愚ダメ記、真誤付き、思い津記

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ペロブスカイト型太陽電池

2022-09-24 | 日記
「非常に薄くてフレキシブル、さらに発電効率もアップする」というペロブスカイト型太陽電池・太陽光発電パネルの発明について、テレビ番組で見た。それが日本人研究者による発明だったことは、これまで知らなかった。しかも、その発明は一人の大学院生の思い付きに指導教授がゴーサインを出したことから始まっていた。その時点では、とてもそんな大発明に繋がる研究とは思わなかったそうだが、若い学生の興味とやる気を大切にするという指導姿勢から大きな成果が生まれたということになる。
 日本にもそのような研究室や研究指導者が存在したことに、喜びを感じざるを得ない。とかく、学生は自分の研究の手足としか思わない指導者も多い中で、若い頭脳のひらめきや洞察力、そして研究への意欲を引き出すことが大きな成果を生むと考える「余裕のある」研究室・研究者が残っていることに日本の科学・科学技術への希望を託したい。
 しかし、そのような研究指導が常に大きな発明・発見につながるわけでは無いことを、世の中には理解しておいて欲しい。画期的な発明・発見は、現在の自動的な延長の上ではなく、それから少し外れたところにあることも。現在の延長線の上を叱咤激励して歩かせることだけは、想像できる成果は生むけれども、ある意味、予想通りの結果しか生まない。一方、予想できる成果の延長線から少し外れて進むことは、時として大きな成果を生むが、全く成果を生まないことも多い。世の中全体が、そんな挑戦を後押しする余裕を持っていなければ、予想外の大きな成果を手にする研究は育たないことになる。
 せっかくの日本発のペロブスカイト太陽電池の実用化開発に日本の研究者の参加が少ないと聞いてがっかり、「世界のペロブスカイト太陽電池開発研究者の約半数が中国の研究者」と聞いて、日本と中国の研究開発力、技術の未来志向の大きな差を感じた。かつてアメリカの液晶テレビ開発のテレビ番組を見て驚き、急遽その後を追い、遂に追い越してはるかに先を歩くに至った日本の家電産業の開発者達の伝説は、すでに別の国の話になってしまったようだ。