共同通信の配信では、安倍首相は7日午後、「象徴的に憲法記念日までに上げることが大切という気持ちがある。ある意味で当然だ」と述べ、憲法施行60年を機に成立を図る考えを強調しています。
市民運動の一部に国民投票法はあってしかるべき、との論があるようですが、今の自民党原案は、改憲ありき、であり、審議できるベースの法案ではありません。何と言っても、総有権者でなく、投票総数の過半数で改憲できる、とあっては、有権者1割の賛成で9条改憲が現実のものとなってしまいます。また、公職選挙法をベースにしているだけあって、既存政党の賛否の意見だけで、市民の声を反映できる仕組みになっていません。もし、仮に百歩譲って、憲法改正論議をするのであれば、子どもも大人も、全ての人々が参加し、意見を言い合える環境がなければなりません。何と言っても最高法規の憲法を変えようと言うのですから。原案では選挙公報あるいは政見放送のようなもので、お茶を濁しておけばいい、という発想です。しかも、既存政党のみが、広告を出稿できるといった内容です。
なぜ、改憲なのか、安倍首相自ら、「象徴的」といっている通り、祖父のなしえなかったことを実現したいという、感情でしかないのです。そんな感情論で改憲されたのでは、たまったものではありません。
衆議院憲法調査特別委員会での中山委員長の職権による審議入りに断固、抗議します。
なお、安倍首相に関連し、ニューヨークタイムズが下記のような社説を掲載しました。記事は産経新聞のものです。参考までにお流しします。
慰安婦問題 下院非難決議案 NYタイムズ社説、米中韓が“反日連帯”
2007年3月7日(水)15:55
【ワシントン=山本秀也】いわゆる慰安婦問題に関する米下院での対日非難決議案について、米紙ニューヨーク・タイムズは6日の社説で、「日本に全面的な責任受諾を迫る国は米国にとどまらない。韓国、中国も日本のあいまいな姿勢に長年憤っているのだ」と主張した。慰安婦に関して、ここまで明確に米中韓の“反日連帯”を主張したケースはリベラル系メディアでもまれだ。
「慰安ではない」と題した社説は、書き出しで慰安婦問題を「日本軍の性的奴隷」と言い換え、日本統治下の朝鮮半島で兵士との性行為を提供するよう求められていたと断言。こうした性行為は「売春ではなく、連続レイプだった」と指摘した。
そのうえで、慰安婦問題で強制性を裏付ける証拠はなかったとした安倍晋三首相の発言については、「首相は傷ついた日本の国際的な声望を修復するよりも、あの恥ずべき行為が民間の営利活動だったとする自民党内右派にすり寄っているようだ」と激しく非難する社説を掲載した。
社説は「恥ずべき過去を乗り越える最初の一歩」として、(1)日本の国会による公式謝罪(2)生存者に対する公的な賠償金支払い-を要求している。