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ねがうこと、ゆだねること

第2回ニッポン建設映像祭

2011-02-13 | 建築
建築が建った後はいろんな形で
写される場合があるけど、
建設途上の映像はあまりない。
基本的に立ち入り禁止やからね。

建設会社、設計者、なかには
施主が記録として残している
場合があるそうだ。

その記録映像を、調査→
分析・研究→収集・保存→
公開する非営利組織(UCFA)が
第2回目の映画公開イベントを開催した。



彼らのポリシーの一つが
映像の被写体の建物で
上映会を行うこと。

昨年の1回目は大阪ガスでやった
のが評判だったので楽しみだった。

今回は竹橋のパレスサイドビルでの
開催となったので、まずその
映像から。



上映後のトークが面白い。
UCFAスタッフと東工大
藤岡洋保教授との話が
映像を見た後だから尚更。

そして藤岡さんが、
「戦後のオフィスビルでの
最高の建物だし、これ
以上の建物はもううまれない
でしょう」と言われたのには驚いた。

予算や工期など制約の多い現場を
乗り越えようと、施主の毎日新聞
サイドと設計の日建設計サイドが
努力を重ねた賜物だったことを教わる。



後半はUCFAのスタッフでもあり
日経アーキテクチャに建物探訪の
連載をもっている磯達雄さんの
話が前フリで面白かった。

上映したのは建築家対決と銘打って
『国立代々木競技場第一体育館』(設計:丹下健三)
『蛇の目ミシンビル』(設計:前川國男)
『中銀カプセルタワー』(設計:黒川紀章)
ともに70年代完成だから、
当時の高度成長期の勢いを感じる。



代々木体育館なんて橋を作ってる
みたいでおかしかったど、映画の
タイトルが「かわった形の体育館」
っていうのには爆笑。

建設担当の大林組のPR記録映像なんだ
けど、タイトルや冒頭のオリンピックの
シーンだけ一般人向けで、後はNHK教育
以上に硬い。



中銀カプセルタワーは、あの
カプセルをトラックで滋賀から
運んだシーンが印象的。

竣工後に黒川さん達の設計者と
大成建設の担当者達による
座談会が映像のコアなんだけど、
みながタバコを吸う様子を
これ見よがしにアップにするのが
違和感大で面白かった。
今ならスモーカーでも撮らせないのでは。

区分所有者によって立替が
決まっているそうだ。

蛇の目ミシンビルも2009年解体。