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ねがうこと、ゆだねること

TVドラマ『愛・命~新宿歌舞伎町駆け込み寺』

2011-12-17 | 
11月末にお会いした玄さんドラマを見る。
渡辺謙さんが玄さんの生き様に惚れ込んだそうで
1年がかりで企画し主役を演じる。



二人の共通点は白血病にかかって困難に遭遇したこと。
謙さんは1989年に急性骨髄性白血病を発症し、克服する。
玄さんは2000年に白血病のHTLV-1感染がわかり
発病したら死ぬ運命。それまでカネにまみれた人生を
180度転換させてNPOで人助けという道を歩み始める。

辛い過去と向き合う難しさも実感しているが「いま、
当時のすべての経験が生かされている」と二人は語る。



彼をドラマ化するならば、過去の経験そしてその転換に
焦点をあてたくなるが、本ドラマはNPOを始めたばかりの
玄さんで2002年頃の設定だ。

彼の紹介役として架空の女性である、玄さんを取材する
ジャーナリスト永作博美さんの視点で、物語は進行。
これは脚本家には書きやすい設定。映像ジャーナリストの
考え方はわかっているだろう。

紹介役として玄さんと一緒にボランティア活動をしている
人だとドラマ性が低くなる。

「あなたのCMを作るのではない、私はあなたの敵。撮りたい
時に撮る」といいところも嫌なところも撮っていく。

おたがい命をかけてやってる者同士のぶつかりあい。
そういう姿勢で取材を続ける彼女との間に信頼以上のものが
生まれる。



「命より大切なものはないよ、命を大切にせなあかん」と
何度か玄さんこと謙さんは言う。

「今年は被災地だけでなく、日本が堪え忍んでいる年。
心の中はぐらぐらしてるのに、それをこらえている。
代わりにこのドラマで、僕たちが叫びたいと思います」

その叫びを聞いてすかっとはならない。でも叫んだほうが
きっといいんだろうなと思った。無理なら歌った方が。



番組の最後には現在の玄さんの活動が紹介された。
日本財団の支援もうけて日本各地に駈け込み寺を
作りたいという話も。うまく支援がひろがり、
相談者の養成が進むとええね。

2006年6月にはフジテレビで高橋克実主役で
「こちら新宿駆けこみ寺~泣き笑い玄さん奮闘記~」
で一回ドラマ化されているので、こっちも見てみたい。