態を知って合点がいった。人力のみの自転車に補助金を出すと自転車が安く買える結果,さらに放置自転車が増えるということを見越してのことだろう。

1万円を切る廉価品のほとんどは中国製である。安い分,塗装やメッキ技術が稚拙である。雨のあたらない所においてあっても,2年もしないうちに錆が発生する。これがさらに使い捨て感覚を助長するのだろう。

本当にいいものは確かな技術に裏打ちされ,品質が保証されている。安くて使い捨てのできるものを選ぶか,高くても品質の良いものを選ぶかは消費者の意識の問題である。

昨日の記事にも書いたとおり,国内メーカーのほとんどが生産拠点を台湾や中国に移している。台湾のジャイアントは安さと品質の良さで世界を席巻しつつある。そのうち技術を習得した会社がジャイアントと同様に自社ブランドで販売を始める可能性は十分ありえる。それはかつての自動車大国のアメリカ自動車業界がトヨタやホンダの侵攻によっての凋落したことをみてもわかるとおりである。

オヤジが国産メーカーの自転車にこだわったのはそこにあるのである。もっと,日本のメーカーを大事にしたい。「南風録」氏がいうとおり,「安さ」は日本人本来の心を失わせてしまう元凶かも知れない。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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よい引用記事ですね (焼酎学生)
2010-03-06 10:04:20
昔は自転車を大事に扱ったということは、「自転車とぼとぼ」の序章で既に書きました。放置自転車はじつに嘆かわしいことですね。
僕のクロさんはジャイアントのCROSS-3です。
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「自転車泥棒」という映画があった (チャリ通オヤジ)
2010-03-06 18:04:05
見たことはないのですが,だいたいの筋は知っています。第二次世界大戦後のイタリア映画で自転車が遊びのためでなく,生活の糧を得るための道具として大事にされていた頃のことです。
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