多摩平和イベント実行委員会

多摩の市民グループが「戦後60年」を契機に地域の視点から、「戦後」「平和」「民主主義」を考える

小泉首相の8.15靖国参拝に断固、抗議する

2006-08-15 21:07:08 | 靖国


小泉首相の8.15靖国参拝に断固、抗議する

小泉さん。あなたは、「公約は守っても批判される」「守らなくても批判される」「いつ行っても批判される。いつ行っても同じ」「日本の首相がどこの施設を参拝しようが、批判されるいわれはない」と、言い放ち、自分が自民党総裁選挙に立候補した際の公約を実現するとして、ついに靖国神社への参拝を本日(8月15日)早朝、強行しましたね。
 小泉さん。あなたは、靖国神社がどのような歴史と背景を持つ神社か、そして神として祀られているのが、どのような人々なのか、ご存じなのですよね。
私たちは、先の戦争で亡くなった多くの犠牲者に、国として、個人として哀悼の意を表し、再び、このような惨禍を繰り返さない、との決意を新たにする機会は当然あるべきと思います。しかし、それは「靖国神社」ではないはずです。
日本は、かつて軍事力を背景にアジア各国を侵略したのではありませんか。しかも、満州事変や盧溝橋事件のように当時の関東軍が、意図的に戦争を引き起こしたのではなかったのですか。自衛のための戦争なんかではありませんでした。後のABCD包囲陣とは、このような日本の帝国主義的行為から列強が対抗策として編み出したのであって、日本がこのような帝国主義政策をとらなければ、別の展開がありえたはずです。
「靖国神社」は明治2年に明治新政府によって天皇のもとに戦った、いわば官軍に従軍した兵士たちを祀ることから、歴史の幕を開けました。その後、陸軍と海軍の直轄の神社となり、国威発揚と国家への忠誠心を確認する場となり、死を覚悟し、戦う兵士たちの「靖国で会おう」との精神的支柱として機能・発展していったのは歴史的事実です。国家神道と軍部の統帥権の最高権能者としての天皇があったからこそ、天皇を楯に軍部の独走を許し、彼らにとって都合のよい「国体護持」のまさにその象徴が「靖国神社」でした。
 今でも「靖国神社」の時計の針は戦前のまま、止まっています。靖国神社の戦争博物館のような「遊就館」を見れば、そのことは明らかです。東京裁判史観は間違っているとし、あの戦争はアジア解放の正しい戦争、つまり聖戦だったとの位置づけをはっきりとうたっています。
 このような「靖国神社」に日本の首相が参拝することは、多くの平和を希求する日本の市民の意思を無視したものであり、政教分離は勿論のこと平和憲法を持つ、日本の国是に違反するものと考えます。
 小泉さん。あなたは、アジアの多くの人々の気持ちを踏みにじっただけでなく、心ある日本の多くの市民の声に耳を傾けず、自らの「心の声」のみに支配された独裁者としてふるまったのです。私たちは、あなたのとった暴挙を断じて許しません。

                2006/08/15 多摩平和イベント実行委員会

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小泉首相は靖国参拝を思いとどまるべきだ

2006-08-14 00:52:36 | 靖国

「あんにょん サヨナラ」の上映イベントは、第一部には200人を越える皆さんが、第2部には約100人近くの皆さんが来訪していただきました。会場は固定席が144席程度の会場でしたので、特に第一部にお越しいただいた皆さんにはご不自由をおかけしました。各方面でのチケット販売、ネットでの宣伝、当日のお手伝い、さらには、朝日、毎日やタウン誌などをお読みいただきかけつけていただいた多くの皆様に感謝いたします。当日お書きいただいたアンケートには、本当に多くの方々の熱き思いが詰まっており、開催した側も映画を製作した監督も感謝の気持ちでいっぱいです。
 当実行委員会としての「戦後60年」への思い、さらには映画を制作する側と私たち聴衆とのコラボーレーションにも寄与できたのではないかと思います。

映画をご覧になった皆さんから、いずれも、「あんにょん サヨナラ」を見ることができ、良かったという内容ばかりでした。「昭和天皇、A級戦犯合祀に不快感」という報道もあり、いやがうえにも小泉首相の8.15靖国参拝も必死との中で、多くの方々がやる場のない怒りを共有しようと会場に来られたのだと思います。
 日本軍として戦った韓国軍人・軍属の人々の靖国神社とニッポンへの激しい怒り。それは、戦後補償がないことや遺族の知らない間に、靖国神社に国家の英霊として祀られ、神としてあがめられていることへの驚きさらに主役のイ・ヒジャさんの父の名前を韓国の地の墓誌名に返してほしいとの思い。映画は、これらの描写を韓国と日本の若者たちの視線で実に丁寧に作られており、そのことへの共感がアンケートにも多く、書き綴られていました。「靖国神社とは何か」「靖国神社の本質が良くわかった」「日本に戦後ない、靖国神社がある限り、戦争は終わっていない」「小泉首相が靖国参拝にこだわる理由がわからない、この映画を見て目を覚ましてほしい」。もうすぐ、8月15日。小泉首相あなたに世界中の人々が注目しています。勇気を持って参拝をやめてほしい。それが「私たちの心」です。
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小泉首相、靖国参拝強行か 遅すぎる朝鮮出身B,C級戦犯の名誉回復

2006-08-10 23:55:48 | 靖国

 新聞報道によれば、小泉首相は10日朝、モンゴル訪問のため出発した際、記者団の質問に、靖国神社参拝は、「(8月)15日だろうが4月だろうが10月だろうが1月だろうが、いつ行っても批判してんじゃないですか。いつ行っても同じです。」と述べ、自民党総裁選での公約だった15日の靖国神社参拝に重ねて意欲を示したとのこと。しかし、英霊に真摯に哀悼の意を表したい、ということからすれば。この発言は、あまりに軽率すぎる。

 さて、今日の朝日新聞夕刊の「ニッポン人・脈・記」に韓国政府が日本軍として徴用され、B,C級戦犯として戦争犯罪に問われた人々を「日本の強制動員の被害者」と認定し、名誉回復をはかった、との記述があった。捕虜虐待の罪で問われた朝鮮出身の軍人・軍属は相当数、いたと言われている。ようやく、その事実に向き合い、戦後60年たって韓国政府は、名誉回復に乗り出した。しかし、日本政府は、彼らB,C級戦犯への補償と謝罪は依然として頑なに拒んでいる。日本軍として戦ったというのに。
 多摩市の恵泉女学園大学で教鞭をとられている内海愛子さんは、戦後補償に取り組む中で、彼ら朝鮮出身の元戦犯たちに対し、日本政府の補償を求め、共に運動してきた。記事は、ようやく名誉回復を果たした朝鮮出身の戦犯たちの祝いの席を内海さんが設けた、と記述していた。
 小泉首相が、靖国神社に何を求め、参拝するのか、「心の問題」で逃げるには、あまりに重すぎる。靖国神社は、本欄でも、重ねて記述しているが、あくまで、日本の海軍と陸軍とが管理してきた、神社であり、天皇の軍隊として戦った戦死者を祀った神社である。本人はもとより遺族のの同意をえず、日本政府と靖国神社が一体となって、合祀名簿を靖国神社に送り続けてきた。国家神道が途絶えたというのに。しかし、朝鮮出身の軍人・軍属は神として勝手に祀られても、日本政府は真正面から彼らに向き合うことはなかった。あまりに都合よすぎる。

 8月12日(土)多摩市永山公民館で映画「あんにょん サヨナラ」を上映します。是非多くの皆さんに見ていただきたいと思います。
http://taenoha.com/tamaheiwa

小泉首相の靖国神社参拝にもの申すキャンドルでもが11日から行われます。詳しくは下記サイトを覗いてみてください。
http://www.peacecandle.jp/peacecandle_j/_common/pc_j.htm
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靖国神社は、天皇のため死んだ人々の顕彰施設ではないのか

2006-08-09 22:52:10 | 靖国
 
小泉純一郎首相の一言、気になることばかりだが、今回の一言はどうしてくれよう。
「それぞれ人の思いがあるから、私がどうこう言う問題じゃない。それぞれの心の問題だから。参拝されてもいいし、しなくてもいいし。自由ですから」
そして、自身の参拝への影響は、「これはありません。それぞれの人の思いですから。心の問題ですから。強制するものでもないし、あの人が、あの方が行かれたからとか、良いとか悪いとかいう問題でもないと思う」
何度聞きなおしてもひっかかる。小泉首相は総裁選で8月15日に靖国神社に参拝すると公約し、「いまでも、公約は公約」とくったくがない。メディアが慣用句として使う、中国や韓国に、どう言われるかは問題ではない。「靖国神社」に参拝することが、首相の言う「二度と戦争をしないという誓いのために英霊に哀悼の誠をささげる」ということになるか、という点に焦点は、絞られるように思う。
先日、安倍官房長官が、隠密裏に靖国神社に参拝していたことが明らかになった。玉串拝礼をしたというから、賽銭箱にチャリンといれ、一礼するのとはわけが違う。しかも、早朝、靖国神社・神主にお願いし、玉串を奉納し、おそらく二拝二拍手一拝の作法で拝礼したに違いない。内閣官房長官と記名し、参拝したというから、憲法20条の「国及びその機関は宗教教育その他いかなる宗教的行事もしてはならない」という規定に明らかに抵触する。確信犯ではないか。
百歩譲って「戦没者に哀悼の意を表する、それがなぜ悪いのか」「心の問題は、ひとそれぞれ」と言われたとしても、一国のリーダーがとるべき行為かどうか、冷静に考える必要がある。確かに、今は戦前の国家神道の時代ではない。しかし、日の丸・君が代の強制やイラクへの自衛隊派遣など、いやがうえにもナショナリズムが高まる仕掛けが随所に表出している時代である。そのような時、首相や官房長官が記名し、さらに国会議員が集団で正々堂々と参拝することは、それを見る人々に、再び、国家(天皇)のために命をささげる、という感性を是とする意識を植え付けることになる。
「靖国神社」は「伊勢神宮」や「太宰府天満宮」など多くの八百万の神を祭っている神社とは本質的に違う。「合格祈願」や「商売繁盛」を祈願し、絵馬を奉納する世の中の「神社」とは明確に違うのである。
 そもそも、「靖国神社」は、1869年(明治2年)、「東京招魂社」として設立される。「勝てば官軍」と言われた官軍側の犠牲者を祀ったのがその始まり。新撰組は勿論のこと、幕府軍の犠牲者は一切、祀られていない。西郷隆盛との西南戦争後、天皇に直結する「別格官幣社」として、その存在を明確にする。官軍とは、薩摩・長州の軍を指してその総称として言っているだけではない。天皇親政、天皇統治のために戦い、尽くした人に天皇として礼を尽くすための神社として誕生したのである。高橋哲也氏(大学教員)は「靖国神社は天皇の軍隊の戦争だけを正義の戦争だと考えて、そのために死んだ兵士だけを英霊として祀るということになった」と説明する。「靖国の妻」「靖国の母」「靖国の遺児」という言葉の意味は、天皇のため、戦い死んだ人々の犠牲を喜び、天皇中心の国体を維持するための、精神的高揚をはかるものだった。高橋哲也氏はこの仕組みを「国民精神総動員」と定義づける。
 「靖国神社」に参拝者用の見学施設として「遊就館」が作られているが、この施設は、天皇のために戦ってきた日本の歴史を肯定し、過去の侵略戦争を、まさに聖戦として位置づけ、宣伝している施設でもある。
このように国家神道が解体された今日、国家神道が亡霊のごとく蘇った「靖国神社」に祀られること、参拝することが、「二度と戦争をしない」という誓いになるのだろうか。ここ数週間、「靖国神社」を特殊法人化する、無宗教化し、A級戦犯を分祀するというような提案が一部の政治家から出ているが、天皇のために戦った歴史を肯定し、聖戦とするような「靖国神社」に、このような提案は現実的にありうるのだろうか。
「靖国神社は追悼施設ではなく顕彰施設。つまり天皇のために死んだ人を褒め称えるための装置。施設であって、実は戦死者の死を悼むための施設ではない」(高橋哲也氏)のだから。



映画「あんにょん サヨナラ」上映会

日時 8月12日(土)午後2時半、6時の2回上映
      加藤久美子共同監督の講演あり。
      前売り大人1000円18歳以下500円
場所 多摩市立永山公民館ホール(京王線・小田急線永山駅下車)

 日本軍に徴用され、中国で戦死した父を持つ韓国在住のイ・ヒジャさん。映画は彼女が、父の死を90年代に入ってから知るところから始まる。父は遺族の知らないうちに日本政府の手により靖国神社に合祀されていた。彼女は、靖国神社から父を取り戻すべく、闘いをはじめる。父の足跡を追う旅にもでる。
「父の名前をかえしてほしい」と。

主催 多摩平和イベント実行委員会
後援 多摩市教育委員会

お申し込みは下記ホームページまで。
http://taenoha.com/tamaheiwa


 
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靖国問題は、映画「あんにょん サヨナラ」から

2006-08-03 00:24:56 | 靖国
 
8月に入りました。今年もいろいろな意味で暑い夏となりそうです。昨日の新聞に、「靖国神社に合祀(ごうし)された台湾人を含む元軍人らの遺族が、同意なしに故人を『英霊』として靖国神社に祭るのは遺族の人格権の侵害だ、として、靖国神社に合祀取り消しなどを求める訴訟を大阪地裁に起こすことを1日までに決めた。11日に提訴する」との報道がありました。新聞報道では、「原告側代理人によると、合祀取り消しを靖国神社に直接求める訴訟は全国初。東京や沖縄の遺族も提訴を検討している」と紹介しています。映画「あんにょん サヨナラ」に出演しているイ・ヒジャさんも遺族訴訟の原告人として、韓国人の元軍人・軍属の遺族として国に靖国神社の合祀をめぐり、損害賠償を求めましたが、東京地裁は5月、「合祀は靖国神社の判断」として請求を棄却しました。靖国神社を相手取った今回の訴訟の原告は、旧日本軍に徴用された台湾人の親族ら遺族約10人とのことです。

 また、東京裁判でA級戦犯として起訴、処刑された広田弘毅元首相が靖国神社に合祀(ごうし)されていることについて、孫の元会社役員、弘太郎氏(67)が朝日新聞の取材に応じ、「広田家として合祀に合意した覚えはないと考えている」と、元首相の靖国合祀に反対の立場であることを明らかにしたとの報道もあります。報道によれば、A級戦犯が合祀された78年当時について、弘太郎氏は「合意した覚えはない。今も靖国神社に祖父が祀(まつ)られているとは考えていない」と話しているとのことです。

 1978年まで、旧厚生省は、戦没者名簿を靖国神社に送致し、靖国神社は、遺族の合意を得ることはなく、合祀してきました。太平洋戦争で戦死した台湾先住民の遺族らが「無断で祀るのは民族の意思に反する」として合祀取り下げを求めたこともありましたが、当時、靖国神社は「神として祀った霊を分けることはできない」と断ったということもありました。


 多摩平和イベント実行委員会は、今年も「戦後60年」にこだわり、8月12日に多摩の永山ホールで靖国問題を日韓の若者たちの視点で制作した「あんにょん サヨナラ」を上映します。8月15日に、小泉首相は靖国参拝を行うのか、「昭和天皇、A級戦犯合祀に不快感」との故富田宮内庁長官のメモ報道もあり、否応なく靖国問題に世論の関心は集まっています。取っつきにくい靖国問題を理解するには、好都合の一作です。タイミングとしても、またとない機会ですので、多くの方に是非見ていただきたい作品です。よろしくお願いいたします。東京地区では、この時期、唯一の上映となります。


映画「あんにょん サヨナラ」上映会

日時 8月12日(土)午後2時半、6時の2回上映
      加藤久美子共同監督の講演あり。
      前売り大人1000円18歳以下500円
場所 多摩市立永山公民館ホール(京王線・小田急線永山駅下車)

 日本軍に徴用され、中国で戦死した父を持つ韓国在住のイ・ヒジャさん。映画は彼女が、父の死を90年代に入ってから知るところから始まる。父は遺族の知らないうちに日本政府の手により靖国神社に合祀されていた。彼女は、靖国神社から父を取り戻すべく、闘いをはじめる。父の足跡を追う旅にもでる。
「父の名前をかえしてほしい」と。

主催 多摩平和イベント実行委員会
後援 多摩市教育委員会

お申し込みは下記ホームページまで。
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首相の靖国参拝に反対論強まる

2006-07-26 00:49:48 | 靖国
 7月25日付朝日新聞は、次期首相の靖国神社参拝の是非を聞いた全国世論調査で、「靖国神社への参拝はしない方がよい」との反対が増え、60%を占め、賛成の20%を大きく上回った、との調査結果を明らかにしました。「昭和天皇の合祀不快感」の報道が世論に影響を与えたようです。
 戦争を体験した人々の高齢化に伴い、日本がアジア太平洋でそれぞれの国や民族に残した戦争の傷跡に関する記憶は彼方のものになりつつあります。しかし、日本がもたらした「傷跡」は、戦後60年を経過した今でもアジアの人々の脳裏に刻まれています。加害者の側では、風化していても被害を受けた国では、人々の記憶に受け継がれているのです。昭和天皇の発言をメモしていた故富田宮内庁長官によれば、教科書問題など、アジアと日本との波風が高いことに深い憂慮の念を持ったようです。
 さて、靖国神社がどのような神社だったのか。
日本と韓国との若者たちが、丁寧な取材で靖国の実像を明らかにしていきます。
映画「あんにょん サヨナラ」は、その実態を見事に描いています。
8月12日(土)にベルブ永山ホールで上映します。
是非、お集まりください。ご覧ください。
ポレポレ東中野での上映は終わっていますので、東京地区で唯一の上映となります。

お申し込みは下記まで
http://taenoha.com/tamaheiwa

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「昭和天皇 靖国合祀に不快感」

2006-07-21 00:42:22 | 靖国
 今朝の日本経済新聞が放った「A級戦犯 靖国合祀 昭和天皇が不快感」というスクープは各メディアや政治を含め日本列島をかけめぐりました。言うまでもなく、秒読みに入った小泉首相の8.15靖国参拝など靖国神社問題がクローズアップされていた矢先のまさにビックニュース。
 靖国神社と日本政府との関係は、日本が戦後の新しい時代を迎えてからも続きます。靖国神社はもともと、陸軍省と海軍省とが設立した、まさに軍神の神社でした。しかし、戦争が終わってからも、遺族補償を担ってきた厚生省は、戦死した軍人・軍属の合祀名簿を靖国神社に手渡してきました。靖国神社は、1966年、A級戦犯を含む名簿が渡されていながら、1978年まで合祀を延ばします。その話は事実として、これまでも公にされてきました。今回の故富田宮内庁長官のメモは、昭和天皇自身が靖国神社が1978年にA級戦犯を合祀したことに強い不快感を抱いていたことを示す貴重な資料と言えます。
 大東亜戦争と表記し、あの戦争は聖戦だった美化する現在の「靖国神社」。天皇は、その靖国神社がA級戦犯の合祀に動き出したところで参拝をとりやめる、この歴史的事実の持つ重みは大きいでしょう。
 
 改めて「靖国神社」とは何なのか、日本と韓国の若者たちが戦後60年企画として制作した映画「あんにょん サヨナラ」は、その真実を事実を追う中で明らかにしてくれます。
 多摩平和イベント実行委員会は、8月12日(土)に、一人の韓国に住む韓国人遺族の目を通し、日本の戦争責任と靖国神社の真相に迫る。この映画を上映します。場所は多摩市永山公民館(京王線・小田急線永山駅下車)です。

お申し込みは下記まで。

http://taenoha.com/tamaheiwa


◆富田朝彦元宮内庁長官のメモに関する小泉純一郎首相と記者団とのやりとり
――どう受け止めるか。
 ◇これは心の問題だから、陛下(昭和天皇)もさまざまな思いがおありだったと思う。
――合祀後、天皇が参拝していないが。
 ◇それぞれ人の思いがあるから、私がどうこう言う問題じゃない。
――天皇が参拝できる状況の方がいいのでは。
 ◇それぞれの心の問題だから。参拝されてもいいし、しなくてもいいし。自由ですから。
――追悼施設としてどのようなものが理想的か。
 ◇なかなか結論が見えにくい。
――首相自身の参拝に影響があるか。
 ◇これはありません。それぞれの人の思いですから。心の問題ですから。強制するものでもないし、あの人が、あの方が行かれたからとか、良いとか悪いとかいう問題でもないと思う。
――これからも行くか。
 ◇心の問題ですから。行ってもいいし、行かなくてもいいし、誰でも自由ですね。
――A級戦犯分祀に対する考えは。
 ◇一宗教法人に対して、あああるべきだ、こうあるべきだと政府としては言わないほうがいい。議論は結構です。(7月20日『毎日新聞』)

 何ともイヤハヤ。

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イ・ヒジャさんの思い。なぜ、靖国神社の合祀に反対するのか。

2006-07-10 01:43:16 | 靖国

 8日の「イ・ヒジャさんとの交流会」は、予想を上回る皆さんにご参加いただき、急な企画ではありましたが、やってよかったと心底思っています。ご協力に感謝いたします。TAMA女性センターとの共催として、今回の企画は「一人の女性の生き方として」という視点も内包した効果は十分あったと思っています。最大限24人位しか入らないワークショップルームに何と40人近くの方々に入っていただきました。会場内はイさん一言一言を聞き逃すまいと、特に後半の平和遺族会の方の発言時には涙を抑えられない方々もおられたと思います。

 当日は、水車村の紅茶やお菓子も用意しました。とにかく大勢の皆さんのご協力に感謝、感謝です。

 イさんは、なぜ、「あんにょん サヨナラ」を制作するようになったのか、なぜ、父の靖国合祀にこだわるようになったのか、本当に丁寧にお話いただきました。日本に併合された国に育ちながら日本軍として徴用され、日本軍として中国で戦い、戦死したイさんの父。しかし、日本政府は、韓国に住む遺族には何の通知もせず、遺族が戦死の経緯など詳細を知ったのは1990年代に入ってから。しかも、韓国政府から戦死と知らされたのは、1973年。日本政府の公式記録の「軍人軍属名簿」の「写し」が届き、父の欄に「合祀済」の判がおしてあることを知ったのは1996年。合祀していたのは1959年6月だったということが、その時、はじめて分かったのです。

 イさんは「強制的に徴用されたにも関わらず、遺族には外国人だからと戦死したことを知らせず、しかし、靖国には勝手に合祀し、靖国神社は神となったと説明し、神となった者の取り下げはできない、と強弁する」と憤りを話してくれました。
 日本政府は、戦没者名簿を整理するたび、靖国神社に旧日本軍の陸軍、海軍など所属部隊を記載した名簿を通知してきました。イさんは、「戦争を遂行するための陸軍と海軍の軍隊の神社として建てられ、戦死したもののみ、日本政府から通知を受け、神として祭るということは、一宗教法人の靖国神社と日本国政府は、戦争が終わった後も、一体として機能していることを示している、として、神道を信仰しない人々に対する侮辱」と厳しく日本政府の名簿提出を叱責します。

 それが、イさんら韓国に住む旧日本軍人・軍属の遺族らによる「合祀取りやめ訴訟」でした。しかし、今年の5月26日、東京地裁は、「国による戦没者通知は、原告に具体的不利益を強要するみものではない」として原告の請求は棄却されます。



 映画「あんにょん サヨナラ」には、イさんの父の足跡を求める旅が描かれています。
 8月12日(土)に、多くの皆さんに、この映画を是非、見ていただきたいと思います。

改めてイさんの話を聞き、その意を強くしました。

 チケット、頑張って売りましょう。満席にすることで、イさんの気持ちに少しでも近づきたいと思います。

映画のサイトは下記のアドレスです。

http://taenoha.com/tamaheiwa
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「あんにょん サヨナラ」多摩上映会のご案内

2006-07-05 00:08:33 | 靖国

今年は「あんにょん サヨナラ」を上映します

                     多摩平和イベント実行委員会

8月12日(土)午後、東京都多摩市のベルブ永山(京王相模原線永山駅下車)で、「あんにょん サヨナラ」の上映会を行います。監督の加藤さんの講演もあわせて行います。

 2005年6月に東京は多摩の地で産声をあげた、私たち、「多摩平和イベント実行委員会」は、昨年8月、イラク戦争の実態を実写フィルムでまとめたフォトジャーナリスト綿井健陽さん監督の「リトルバーズ」を上映しました。大手メディアが報道しきれなかった、イラクで起きた事実、結局、大量破壊兵器は見つからず、宗派戦争や憎悪だけが拡散し、民衆の苦しみが広がっている状況を共有する契機となったと思います。
 「戦後60年」をどう捉えるか。私たちは、今年も日本の戦争責任にこだわり、特に小泉純一郎首相が断固として、それも8月15日に参拝する夢を果したいとしている「靖国神社」とは何か。戦争を知らない世代としてその真相に迫ってみたいと考えました。
「あんにょん サヨナラ」は、韓国で日本軍に徴用され、中国で戦死した、韓国人遺族の叫びを日本に住む日本の友人の目を通して描いた作品です。遺族の知らないうちに「靖国神社」に神として合祀されている事実。戦争体験のない日本と韓国の若い世代が、イ・ヒジャさんの父を求める旅を追います。日韓両国は、どうやって過去に向き合うべきか。「父の名前を返してほしい」というイ・ヒジャさんの願い。韓国の墓石にアポジの名前を彫れるその日まで。
映画は、争いを越えて真の友人となるための方法を探っていきます。

 是非、多くの方に見ていただきたい作品です。なお、共同監督の加藤久美子さんの講演もあわせて行います。

※「あんにょん」はハングルで「こんにちは」と「さようなら」の二つの意味があります。「対立と争いよ、サヨナラ。和解と未来よ、こんにちは。」という意味が込められています。


多摩平和イベント実行委員会は「戦後60年」の2005年6月に「平和」「憲法」「民主主義」を改めて地域と市民の視点から見つめなおそうと、生協活動や平和問題、PTAや自治会活動など多摩で活動している市民によって結成されたグループです。一緒に活動しませんか。いつでも連絡をお待ちしています。

Eメール peace@60mail.goo.ne.jp
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7.8  日韓交流の夕べ イ・ヒジャさんと語る

2006-07-01 00:26:04 | 靖国
7.8  イ・ヒジャさんと語る
日韓の過去と未来--父の名前を返して

 多摩平和イベント実行委員会では映画「あんにょん サヨナラ」の上映に先立ち、映画の宣伝を兼ね、韓国から来日された映画の主役であるイ・ヒジャさんを招き、交流会を開催します。

 李熙子(イ・ヒジャ)さんは、父を知らずに育ちました。父は彼女が1歳の時に、日本軍に徴用され、中国で戦死しました。しかし、日本政府から、何の通知もなく、彼女が父の死の詳細を知るのは90年代に入ってからでした。その上、遺族の知らないうちに靖国神社に合祀されていることが判明します。昨年、完成した日韓ドキュメンタリー映画「あんにょん サヨナラ」は、彼女の願いと、靖国神社の持つ意味を日韓の戦争を知らない若い世代が取材した作品です。名前のない墓石にアボジの名前を彫れるその日までー。イ・ヒジャさんにとって戦争は過去のものではありません。今も続いているのです。一人の女性としての生き方を含め、彼女と共に語り合いましょう。

共 催 多摩市立TAMA女性センター
     多摩平和イベント実行委員会平和と女性部会
日 時 7月8日(土)午後6時30分
場 所 TAMA女性センター/ワークショップルーム
(ヴィータ・コミューネ7階)京王線聖蹟桜ヶ丘駅下車徒歩3分
ゲスト イ・ヒジャさん(韓国在住)
連絡先 042-355-2110(TAMA女性センター)

<これからの関連活動情報>

映画「あんにょん サヨナラ」を上映。加藤久美子共同監督の話もあります。
8月12日(土) 午後2時、5時半の2回。ベルブ永山ホール(京王線永山駅下車)
主催 多摩平和イベント実行委員会(前売1000円、当日1200円)
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