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ダヤニータ・シン「Museum of Chance」「File Room 」展

2015-05-01 | photo
写真家であり製本家と自称するインド人=ダヤニータ・シンさん
の写真展が南青山のギャラリー「AT THE CORNER」で開催中。
5/6まで。

ファッションのARTS & SCIENCEが去年(2014年)に根津美術
館のトイメンにあるパレス青山の1室に誕生させたギャラリーで
初訪問。他の部屋には、洋服・雑貨の店やカフェもある。

ダヤニータ・シンさんは「写真集はアート作品になり得るか、と
いう問いを常に投げかけている現代アーティスト」だそうで、今
回、最新作「Museum of Chance(2014年)」と「File Room
(2013年)」の展示も実験的。



ともにドイツの出版社Steidl社の刊行で、5作目、6作目となる。
静謐で見事な写真集なんだけど、「Museum of Chance」は表紙
を変えた14種類の異なるバージョンがあるし、数冊木枠にいれて
屏風のように展示したり、しまう皮鞄も用意してはる凝りよう。



写真集をどう展示するか、ギャラリーなどの会場ならキュレイター
とのコラボレーションになるだろうし、自宅ならコレクターに
まかせるのだろうけど、写真集それ自体の存在に着目してはる。



「Museum of Chance」はいろんな場所の写真が繋がる迷路。
人の意識がスイッチしながらあちこちに飛ぶけれど、なんらか
の意味が無意識のなかから生まれていく瞬間を捉えようとして
いるかのようだ。



「File Room」は資料室のことで、インド中の「書類の森」を
長年撮りためたもの。同じ機能は世界にあるけど、インドの資
料室はどこにもないって気にさせる。



デジタル化によって、書物の保管方法が変化しようとしている
時に、資料室にのめり込むのは共感できるけど、意外な着目点
だと思う。



ダヤニータ・シンさんは初個展が2011年の資生堂ギャラリー
だそうで、今回がたぶん2度目。来日して京都中心に撮影も。

「AT THE CORNER」では併設したコーナーで、ヴェニスの
Giorgio Mastinu Fine Artから本がセレクトして展示されている。


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