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山頂の老人会

2022-09-25 | 日記
山頂のタカ観察は、一種の老人会の集まりとなっている。もちろん、遠くインドネシアまで渡るというタカに魅せられた壮年・若年層の者たちも少々は混じっているが、やはり観察の主力は老人力である。
 鳥を見ようと野山を歩くと、時折は草花やキノコを見る人々に出会うことがある。やはり、その主力は「高齢者」である。日本の自然観察は、かなり多くをそのような「老人力」が支えているのだと分かる。
 しかし、彼らはこの世を憂いて、この世のつながりを避けて自然の中へと逃避しているわけでは無い。皆、この世の人々と深くつながりを持ちつつも、大自然を生きている生き物たちの姿に魅せられて、仕事に追われる現役の者たちが見逃してしまう「自然からのメッセージ」を人間社会へと取り繋ぐ役割を買って出ているのだ。
 この時期に日本各地からこの本州の西端の地から九州へと抜け、中国大陸・東南アジアへと旅立つ数千羽のタカたち。多い日には一日に800羽とか1000羽以上が、同じく西へと向かう新幹線や関門橋のはるか上空を西へ西へと飛んで行くことを、地上で忙しく動き回るほとんどの人々は気付かない。
 西に向かうタカの旅を応援するために山に登り、低く飛ぶタカには「また春には帰って来いよ!」と手を振って声を掛ける。毎年恒例の「山頂の老人会」は、そんなエネルギーに溢れる生き生きとした集まりである。

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