愚ダメ記、真誤付き、思い津記

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月明り

2022-09-11 | 日記

満月なのか、それに近いのか分からないが、月明りの明るさに誘われベランダに出た。秋の虫も鳴き始めたようだが、コオロギの鳴声が子供の頃に聞いたものとは違っている。

 子供の頃は四国のコオロギ、今は中国地方のコオロギ。場所が違うと種類も違い鳴き声も違って当然なのだが、鳴き声が違うだけで、それがコオロギの鳴声とは分かっていても、何となく、昔感じていたような季節感とは異なって感じられる。

 子供の頃、月の明るい晩に庭に出て月を見上げ、コオロギの声と一緒に月に吸い上げられていくような錯覚を感じ、芝に寝転んでしばらく虫の声に耳を傾けた夜があったことを思い出す。今は二階のベランダに立ち、下の庭の端の草むらから上がって来る虫の声を聞く。

 子供の頃に聞いたのとは種類の違う虫たちの少しずつ違う鳴き声、それは、過ぎた年を隔てて変化した自分の身体や心の違いを季節が教えてくれているように思える。またしばらく年を経た時には、どこでどんな虫の声を自分は聴くのだろうか。

 それは、きっとまた、年が経過したことを私に教えてくれるのだろう、同じ秋でも、いつも「それぞれに違う秋があった」ことを。

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