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カーリングと常呂町

2022-02-18 | 日記

冬季五輪での日本女子カーリングチームの決勝進出が決まった。時折り聞こえる北海道弁が青森に住んだ者には津軽弁にも聞こえて懐かしい。いかにも「道産子です」という香りがする楽し気な女性たちは、海外の大柄な人々から見れば「風変わりな少女たち」に見えるかも知れない。そして、今はメンバーも経験・実力も異なるが、彼女たちを見ていると、かつてソルトレークでの冬季五輪に初めて出場した常呂町の選手たちの姿が被ってしまう。

 常呂町という名を知ったのは、ちょうど常呂町でカーリングが盛んになり始めた頃にそれを紹介したテレビ番組でのこと。冬は空地に水を撒けばスケートリンクが出来るという寒い地域で、その寒さを楽しもうと氷上で小さなビール樽をストーンが割に滑らせ草カーリングに興じる大人達の姿が印象に残った。

 インタビューに答えた男性の一人の「行く行くは立派なカーリング場を作って、日本におけるカーリングの中心地にしていくんだ」と言葉を聞いて、なんと大袈裟な夢を語る人だなと笑ったが、まさかそれが本当になるとは。その後、常呂町・カーリングという単語を聞く度に注目していたが、ソルトレーク冬季五輪の時に、何とその小さな町の女子中学生たち仲良しチームが日本代表に成長して五輪に出場するのだと聞き驚いた。

 それ以来、常に女子カーリングの代表チームに常呂町出身のメンバーが居たように記憶する。常呂町は今は市町村合併で北見市となったが、常呂はカーリングと切り離せない名前となった。前回五輪の時に、地元に戻ってカーリングチームを続けた選手たちが再び常呂出身チームとして五輪出場を果たし、「そだねー」で馴染みになった飾り気の無い素朴な言葉でやり取りを重ねて勝ち上がる姿を目にした。

 今回、国内の代表決定戦でも2敗の苦境からの逆転を見せて代表権を掴んだが、五輪の予選でもあと一勝が取れずに他チームとの勝敗率争いでギリギリ通過となった。そして、準決勝は前日の予選最終戦で負けた予選一位の相手との対戦。「またもや銅メダルまでか」と見ていると、何と予選一位通過のチームに2点差で勝ち抜き、決勝進出の快挙となった。

 初めて常呂町の名を知った時の、手作りビール樽ストーンでの草カーリングに興じていた人々の楽しそうな映像が思い出される。あの頃に始まった常呂町のカーリングが、遂に冬季五輪で決勝の舞台に立つまでに進化したのだと。あの映像の中で「やがては日本のカーリングの中心地に」そして「カーリング世界選手権を開く」と言っていた男性が誰だったかは知らない。だが、彼らはその2つを既に達成しており、さらに世界一までを夢見ていただろう。

 そんなカーリング熱を受け継ぐ若者達が、あの親父たちの夢をまた一つ開かせたのだと感動する。できれば「決勝も勝ち抜いて金メダルを」の願いが先に立つが、さて世界はそう甘くは無いだろうか。

 

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