多摩平和イベント実行委員会

多摩の市民グループが「戦後60年」を契機に地域の視点から、「戦後」「平和」「民主主義」を考える

靖国問題は、映画「あんにょん サヨナラ」から

2006-08-03 00:24:56 | 靖国
 
8月に入りました。今年もいろいろな意味で暑い夏となりそうです。昨日の新聞に、「靖国神社に合祀(ごうし)された台湾人を含む元軍人らの遺族が、同意なしに故人を『英霊』として靖国神社に祭るのは遺族の人格権の侵害だ、として、靖国神社に合祀取り消しなどを求める訴訟を大阪地裁に起こすことを1日までに決めた。11日に提訴する」との報道がありました。新聞報道では、「原告側代理人によると、合祀取り消しを靖国神社に直接求める訴訟は全国初。東京や沖縄の遺族も提訴を検討している」と紹介しています。映画「あんにょん サヨナラ」に出演しているイ・ヒジャさんも遺族訴訟の原告人として、韓国人の元軍人・軍属の遺族として国に靖国神社の合祀をめぐり、損害賠償を求めましたが、東京地裁は5月、「合祀は靖国神社の判断」として請求を棄却しました。靖国神社を相手取った今回の訴訟の原告は、旧日本軍に徴用された台湾人の親族ら遺族約10人とのことです。

 また、東京裁判でA級戦犯として起訴、処刑された広田弘毅元首相が靖国神社に合祀(ごうし)されていることについて、孫の元会社役員、弘太郎氏(67)が朝日新聞の取材に応じ、「広田家として合祀に合意した覚えはないと考えている」と、元首相の靖国合祀に反対の立場であることを明らかにしたとの報道もあります。報道によれば、A級戦犯が合祀された78年当時について、弘太郎氏は「合意した覚えはない。今も靖国神社に祖父が祀(まつ)られているとは考えていない」と話しているとのことです。

 1978年まで、旧厚生省は、戦没者名簿を靖国神社に送致し、靖国神社は、遺族の合意を得ることはなく、合祀してきました。太平洋戦争で戦死した台湾先住民の遺族らが「無断で祀るのは民族の意思に反する」として合祀取り下げを求めたこともありましたが、当時、靖国神社は「神として祀った霊を分けることはできない」と断ったということもありました。


 多摩平和イベント実行委員会は、今年も「戦後60年」にこだわり、8月12日に多摩の永山ホールで靖国問題を日韓の若者たちの視点で制作した「あんにょん サヨナラ」を上映します。8月15日に、小泉首相は靖国参拝を行うのか、「昭和天皇、A級戦犯合祀に不快感」との故富田宮内庁長官のメモ報道もあり、否応なく靖国問題に世論の関心は集まっています。取っつきにくい靖国問題を理解するには、好都合の一作です。タイミングとしても、またとない機会ですので、多くの方に是非見ていただきたい作品です。よろしくお願いいたします。東京地区では、この時期、唯一の上映となります。


映画「あんにょん サヨナラ」上映会

日時 8月12日(土)午後2時半、6時の2回上映
      加藤久美子共同監督の講演あり。
      前売り大人1000円18歳以下500円
場所 多摩市立永山公民館ホール(京王線・小田急線永山駅下車)

 日本軍に徴用され、中国で戦死した父を持つ韓国在住のイ・ヒジャさん。映画は彼女が、父の死を90年代に入ってから知るところから始まる。父は遺族の知らないうちに日本政府の手により靖国神社に合祀されていた。彼女は、靖国神社から父を取り戻すべく、闘いをはじめる。父の足跡を追う旅にもでる。
「父の名前をかえしてほしい」と。

主催 多摩平和イベント実行委員会
後援 多摩市教育委員会

お申し込みは下記ホームページまで。
http://taenoha.com/tamaheiwa

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