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「森村泰昌展 ベラスケス頌:侍女たちは夜に甦る」

2013-11-22 | art
昨日に引き続き、森村泰昌展のこと。銀座に移って、資生堂ギャラリー
「森村泰昌展 ベラスケス頌:侍女たちは夜に甦る」を見る。

1994年にザ・ギンザアートスペースで個展『サイコボーグ マドンナ・マ
イケル・モリムラの関係』を開催して以来、約20年ぶりの展覧会開催だ
そうだ。12/25まで。

たまたまこれを見に行って、森村泰昌さんが来てマドンナに扮し、パフォ
ーマンスを間近にする。その時の映像はちょっと見つからないけど、こん
な感じ。おみ足が綺麗でしょ。一物も披露してはったw


「白いマリリン」 1996

今回は17世紀、スペインを代表するベラスケスの「ラス・メニーナス」を
テーマにした新作発表。絵画に登場する11人に扮するんだけど、長年の構
想だけあって、とても凝った構成。

しかも、なんとプラド美術館の「ラス・メニーナス」の展示室で撮影してい
る(今年の2月だそうだ。許可がでるだけでも凄い)。何度も行き来して確
認する楽しさに満ちている。17点の写真で構成。メインは8点;



第1幕 ベラスケスの棺に跪く
第2幕 静寂のなかに小さな揺らぎを見つける
第3幕 絵の深奥の扉を開ける
第4幕 画家の背中越しに秘密の光景を覗く
第5幕 遠くの光に導かれ闇に目覚めよ
第6幕 王国の絵画、絵画の王国
第7幕 ほんとうは何も起こらなかった
第8幕 そして誰もいなくなった

どういう内容かは入口にあった彼の口上を引用するに限る;

一人芝居「侍女たちは夜に甦る」口上。

トザイ(東西)、トーザイ(東西)。
これより御覧にいれまするは、森村泰昌による一人芝居。全8幕の活人画。あ
れやこれや総勢11人の人物に変身する手品でございます。お題は、スペインバ
ロックの巨匠ディエゴ・ベラスケス画伯によりまする、あの名作「ラス・メニ
ーナス」。

思い起こせば1990年、ベラスケス描くところのマルガリータ王女に扮したあの
日から、あたため続けた大芝居。23年の歳月を経て、ようやく皆々様にご披露
させていただく仕儀となりました。



舞台はマドリードのプラド美術館。くだんの名画「ラス・メニーナス」の展示
室。静寂に包まれた夜の館内にて、不肖わたくし森村が、「ラス・メニーナス」
と御対面。するとあら不思議。絵画の中の画家のアトリエと、美術館の展示室
がつながって、共々何処かにワープする。

ワープの行き先はどこ。此岸を越え出た冥界か、はたまた宇宙の時空のねじれ
の狭間か。とにもかくにも森村は、絵画鑑賞という創造力を駆使し、妄想の暴
発を促して、絵画の中に紛れ込もうといたします。絵画と鏡と扉の三面鏡。



画家とモデルと鑑賞者の視線の蔓の縺れ。静寂に包まれたバロック世界が沈黙の
うちにうねうねとねじれ続けて、さてその先にはいかなる結末が待ち受けている
のでしょうか。それは見てのお楽しみ。

絵画の迷宮を彷徨う旅人による、およそ350年のときを駈け逃げ冒険譚。皆さま、
視線の迷子になりませぬよう、目を見開いて、とくと御覧あれ。




撮影は6月下旬から7月上旬に森村さんが客員教授を務める京都市立芸術大学にて
特別授業として学生を対象とした公開制作で行われた。YouTubeでも公開中;


また、プラド美術館に行ってみたくもなる。

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