Sydney Yajima


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アメリカがTHAAD配備を急ぐ理由

2017-02-09 18:55:15 | 政治

THAADとは、韓国に配備予定のミサイル防衛システムである。

ミサイル防衛は、長距離弾道弾を始めとし、中距離にも対応する。したがって3000キロまでの範囲のミサイルには対応できるとされている。

しかし、超短距離には対応しない。

北朝鮮のどこから撃たれるかにもよるが、大まかに言って、韓国の北部は迎撃できないだろう。これは米軍も1999年5月 「TMDミサイル防衛システム議会報告書」のなかで公に言っている。

ソウル市は北朝鮮から40キロしか離れておらず、高度 40~150キロで迎撃するTHAADでは迎撃できないのだ。

 

つまり、米軍は韓国の南部から東側・・・つまり 日本の防衛のためにTHAADを配備するのであって、韓国を守るためではないという事だ。

そして、その韓国は、輸出貿易のほとんどを頼っている中国に袖にされながらも健気にTHAADを配備しようとしてくれている。

彼らにはその意識はなくとも、それは 結果的に もちろん、日本のためになる。

中国の名前が出たので、続ける。

重要なことだからだ。

なぜならTHAADは、いつでもつぶせる北朝鮮からの防衛という名分にしては、驚くほど重厚なシステムだということだ。もっと言えば、THAADの配備によって、北朝鮮からの攻撃には対処が難しいが、しかし、中国からの攻撃に関して言えば 大いに効果があるということだ。

中国の反発の意味が分かるだろう?

その、THAADが今年の8月ごろには、ほぼ配備が終わる。

アメリカにとっては、「いつでも撃ってこい」と言わんばかりの配備網の完成だ。

北朝鮮が南進するならば、まず最初にアメリカ軍基地を狙うであろうし、THAADの拠点を攻撃するはずだ。しかも、ソウルの町を火の海にする という常とう句も、実行に移すだろう。

だが、北朝鮮が南進する可能性は、ゼロではないが、しかし、限りなくゼロに近い。

それよりも、米軍が北朝鮮に対して、Xディーを決めて、空爆を開始する可能性のほうがずっと高い。

もし、THAADの配備を終えて、そののち、北朝鮮に入り、そこから匕首を中国ののど元に突きつければ、十分な防御と攻撃の体制が整うので、中国としては手も足も出ない。

もちろん、中国だって指をくわえてみているわけではないから、対抗処置として、さまざまな行動に出てくることは予想に難くない。

米国にとっても中国にとっても、良いことは無い。

というのが、中国の外交部の主張だが、それはちょっと違う。

確かに中国にとっては良いことは無いかもしれない。

だが、米軍にとってやる価値は十分にある。

まず、軍需が増えると、米国内の産業が潤う。

これで米国に集まりすぎた米ドルを使用できる名目になるので、インフレを当分抑えられる。

さらに、崩壊後の北朝鮮に米軍を配備することで、今後の中国、ロシアとの交渉を楽に進められる。少なくとも、無視できない距離に米軍がいることの恐ろしさを、中国は感じるはずだ。

最後に、米軍は、多くの物資を持ち込むだろう。

コカ・コーラにマクドナルド、ケンタッキーにタコベルが北朝鮮に軒を並べ、スターバックスが出店し、フリーWi-Fiで様々な世界情報を北朝鮮から中国向けに垂れ流しすることで、中国国内の不満分子の喚起がおこる。

などという計算は当然立っているはずだ。

だが、机上の計算は、時に危険なことは言うまでもなく、ましてや相手は歴史の長い中国なのだから、アメリカも相当神経を使っているはずだ。そう、簡単に始まったりはしないだろうというのが、私の希望を加えた目算だ。

 

 

 

 


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