多摩平和イベント実行委員会

多摩の市民グループが「戦後60年」を契機に地域の視点から、「戦後」「平和」「民主主義」を考える

抗議します。「そんなの関係ねぇ」発言の航空自衛隊幕僚長が日本の侵略戦争は濡れ衣論文を糾弾

2008-11-01 12:43:58 | アピール
 10月31日、ノーベル賞作家の大江健三郎さんの著書「沖縄ノート」をめぐる名誉毀損訴訟で、第二審の大阪高裁も一審大阪地裁判決を支持し、アジア太平洋戦争における沖縄での集団自決について旧日本軍の関与を認める判決を下しました。
 判決では「「軍官民共生共死の一体化」の方針の下で軍が深く関わったことは否定できず、これを総体としての日本軍の強制や命令と評価する見解もあり得る」と認定しています。あの教科書検定の大騒ぎ(2006年度)は一体、何だったのでしょうか。「日本軍に強いられた」との記載を軒並み削らせたのですから。沖縄県民の怒りが裁判所も突き動かしたのだと思います。
 一方で31日、アパグループの懸賞論文で航空自衛隊の航空幕僚長が「日本は侵略国家というのはぬれぎぬ」「日本政府と日本軍の努力で(満州や朝鮮半島の)現地の人々は圧制から解放され生活水準も大幅に向上した」など仰天する内容の論文を応募し、優秀賞に選ばれていたというニュースが流れました。政府はこの航空幕僚長の発言は政府見解と異なるとして更迭を決めた、との報道もあわせて報じられました。しかし、ことは政府見解を否定するから云々というレベルの話ではないと思われます。現職の自衛隊トップがこのような歴史観を持っていたということ事態が問われます。新聞報道に寄れば「武器使用の緩和」や「集団的自衛権」についても論じているとのことで、シビリアンコントロールの観点からも大問題です。
 まあ、このような論文を優秀賞とする審査そのものも問われると思いますが、現職の自衛隊トップの認識が明らかになったことの問題は大きいでしょう。
 イラクへの航空自衛隊の派遣は憲法違反との違憲訴訟で、名古屋高等裁判所は2008年4月17日、「現在イラクにおいて行なわれている航空自衛隊の空輸活動は、(中略)武力行使を禁止したイラク特措法2条2項、活動地域を非戦闘地域に限定した同条3項に違反し、かつ、憲法9条1項に違反する活動を含んでいることが認められる」とする画期的な違憲判決を下しています。その時、航空自衛隊幹部は「純真な隊員には心を傷つけられた人もいるかもしれないが、私が心境を代弁すれば大多数は『そんなの関係ねえ』という状況だ」と発言しています。
 今回、論文を発表したのは、この「そんなの関係ねえ」と発言した田母神俊雄幕僚長その人です。
 当時も仰天発言でしたが、この前例からしても、法治国家としての意味を全く理解していない幹部を自衛隊トップにすえていること事態が問題です。
 私たち平和を求め、かつての日本が引き起こしたアジア太平洋戦争の戦争責任そしてアジアの中で共生していくためにこそ私たちの歴史認識を問うていく立場から今回の発言は全く許すことが出来ません。
 わたしたち市民は、更迭でなく即刻解任を求めます。このような゜考えの持ち主に自衛隊トップを委ねるわけにはいきません。
 「沖縄ノート」訴訟判決の日にこのような論文が優秀賞として表彰される滑稽さについても世に問うていきたいと思っています。

                       11月1日
                       多摩平和イベント実行委員会




 

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