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日本初回顧展「ヘレン・シャルフベック」

2015-07-26 | art
ヘレン・シャルフベック(1862~1946)の日本初の回
顧展が上野・藝大美術館で開催。絵や会場構成など詳し
いことは、サイトに譲るね。

知らない画家だし絵も殆ど見覚えがなかったけど、とて
も印象深かった。作風というか画風がドラマチックに変
化していくから。それは当時の絵画の革新の影響もある
し、彼女自身の生きざまの変転と軌を一にしているから。



《回復期》1888年26歳のときの作品。パリ万博にも出品
し、銅メダルを獲得し国際的な名声を得る。婚約破棄の痛
手から立ち直りつつある心情が子供に投影されたというの
が通説。当時多かった病床画の影響もあるそうだ。


《扉》1884年 22歳の作品。抽象画の様だ。

フィンランドは1917年ロシアからの独立を宣言するが、
ロシア、スウェーデン、ドイツなどど領土戦争をする。
世情の激変は彼女に影響あたえたに違いないけど、絵や
本展からは読み取れない。

彼女の関心事は絵と親しい人間との関係性。恋心を抱い
た19歳年下の男性が別の女性と婚約されてしまい絶望。
立ち直るために二ヶ月の通院しながら描いた作品が《ロ
マの女》



1919年の作品だから、60歳に近いことに驚かされる。



2012年が生誕120周年だったので、過去最大の回顧展が
ヘルシンキ・アテネウム国立美術館で開催されたそうだ
し、「フィンランドで最も愛されている芸術家の一人」
だそうだ。

隣国スウェーデンのムンク(1863〜1944)とは生まれ
も亡くなったのもほぼ同じ。同時代の画家への言及が多
いシャルフベックだが、ムンクをどう思っていたんだろ
う、交流はあったんだろうか。


《正面を向いた自画像Ⅰ》1945年 亡くなる前年の作

本展は7/26までで、その後各地を巡回する。

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