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ねがうこと、ゆだねること

超自然的なるものと小泉八雲

2014-07-16 | 
写真家・渡邉博史さんの『怪談』撮影に参加させて
いただき、小泉八雲ことラフガディオ・ハーンの人
となりを読んでいたら、知らないことだらけ。

今年は小泉八雲(1850 - 1904)没後110年目で、
様々な記念プログラムがある。その一つが、生誕の
地、ギリシャのレフカダ島のカルチャーセンターの
中に、ハーンに関する展示施設がオープンしたこと。



ヨーロッパで初めての展示施設だそうだ。そしても
う終わったけど、そのレフカダ島で7/4~7/6にハー
ンに関する国際シンポジウム
が開催されていた。そ
のテーマは;

母方の古代ギリシャの多神教世界や、父方のケルト
の霊的世界に学び親しむ幼年時のハーンの姿勢によ
って形成

アメリカ、マルティニーク、日本へと旅したことで、
よりオープン・マインドな精神性へと発展・熟成

     

したことだったそうだ。松岡正剛は、ハーンを「再話文学
者」という視点から解読したベンチョン・ユー著作『神々
の猿』
を俎上にあげる;

(ハーンの)再話領域は日本のみならず、欧米諸地域・
西インド諸島・その他の中国をふくむ非西欧圏におよ
んでいて、かつ集中的だった。

こうしてハーンの再話はいきおい根元に向かっていっ
たのである。日本を見る目は根元に向かう目だったの
である。



日本人に帰化したハーンは節子と結婚、4人の子どもに恵まれる

西田幾太郎はは田部隆次著『小泉八雲』伝記序文で

万象の背後に心霊の活動を見るといふ様な一種深い神
秘思想を抱いた文学者であつた。かれは我々の単純な
る感覚や感情の奥に過去幾千年来の生の脈搏を感じた
のみならず、肉体的表現の一々の上にも祖先以来幾世
の霊の活動を見た。

と、ハーンの神秘主義を指摘しているそうだ。

松江、熊本、神戸を転々としたハーンが晩年の10年間
居をおちつけた東京。8年間講師をしていた東京帝国大
学文学部での講義で学生たちに語っている(岩波文庫
『怪談』平井呈一・解説)

超自然の物語など、すぐれた文学の中ではすでに時代
遅れのものだと考えるのは、大きな誤りだと私は申し
たい。

遅まきながら、『怪談』だけでなくハーンを読みたくなる。

(敬称略)

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