中国貴州省で日本語教師

2007年春~2009年春、青年海外協力隊

客寄せパンダ

2007年09月13日 | Weblog

先日、入学式があった。
学食と学生寮の間には、新入生を勧誘する様々なテントが並ぶ。

イトーヨーカ堂は日本で見るときは、ただのヨーカ堂なので視界に入ってもなんとも思わないのだけど、北京では数も少ないし、地元民から高級デパートと見なされていた。買いたい物があった私は、わざわざタクシーで乗りつけた。成都でヨーカ堂を見つけた時は、旅行の途中にもかかわらず、買い物に寄った。

ここでネイティブ日本語教師をやることは、そんなヨーカ堂さんと同じことだと思う。

「日本語学部に入ったんだって?じゃあ、もう日本人と会話できるのか?つーか、貴州省で日本人を見たことないけど、おまえ日本人と交流したことがあんの?」
「あるよ、もちろん。うちの大学じゃ、日本人の先生が日本語を教えているんだぜ」
「へー、その日本人先生は、中国語を話すのか?」
「いや、授業は全部日本語だよ(えっへん)」
「すげー、日本人の先生の授業で、ずっと、日本語で意味が分かるのか?」
「だいたいな(えっへん)」
「で、どうなの、その日本人先生は」
「うん、やっぱさ、生の日本語は、中国人先生とぜんぜん発音が違うよ!」
「まじで?」
「たとえば先生が物を落としたときにさ、「おっと」って言ったぜ。それにさ、驚いたときにアアー!?じゃなくて、ええー!?って言うんだ」
「おー!やっぱり日本人なんだな。すげえ」

学生が高校時代の友人と話をする時に、こんな会話がかわされているんじゃないかなーと、想像している。はい、ただの想像ですが。

今日は作文の授業の合間に、10分間だけ授業を抜けるよう言われ、新入生の前で紹介された。常々、ネイティブ教師としての自分は、客寄せパンダだと思っているので、客寄せパンダらしくあいさつをする。中国語を少し交えるだけで、数百人の拍手喝采を浴びることができるのは外国人ならではの特典なのだ。フレッシュマンの前で挨拶させてもらえて嬉しかった。

教室に戻ると、また、日本の学習塾で小学生に作文を、高校生に小論文を指導したことを学生に熱く語る、燃える塾講師の自分に戻った。

午後になると、日本の大学院に留学する同僚から、入学金免除書類の文章添削を頼まれた。院生時代にいやいやながら各学期ごとに授業料免除申請書を書いた経験が、こんなところで役にたつとは・・・と遠い目になってしまったが、貧困の大学院生先輩代表として先輩ぶってアドバイスした。

でも、やっぱり自分の一番重要かつ得意な仕事は客寄せパンダなんじゃないかと、勝手に思って楽しんでいる。



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