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自動運転車

2022-02-19 | 日記

自動車の自動運転についての番組を見た。「自動運転の技術はここまで進んでいる」というのを宣伝したいというのは、その技術開発に関わる企業や、その技術で企業の利益を拡大しようという側の立場から見れば良く分かる。さらに、日本が自動車の技術開発で後れを取りたくないという政府後押しも手伝って、世論も世界との競争に勝ち抜いて欲しいという方向に傾いているのだろう。

 しかし、実際に自動運転車が少数と言えども市場に出て、路上を走り出しているという状況で、自動運転車の技術進歩だけに焦点を当て、しかも極く特殊と言える状況での「体験乗車の映像」を示して、「やがてはこの様に、どこでも走れる」と安易な解説を加えるのはそろそろやめにしてはどうか。なぜなら、それが「本気で自動運転車を日本の道路事情に導入する気がある」態度とは見えないからだ。

 コマーシャル映像にしても、番組での ” 運転実演 " にしても、車線のラインが明瞭に引いてある自動車専用道路」でのもの。東京付近であるていどの「セレブ?」が楽しみにドライブするならそんな道路だけでも十分なのかも知れないが、実際に庶民が日常生活や仕事で走っている道路の何パーセントが「車線のラインが明瞭で、自動車専用」という道路なのだろうだ、見せられる度に疑問が起きる。

 街中にも郊外にも、道幅の都合でセンターラインが引かれていない対面通行道路はたくさんある。車線が指定されていてもラインは消えかけ、というか所々消えていて推定で走る場面も少なくない。雪が降れば車線も停止線も見えないし、道路脇には物が置かれ、駐車中の車が所々に置かれている。もちろん、不意の飛出し以外にも、前の車が障害物を避ける時の予期せぬはみ出しや不注意による不意の車線変更などもある。ガードレールもない山道や堤防を走る道、道路端がコンクリートで固められてない田んぼの中の道。田舎と都会で道路状況も異なるし、強い雨や霧で視界の悪い道、雨で光る舗装道路や水溜りが連続する道路での運転も日常茶飯事。

 番組で実験をするなら、せめてそんな道路で「自動運転車はどのように走るのか?」を見せて欲しい。もちろん警察に許可を取り、一般車を一時乗り入れ禁止、必要なら通行人だって規制してのことになるとは思うが。本気で自動運転車を作り普及を考えているなら、そろそろそんな、実証映像を見せて欲しいと思う。一般消費者が本気で自動運転車の購入を検討する日が「まだ遠いのか」「思ったより近いのか」、それを知りたい。

 自動運転を取上げる番組を作るなら、そんな庶民の素朴な疑問・欲求に応える番組を作ってはくれないものだろうか。今の所、まだそんな時期では無さそうだ。さらに「もっと高性能に、いろんな場面に対応できるように」という説明は、「センサーを増やし、AIを搭載し・・・」と続く。たくさんのセンサーを備え高性能AIを搭載してかっこよく走る自動運転車がいずれ作られるのだろうが、そんな車が今の庶民向け普通車の値段で買えるようになるだろうか?。聞くだけで自分とは無縁の車と思えるし、(来るとは思えない)将来に道路が自動運転車に完全対応する日が来たとして、所詮安い車しか買えない貧乏庶民にとって「自動運転車」は無縁の車でしかないという気がする。

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