愚ダメ記、真誤付き、思い津記

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空蝉

2021-07-27 | 日記

庭の木の根元の地面に直径2cm弱の穴が幾つか開いている。セミのサナギが這い出した跡。大きさからみてアブラゼミだろうか。サナギが出た穴があるという事は、セミが抜け出た殻がどこかにあるという事。それが見当たらないので探していたが、庭の草花に水をやる時に一つ見つけた。ふと見ると、何とアサガオの葉にかじりつくようにセミの抜け殻がぶら下がっていた。

 空蝉(セミの抜け殻)というと、昔読んだ忍者漫画が思い出される。「空蝉の術」というのがあって、姿を見つけて手裏剣を投げるが、そこには忍者の身体が抜け出た後の服だけが手裏剣に突き刺されて残っているというシーンだ。「おとり」とは違い、確かにその服を着た忍者そのものがそこに居たことを示している。

 アサガオの葉にぶら下がる空蝉、それも確かにサナギの背中を開いて出て来た蝉そのものがそこに居て、羽根が伸びて硬くなるのをじっと待っていたことを示している。「こんな細いアサガオの蔓を上り、何とか安定を求めて葉に噛り付いたのだろう。庭木の根元からはかなり離れた所まで地面を這ってやって来たセミは、何とか高さのある場所まで辿り着いてほっとしたことだろう・・・」とふと思った。

 「空蝉の蔓に朝顔の花一輪」「空蝉や朝顔の葉に噛り付く」。最近は朝からクマゼミがうるさいが、この空蝉の主がクマゼミなのかアブラゼミなのか見てみたかった。

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