一昨年の2012年6月に亡くなられた、写真家深瀬昌久さんの
初期の代表作、写真集『鴉(からす)』を見る機会があった。
第2回(1977)伊奈信男賞を受賞。蒼穹舎より刊行(1986)
された写真集は、数十万円。2008年に復刊したものも絶版で
数万円する。海外の人気も高い。
おびたたしい数の鴉に驚く。こんなに群れるものなんだ。そ
して、怖さを感じる。数羽群れても怖いのに、この数のカラ
スと対峙するのは、どんな気分だったんだろう。
当時アシスタントをしていた、写真家の瀬戸正人さんが書い
てはる;
カラスの気配に向かって、フラッシュを焚き、シャッターを
切ったのかも。そこには怖さよりも、写って欲しいという祈
りのようなものが込められていたのかも。
鴉は一羽だと弱々しく孤独な存在だと気づく。猫に食べられる
鴉、棒に足を括られ死体を晒される鴉、自分の投影を見ていた
のかもしれない。
暗室では何も見えなかったフィルムを、明るい部屋で見ると
鴉が写っている時は、写真家としての喜びがあふれる。
撮影地はふるさと北海道で、6年間この鴉のシリーズを撮り続けた
そうだ。実家は北海道で写真館を営んでいた。写真集を出版した
翌年(1987)、お父さんが亡くなられ、深瀬写真館は廃業となる。
初期の代表作、写真集『鴉(からす)』を見る機会があった。
第2回(1977)伊奈信男賞を受賞。蒼穹舎より刊行(1986)
された写真集は、数十万円。2008年に復刊したものも絶版で
数万円する。海外の人気も高い。
おびたたしい数の鴉に驚く。こんなに群れるものなんだ。そ
して、怖さを感じる。数羽群れても怖いのに、この数のカラ
スと対峙するのは、どんな気分だったんだろう。
当時アシスタントをしていた、写真家の瀬戸正人さんが書い
てはる;
見えないもの、写らないものにフラッシュライトを照射し、
それでも立ち現れないものを写真家は待ち続けていたにち
がいない。
それでも立ち現れないものを写真家は待ち続けていたにち
がいない。
カラスの気配に向かって、フラッシュを焚き、シャッターを
切ったのかも。そこには怖さよりも、写って欲しいという祈
りのようなものが込められていたのかも。
不吉なものが纏わりつき、そこここに見え隠れする
影は鴉そのものではなく、深瀬さん自身だ。孤独を
愛してやまない写真家の姿だ。
影は鴉そのものではなく、深瀬さん自身だ。孤独を
愛してやまない写真家の姿だ。
鴉は一羽だと弱々しく孤独な存在だと気づく。猫に食べられる
鴉、棒に足を括られ死体を晒される鴉、自分の投影を見ていた
のかもしれない。
暗室では何も見えなかったフィルムを、明るい部屋で見ると
鴉が写っている時は、写真家としての喜びがあふれる。
ネガを覗き込み、ふたりして感動したものだった。
撮影地はふるさと北海道で、6年間この鴉のシリーズを撮り続けた
そうだ。実家は北海道で写真館を営んでいた。写真集を出版した
翌年(1987)、お父さんが亡くなられ、深瀬写真館は廃業となる。
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