多摩平和イベント実行委員会

多摩の市民グループが「戦後60年」を契機に地域の視点から、「戦後」「平和」「民主主義」を考える

村山談話を全否定する田母神前航空空爆長 あなたは言論の自由をはき違えている

2008-11-11 23:53:14 | アピール
 田母神俊雄さん、あなたは言論の自由の意味をはき違えています。

 あなたは、11月11日の参議院外交防衛委員会で参考人として招致され、その中で「自衛官にも言論の自由は認められているはずで、言論の自由が村山談話で制約されることはないと思っていた」「自分の論文は逸脱していない。政府見解による言論統制はおかしい」などと堂々と発言されましたね。

 戦後50周年の節目で時の村山内閣総理大臣は、過去の日本が引き起こした戦争の悲劇について率直に過去の反省を表明した画期的な談話でした。
 
 改めてその一部を引用します。

 「いま、戦後50周年の節目に当たり、われわれが銘記すべきことは、来し方を訪ねて歴史の教訓に学び、未来を望んで、人類社会の平和と繁栄への道を誤らないことであります。
 わが国は、遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。私は、未来に誤ち無からしめんとするが故に、疑うべくもないこの歴史の事実を謙虚に受け止め、ここにあらためて痛切な反省の意を表し、心からのお詫びの気持ちを表明いたします。また、この歴史がもたらした内外すべての犠牲者に深い哀悼の念を捧げます。
 敗戦の日から50周年を迎えた今日、わが国は、深い反省に立ち、独善的なナショナリズムを排し、責任ある国際社会の一員として国際協調を促進し、それを通じて、平和の理念と民主主義とを押し広めていかなければなりません。同時に、わが国は、唯一の被爆国としての体験を踏まえて、核兵器の究極の廃絶を目指し、核不拡散体制の強化など、国際的な軍縮を積極的に推進していくことが肝要であります。これこそ、過去に対するつぐないとなり、犠牲となられた方々の御霊を鎮めるゆえんとなると、私は信じております」
 
 このどこが問題だというのでしょうか。日本が軍靴で中国をはじめアジア各国を蹂躙したことは紛れもない歴史的事実です。そのことを侵略というのであって、侵略をしていないなどと美化するのは全く歴史認識を欠如しているといって過言ではありません。

 戦後の日本の繁栄は、まさにあのアジア太平洋戦争で犠牲となったアジア各国の人々の尊い犠牲の下にあることぱいうまでもありません。戦争は軍部だけが行うのではありません。多くの非戦闘員が銃後の守りとして命を落とし、また、「日本国」「天皇」の名のもと、愛する家族を犠牲にし、多くの兵士が命を投げうっているのです。

 田母神さん、あなたは、集団的自衛権の行使を可能とすべきとの趣旨の発言をし、「国を守ることについて、これほど意見が割れるものは(憲法を改正して)直したほうがいい」とも強弁しています。自衛隊のトップの地位にある人がこのような発言をするとは耳を疑います。日本国憲法で公務員は遵守義務を持っていることをあなたは、ご存知でないのですか。特に強大な軍事費に裏打ちされた装備をもった自衛隊という軍隊に勤める人々に求められるのは、日本国憲法への忠誠心です。
 
 何が「言論の自由」ですか。村山談話をなぜ、出されなければならなかったのか、また、平和を求める誓いのもと、戦後の復興に力を尽くしてきた多くの人々の汗と涙を共有できない人にモノをいう資格はありません。

 日本や世界の歴史をきちんと学んでください。村山談話は間違ったことは何一つ述べられていません。憲法9条と村山談話を大切にする中で世界の人々との平和な関係を形づくることができるはずです。

 発言の全面撤回を求めるとともに歴史を歪曲し事実を捻じ曲げる発言をつづけていることについて直ちに謝罪すべきです。

村山談話の全文は下記をご参照ください。 
 http://www.mofa.go.jp/MOFAJ/press/danwa/07/dmu_0815.html
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抗議します。「そんなの関係ねぇ」発言の航空自衛隊幕僚長が日本の侵略戦争は濡れ衣論文を糾弾

2008-11-01 12:43:58 | アピール
 10月31日、ノーベル賞作家の大江健三郎さんの著書「沖縄ノート」をめぐる名誉毀損訴訟で、第二審の大阪高裁も一審大阪地裁判決を支持し、アジア太平洋戦争における沖縄での集団自決について旧日本軍の関与を認める判決を下しました。
 判決では「「軍官民共生共死の一体化」の方針の下で軍が深く関わったことは否定できず、これを総体としての日本軍の強制や命令と評価する見解もあり得る」と認定しています。あの教科書検定の大騒ぎ(2006年度)は一体、何だったのでしょうか。「日本軍に強いられた」との記載を軒並み削らせたのですから。沖縄県民の怒りが裁判所も突き動かしたのだと思います。
 一方で31日、アパグループの懸賞論文で航空自衛隊の航空幕僚長が「日本は侵略国家というのはぬれぎぬ」「日本政府と日本軍の努力で(満州や朝鮮半島の)現地の人々は圧制から解放され生活水準も大幅に向上した」など仰天する内容の論文を応募し、優秀賞に選ばれていたというニュースが流れました。政府はこの航空幕僚長の発言は政府見解と異なるとして更迭を決めた、との報道もあわせて報じられました。しかし、ことは政府見解を否定するから云々というレベルの話ではないと思われます。現職の自衛隊トップがこのような歴史観を持っていたということ事態が問われます。新聞報道に寄れば「武器使用の緩和」や「集団的自衛権」についても論じているとのことで、シビリアンコントロールの観点からも大問題です。
 まあ、このような論文を優秀賞とする審査そのものも問われると思いますが、現職の自衛隊トップの認識が明らかになったことの問題は大きいでしょう。
 イラクへの航空自衛隊の派遣は憲法違反との違憲訴訟で、名古屋高等裁判所は2008年4月17日、「現在イラクにおいて行なわれている航空自衛隊の空輸活動は、(中略)武力行使を禁止したイラク特措法2条2項、活動地域を非戦闘地域に限定した同条3項に違反し、かつ、憲法9条1項に違反する活動を含んでいることが認められる」とする画期的な違憲判決を下しています。その時、航空自衛隊幹部は「純真な隊員には心を傷つけられた人もいるかもしれないが、私が心境を代弁すれば大多数は『そんなの関係ねえ』という状況だ」と発言しています。
 今回、論文を発表したのは、この「そんなの関係ねえ」と発言した田母神俊雄幕僚長その人です。
 当時も仰天発言でしたが、この前例からしても、法治国家としての意味を全く理解していない幹部を自衛隊トップにすえていること事態が問題です。
 私たち平和を求め、かつての日本が引き起こしたアジア太平洋戦争の戦争責任そしてアジアの中で共生していくためにこそ私たちの歴史認識を問うていく立場から今回の発言は全く許すことが出来ません。
 わたしたち市民は、更迭でなく即刻解任を求めます。このような゜考えの持ち主に自衛隊トップを委ねるわけにはいきません。
 「沖縄ノート」訴訟判決の日にこのような論文が優秀賞として表彰される滑稽さについても世に問うていきたいと思っています。

                       11月1日
                       多摩平和イベント実行委員会




 
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