愚ダメ記、真誤付き、思い津記

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酒蔵紀行

2022-09-10 | 日記

知人の知人の招きで隣の市にある小さな酒蔵を訪ねた。小規模の醸造所内部を見せて貰った後、絞ったばかりで加熱処理をする前の「生酒?」を一口飲ませてくれた。甘くてとろ味があって、実に美味かった。「これを売り出せば良いのに」と思わず一言。

 日持ちしないのなら、ここまで飲みに来る人だけに「持ち帰り禁止(味が変わるから)」で、「帰りの無飲酒の運転手が確保できる人のみ」への販売に。文句は多いだろうが、それが嫌な人は過熱・瓶詰した酒を購入して帰れば良い。それでも十分に美味しいのだから(加熱前のものには遥かに?劣るが)。

 そんな「プレミア付き」の飲み処が隣の市に出来れば、新酒の季節を待つ醍醐味も生まれるというもの。地元の工芸品を愛でるように、地元の出来立ての「そこでしか口にできない地酒」を愉しむ。そんな風に考えていると、昔の人々の暮らしの豊かさが羨ましくなる。

 何しろ、地元の道具や食器を使い、ひと時だけの「季節の花」を愛で、地元の旬の味覚を味わい、地元の料理を肴に地酒の仕上がりを待つ、という暮らしにどっぷりと浸かり、今では味わえない「生きる醍醐味」を満喫することが当たり前だったのだから。

 それに比べれば、ボーナスをつぎ込んで「自分には縁遠い」ブランド品を手に入れてみたところで、背伸びの悲しみを味わう暮らしでしかない。まぁ、若い時にはそんな馬鹿馬鹿しさを飲み込んで腹を下すのも、身体に合わない苦々しさをもがき倒して吐き出すのも、決して悪い体験ではないけれど。

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